2016年後期BK朝ドラ『べっぴんさん』の第11週「やるべきこと」のネタバレ感想。
考えすぎで言葉に詰まる、自分の不器用さが嫌い。
でも妙に器用に立ち振る舞う自分はそれ以上に嫌い。
(Mr.Children『HANABI』より)
※今週忙しかったのでざっくりめです。
関連リンク
・『べっぴんさん』10週 この追い風に乗っていけ
・『べっぴんさん』9週 誰のまねもすんな 君は君でいい。
過去ログ、『あさが来た』『てるてる家族』他朝ドラなどこちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ
『精霊の守り人』『ちかえもん』『映像の世紀』他、大河、Nスペ、BSプレミアムのまとめ。
・結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ<NHK系>
『重版出来!』『天皇の料理番』『新釣りバカ日誌』など民放ドラマ、映画などなどのまとめ
・テレビっ子の備忘録まとめ。<民放系>
●言いたいことも言えないこんな世の中
紀夫君は試練ですね。
まず9週終わり、洋裁教室にて過緊張でぶっ倒れる。
意識回復したけど、事の経緯を思い出して猛烈に自己嫌悪。
心身の疲労もあるので休むよう命じられるも、身体自体は元気なので持て余し状態。
一方嫁さんであるすみれのキアリスは、軌道に乗って拡大の一途。
「やりたい事があるだけでもすごい事やのに、やりたい事とやるべき事が一致している。奇跡のような事やなあ」
すみれの奇跡を羨ましく思いつつ、じゃあ自分はどうすればいい。
何をしたいのか。何をすべきなのか。何を出来るのか。
平成の世でも悩みますよね、こんなの。
ましてや紀夫は坂東家に婿入り、後には坂東営業部を背負っていく人間とされている。
五十八から、はなから、すみれを託されている。
娘のさくらもいる。
紀夫の『やるべきこと』は「すみれとさくらを守ること」なのでしょう。
悩める紀夫に五十八がかけた言葉。
「強くなるには変わらなければならない」
「よく考えて道を選びなさい」
この言葉で決意をした紀夫は、「自分らしく」立ち上がります。
これで紀夫は救われた、と思いきや。
そんな簡単なことではありませんでした。
そもそも紀夫って、子供の頃からコミュニケーション苦手なんですよ。
子供の頃はよほど無口だったのでしょう。
喋っただけで驚かれました。(第1週)
片思いの相手が、姉の祝言で何かへこんでる様子を見ていきなり「おまえフラれたん」って言ったり。(第2週)
すみれとの結婚式でも、「綺麗です」の一言をやっと絞り出すのがやっとだったり。
赤ちゃんが出来たと知った時は、ベランダに出て叫びだし。
そんな紀夫が出兵&復員。
大人しかったすみれが自分で商売を起こしていて、時代は目まぐるしく変わっていたり(8週)
やっと会えたはずの娘は自分より栄輔に懐いているし。
人間不信というトラウマを抱えていたり。
栄輔に一言言ってやりたいけど、何も言えない。
それでもすみれのキアリスに賭ける思いを聞き、「彼女の生き方を守る」決意をします。
そこに起こった、洋裁教室での出来事。
それを乗り越えられるかと思ったら、さらに予想外の出来事。
喜代さんの不在のため、仕事と同時に家事を進めなければならないすみれ。
そんなに根詰めると身体を壊すぞ、と注意してもすみれは聞く耳を持たず。
忙しいので仕方がないのですが、開店を翌日に控えた日。
帰宅したらすみれとさくらがいない。
さぞかし不安に駆られたことかと思います。
穏やかな彼らしからぬ大きな声をあげてふたりを探すも家にいない。
さくらの居場所はすぐにわかって安堵するのですが、問題はすみれ。
すみれは大急百貨店での出店準備に集中しすぎて、店内から出られないまま一晩明かしていました。
今ならばメールなり電話なりでどうにか連絡はつきますが、そんなことができる時代じゃない。
大急百貨店に向かえばどうにかなるかもしれませんが、時間的に厳しい(さくらもいるし)。
朝まで玄関で待ち続けた紀夫は、急いで帰ってきたすみれに手を上げてしまいました。
彼もまたやりすぎたことはわかっているのでしょう。
