論語を現代語訳してみました。
泰伯 第八
《原文》
子曰、師摯之始、關雎之亂、洋洋乎、盈耳哉。
《翻訳》
子 曰〔のたま〕わく、師摯〔しし)の始〔はじ)め、関雎〔かんしょ)の乱〔おわ〕り、洋洋〔ようよう〕 乎〔こ〕として、耳〔みみ〕に盈〔み〕つるかな。
《現代語訳》
孔先生はまた、次のようにも仰られました。
〈その昔、周王朝の都へ赴いたときのことだが、〉師摯殿が奏でる音色〔ねいろ〕を耳にしたとき、いまの世の乱れを思うと、ふと昔(周の文王が治めていたころ)の平穏な時代を懐かしく思うたものだ、と。
〈つづく〉
08 詩經.關雎
《雑感コーナー》 以上、ご覧いただき有難う御座います。
歌詞の意味はわかりませんが、心に響くいい音色 (^^♪
ちなみに今回の語訳は、コメント欄のテレビ倒さんの解釈を元にして、変更させていただきました。
ちなみに変更前の語訳はつぎのとおりでした。
「〈その昔、周王朝の都へ赴いたときのことだが、〉師摯殿が奏でる音色〔ねいろ〕は、関雎のもっとも盛り上がるところが、実に壮大〔そうだい〕華麗〔かれい〕であって、今でも私の耳から離れることがない」と。
※ 師摯とは周王朝の楽師で、周厲王のとき、鄭・衛の楽がおこり正楽がすたれたので、師摯は周の衰えを認識した、といわれている。
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳は、同出典本と伊與田學先生の『論語 一日一言』を主として参考