論語を現代語訳してみました。
公冶長 第五
《原文》
子曰、道不行。乘桴浮于海。從我者、其由與。子路聞之喜。子曰、由也、好勇過我。無所取材。
《翻訳》
子 曰〔のたま〕わく、道〔みち〕 行〔おこ〕なわれず。桴〔ふ〕に乗〔の〕りて海〔うみ〕に浮〔う〕かばん。我〔われ〕に従〔したが〕う者〔もの〕は、其〔そ〕れ由〔ゆう〕なるか、と。子路〔しろ〕 之〔これ〕を聞〔き〕きて喜〔よろこ〕ぶ。子 曰〔のたま〕わく、由や、勇〔ゆう〕を好〔この〕むこと我に過〔す〕ぎたり。材〔ざい〕を取〔と〕る所〔ところ〕 無〔な〕し、と。
子 曰〔のたま〕わく、道〔みち〕 行〔おこ〕なわれず。桴〔ふ〕に乗〔の〕りて海〔うみ〕に浮〔う〕かばん。我〔われ〕に従〔したが〕う者〔もの〕は、其〔そ〕れ由〔ゆう〕なるか、と。子路〔しろ〕 之〔これ〕を聞〔き〕きて喜〔よろこ〕ぶ。子 曰〔のたま〕わく、由や、勇〔ゆう〕を好〔この〕むこと我に過〔す〕ぎたり。材〔ざい〕を取〔と〕る所〔ところ〕 無〔な〕し、と。
《現代語訳》
孔先生が、いきなり声を張り上げられ、乱世じゃ、と仰られてから、次のように仰られました。
小舟に乗って東の大海にでも向かうとするかの。けれども、ついてこれるのは、由〔ゆう(=子路)〕、ただ一人といったところかな、と。
それを聞いた子路さんが、たいそう喜ばれましたが、先生がさらに、次のようにも仰られました。
由の勇猛〔ゆうもう〕さには到底及ぶことはないが、荒海〔あらうみ〕を乗り越えるだけの小舟を造〔つく〕る術〔すべ〕までは、心得てはいないようじゃな、と。
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子路
(ウィキペディアより)
《雑感コーナー》 以上、ご覧いただき有難う御座います。
孔先生と子路さんとのやりとりは、実に愉快だな~って(*'ω'*)
乱世にあって、この二人の会話というのは、実にほのぼのしている感があって個人的にはすごく気に入っております。(*^。^*)
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ 子路(または季路)は孔門十哲のひとりで剣術に優れていた。いささか軽率なところがある反面、質実剛健たる人物だった
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳は、同出典本と伊與田學先生の『論語 一日一言』を主として参考