頬を押さえるすみれを見て、「しまった…」と表情を浮かべます。
キアリスの大急出店の日は手伝いながらも、どうしてもすみれと気まずい。
家事に仕事に多忙を極めるすみれは倒れてしまいました。
3日間の休養、その末にすみれが出した結論は『家族に迷惑をかけている、キアリスを辞める』というもの。
突然聞かされた紀夫。
それは紀夫が望んだことなのか。
紀夫の問題。
金曜に解決しなかった時点で、土曜に解決するとは思えなかったし、そんな簡単な問題ではなかった。
だから逆に良かったです、しっかり描くんだなって。
しかしまあこう並べてみると永山絢斗さん、さすがです。
『重版出来!』での名演も記憶に新しいところですが。
『64』(ドラマ版)や『聖女』でもはまってました。
今後が楽しみな俳優さん。
●やるべきこと、できること、やりたいこと。
少し重複しますが、すみれの生活も激変します。
まずは大急百貨店への出店。
多忙を極める日々が始まります。
それでもどこか楽しんでいるのは、紀夫が言っていた通り
『やりたいこと』をやっているからなのでしょう。
どこか高校生の文化祭準備のような雰囲気。
戦争で謳歌することができなかった青春を、時代が許さなかった青春を今思いっきり楽しんでる。
おとなしいながらもエネルギッシュな彼女たちです。
が、激変させたことはもうひとつ。
お世話になっている女中の喜代さんが、腰痛悪化のため入院することになりました。
仕事をやらなければいけないし、家事もやらなければいけない。
すみれに悲壮感が漂ってるわけではありません。
むしろ「楽しんでいる」が近いのかもしれない。
折しも紀夫が倒れたあと。
立ち上がった紀夫の後ろ姿に、ほのかな「申し訳なさ」を感じていたすみれでした。
今なら紀夫のため、さくらのために頑張れる。
そんな思いがあったのかもしれない。
思えば、小さい頃から『夢中になったことには猪突猛進』
第1週
はちゃめちゃなヒロインを描いてきたBK朝ドラが、ついに無難ヒロインか!と思わせた直後の、靴ジェノサイドだったので驚きましたね。
大急百貨店の施錠時間に気づかないまま、翌日の開店準備をしていたとき。
外に出られなくなってしまいます。
さくらは君枝ちゃんちに預けていたので安全だったのですが、問題は紀夫と連絡が取れないこと。
翌朝大慌てで帰宅をしたら、紀夫はすみれの頬を叩きました。
閑話休題。
物議を醸した紀夫ビンタ。
『朝帰りしたすみれもすみれだけれども、何も聞かずに手をあげるとは暴力だ』という意見も多く見ました。
平成の価値観だとそれは大いに同意できます。
でもドラマの中は昭和。1948年くらいだったはず。
昭和の親父の鉄拳制裁は、星一徹なり波平さんなりよくある話。
もちろんそれがいいか悪いかは別の話。
時代背景として、事情はどうあれ朝帰りした妻に夫が手をあげても違和感はない、ということです。
それにまあ、ほら。
そんなこと言ったら『カーネーション』とか大変なことになっちゃうじゃないの……
『ごちそうさん』の和枝ちゃんいびり描写や、『あさが来た』の惣兵衛刀傷沙汰なんか。
あのへんもだいぶやばいことになっちゃうじゃないの……
そして迎えた大急百貨店開店の日。
大盛況。
予想を上回る売り上げに喜ぶすみれたちです。
が、紀夫とどうしても気まずい。
すみれも紀夫も言葉を考え過ぎてしまっている。
そんな父親と母親の様子を察知したのがさくらでした。
靴がきつくなってきた。
忙しい親に言うのを遠慮してしまう。
さくらからの「お父さんのどこが好き?」の質問は、すみれの心に大きな石を投げつけました。
肉体的な疲労もたまっていたことでしょう。
追い討ちをかけるように、紀夫からのビンタ、さくらの言葉。
ついにすみれは倒れてしまいました。
数日の休養期間、すみれが目にしたのはさくらの成長。
それから、先を歩いている仲間たちでした。
仕事は、自分がいなくても大丈夫。
今、自分のやるべきことは家のこと。
すみれはキアリスを辞めたい、と伝えます。
どうなることやら。
●家族がもうひとり。
もう一人、潔とゆり。
ゆり姉ちゃん発案の洋裁教室が軌道に乗るのですが、ゆり姉ちゃんの悩みがひとつ。
もしかして : 妊娠 ?
いや潔はこれを喜ぶのだろうか。
潔が好きなのは同志としての自分なのではないか。
妻として母としての自分は……
あれ?幸せってなんだっけ?
ゆり姉ちゃん、第2週で言ってました。
「なくすのが悲しくなるほど…大事な人や大切なものがあるいうのを、『幸せ』いうんかなって」
潔のことが大切だから。
坂東営業部のことも大切だから。
どちらも守りたいけどどうすればいいのだろう。
悩めるゆりを救ったのは、近江の静子さん節子さんでした。
戦争を乗り越えて笑顔を取り戻した2人。
根は明るい人たちなのでしょう。
『自分』ではなく『自分ら』になる。
自分の幸せではなく、自分らの幸せになる。
それが家族になるということ。
意を決したゆりは、ようやく潔に妊娠のことを伝えます。
「わしの子が、生まれるんか…」
潔はずっと待っていた。
ゆり姉ちゃんが不安になるくらいバイタリティーに溢れている潔だけれど、家族を何より望んでいた。
ゆっくりと、でも確実にゆりと潔の夫婦も変わっていきます。
●お前ら何をしているんだwww
とまあ紀夫、すみれ、潔、ゆり。
みんなみんな重たい状態だったので、コミカルな演出がありがたかったですね。
久々に『てるてる家族』見てるようでした。
元ミドル春子の悦子様、これ照子のDNAや。
やっぱり照子のDNAや。
近江の方もキレッキレでした。
長゛太゛郎゛お゛じ゛さ゛ん゛!゛!゛!゛
おじさんと言えばもうひとり。
大急で一晩明かしたすみれを発見したのはこの人。
はwwwるwwwかwww師匠www
『あさが来た』や『マッサン』でお馴染のあの写真屋さん。
ねえほんと何やってるのwwww
●エンディングくらいいいじゃないか。
今週面白かったのは、久しぶりに『エンディングテーマ』が流れたこと。
『てるてる家族』で見慣れたエンディング。
これ、NHK大阪の広報によると「歌詞が聴き取りづらいという声があったため」というサービスの模様。
長年ミスチルファンやってますが、空耳は本当に多いです。
例えば……
『エソラ』
誤「水をこぼしてる空っぽの生きもの」
正「二足歩行している空っぽの生きもの」
『雨のち晴れ』
誤「1DK 5万円のアパートには」
正「1DK 狛江のアパートには」
楽曲としては聞き取りにくくてなんぼだろ!
むしろ正解当てたときが嬉しいんだぞ!
とは思うのですが、そこはさすがに朝ドラですね。
(こうなることはわかってた)
問題はミスチル空耳ではなく、この2分間。
賛否両論ある子とかと思います。
ここでは私の想いを率直に言わせてもらいますが、
いいじゃないの!!
別に尺調整くらい!!!
蛇足シーン入れておいおい辻褄合わなくなるなら、堂々と尺調整してくれたほうが遥かにマシですよ!!!
てかべっぴんさんの紅白、ほとんどないんですよ。
ミスチルもももクロも出ないんですよ。
年末年始はさんで休みになるんですよ。
これくらいいいじゃないの。
尺調整ではなくても、この2分間のエンディングが流れたのは、紀夫が立ち上がる回。
そもそも「ヒカリノアトリエ」はインストとして、劇伴で使われています。
すみれがエイミーと出会うときとか。
大急への出店のときとか。
まあいわゆる「チャンスのテーマ」ですよね。
「ここまで色々あってへこんでたけど紀夫にもチャンスがきた」と思えなくもない。
(そのあとまたビンタ騒動あったけど)
このエンディング、何が面白かったかって。
ダイジェスト映像が後ろで流れてるんですが、みんな大好きダァイキュウ小山が爽やかにサビを歌ってるところ。
小太郎、よかったね。
●年内ラストの12週は……
毎度お楽しみのクリスマス週
?!?!
考えすぎで言葉に詰まる、自分の不器用さが嫌い。
でも妙に器用に立ち振る舞う自分はそれ以上に嫌い。
(Mr.Children『HANABI』より)
※今週忙しかったのでざっくりめです。
関連リンク
・『べっぴんさん』10週 この追い風に乗っていけ
・『べっぴんさん』9週 誰のまねもすんな 君は君でいい。
過去ログ、『あさが来た』『てるてる家族』他朝ドラなどこちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ
『精霊の守り人』『ちかえもん』『映像の世紀』他、大河、Nスペ、BSプレミアムのまとめ。
・結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ<NHK系>
『重版出来!』『天皇の料理番』『新釣りバカ日誌』など民放ドラマ、映画などなどのまとめ
・テレビっ子の備忘録まとめ。<民放系>
●言いたいことも言えないこんな世の中
紀夫君は試練ですね。
まず9週終わり、洋裁教室にて過緊張でぶっ倒れる。
意識回復したけど、事の経緯を思い出して猛烈に自己嫌悪。
心身の疲労もあるので休むよう命じられるも、身体自体は元気なので持て余し状態。
一方嫁さんであるすみれのキアリスは、軌道に乗って拡大の一途。
「やりたい事があるだけでもすごい事やのに、やりたい事とやるべき事が一致している。奇跡のような事やなあ」
すみれの奇跡を羨ましく思いつつ、じゃあ自分はどうすればいい。
何をしたいのか。何をすべきなのか。何を出来るのか。
平成の世でも悩みますよね、こんなの。
ましてや紀夫は坂東家に婿入り、後には坂東営業部を背負っていく人間とされている。
五十八から、はなから、すみれを託されている。
娘のさくらもいる。
紀夫の『やるべきこと』は「すみれとさくらを守ること」なのでしょう。
悩める紀夫に五十八がかけた言葉。
「強くなるには変わらなければならない」
「よく考えて道を選びなさい」
この言葉で決意をした紀夫は、「自分らしく」立ち上がります。
これで紀夫は救われた、と思いきや。
そんな簡単なことではありませんでした。
そもそも紀夫って、子供の頃からコミュニケーション苦手なんですよ。
子供の頃はよほど無口だったのでしょう。
喋っただけで驚かれました。(第1週)
片思いの相手が、姉の祝言で何かへこんでる様子を見ていきなり「おまえフラれたん」って言ったり。(第2週)
すみれとの結婚式でも、「綺麗です」の一言をやっと絞り出すのがやっとだったり。
赤ちゃんが出来たと知った時は、ベランダに出て叫びだし。
そんな紀夫が出兵&復員。
大人しかったすみれが自分で商売を起こしていて、時代は目まぐるしく変わっていたり(8週)
やっと会えたはずの娘は自分より栄輔に懐いているし。
人間不信というトラウマを抱えていたり。
栄輔に一言言ってやりたいけど、何も言えない。
それでもすみれのキアリスに賭ける思いを聞き、「彼女の生き方を守る」決意をします。
そこに起こった、洋裁教室での出来事。
それを乗り越えられるかと思ったら、さらに予想外の出来事。
喜代さんの不在のため、仕事と同時に家事を進めなければならないすみれ。
そんなに根詰めると身体を壊すぞ、と注意してもすみれは聞く耳を持たず。
忙しいので仕方がないのですが、開店を翌日に控えた日。
帰宅したらすみれとさくらがいない。
さぞかし不安に駆られたことかと思います。
穏やかな彼らしからぬ大きな声をあげてふたりを探すも家にいない。
さくらの居場所はすぐにわかって安堵するのですが、問題はすみれ。
すみれは大急百貨店での出店準備に集中しすぎて、店内から出られないまま一晩明かしていました。
今ならばメールなり電話なりでどうにか連絡はつきますが、そんなことができる時代じゃない。
大急百貨店に向かえばどうにかなるかもしれませんが、時間的に厳しい(さくらもいるし)。
朝まで玄関で待ち続けた紀夫は、急いで帰ってきたすみれに手を上げてしまいました。
彼もまたやりすぎたことはわかっているのでしょう。
頬を押さえるすみれを見て、「しまった…」と表情を浮かべます。
キアリスの大急出店の日は手伝いながらも、どうしてもすみれと気まずい。
家事に仕事に多忙を極めるすみれは倒れてしまいました。
3日間の休養、その末にすみれが出した結論は『家族に迷惑をかけている、キアリスを辞める』というもの。
突然聞かされた紀夫。
それは紀夫が望んだことなのか。
紀夫の問題。
金曜に解決しなかった時点で、土曜に解決するとは思えなかったし、そんな簡単な問題ではなかった。
だから逆に良かったです、しっかり描くんだなって。
しかしまあこう並べてみると永山絢斗さん、さすがです。
『重版出来!』での名演も記憶に新しいところですが。
『64』(ドラマ版)や『聖女』でもはまってました。
今後が楽しみな俳優さん。
●やるべきこと、できること、やりたいこと。
少し重複しますが、すみれの生活も激変します。
まずは大急百貨店への出店。
多忙を極める日々が始まります。
それでもどこか楽しんでいるのは、紀夫が言っていた通り
『やりたいこと』をやっているからなのでしょう。
どこか高校生の文化祭準備のような雰囲気。
戦争で謳歌することができなかった青春を、時代が許さなかった青春を今思いっきり楽しんでる。
おとなしいながらもエネルギッシュな彼女たちです。
が、激変させたことはもうひとつ。
お世話になっている女中の喜代さんが、腰痛悪化のため入院することになりました。
仕事をやらなければいけないし、家事もやらなければいけない。
すみれに悲壮感が漂ってるわけではありません。
むしろ「楽しんでいる」が近いのかもしれない。
折しも紀夫が倒れたあと。
立ち上がった紀夫の後ろ姿に、ほのかな「申し訳なさ」を感じていたすみれでした。
今なら紀夫のため、さくらのために頑張れる。
そんな思いがあったのかもしれない。
思えば、小さい頃から『夢中になったことには猪突猛進』
第1週
はちゃめちゃなヒロインを描いてきたBK朝ドラが、ついに無難ヒロインか!と思わせた直後の、靴ジェノサイドだったので驚きましたね。
大急百貨店の施錠時間に気づかないまま、翌日の開店準備をしていたとき。
外に出られなくなってしまいます。
さくらは君枝ちゃんちに預けていたので安全だったのですが、問題は紀夫と連絡が取れないこと。
翌朝大慌てで帰宅をしたら、紀夫はすみれの頬を叩きました。
閑話休題。
物議を醸した紀夫ビンタ。
『朝帰りしたすみれもすみれだけれども、何も聞かずに手をあげるとは暴力だ』という意見も多く見ました。
平成の価値観だとそれは大いに同意できます。
でもドラマの中は昭和。1948年くらいだったはず。
昭和の親父の鉄拳制裁は、星一徹なり波平さんなりよくある話。
もちろんそれがいいか悪いかは別の話。
時代背景として、事情はどうあれ朝帰りした妻に夫が手をあげても違和感はない、ということです。
それにまあ、ほら。
そんなこと言ったら『カーネーション』とか大変なことになっちゃうじゃないの……
『ごちそうさん』の和枝ちゃんいびり描写や、『あさが来た』の惣兵衛刀傷沙汰なんか。
あのへんもだいぶやばいことになっちゃうじゃないの……
そして迎えた大急百貨店開店の日。
大盛況。
予想を上回る売り上げに喜ぶすみれたちです。
が、紀夫とどうしても気まずい。
すみれも紀夫も言葉を考え過ぎてしまっている。
そんな父親と母親の様子を察知したのがさくらでした。
靴がきつくなってきた。
忙しい親に言うのを遠慮してしまう。
さくらからの「お父さんのどこが好き?」の質問は、すみれの心に大きな石を投げつけました。
肉体的な疲労もたまっていたことでしょう。
追い討ちをかけるように、紀夫からのビンタ、さくらの言葉。
ついにすみれは倒れてしまいました。
数日の休養期間、すみれが目にしたのはさくらの成長。
それから、先を歩いている仲間たちでした。
仕事は、自分がいなくても大丈夫。
今、自分のやるべきことは家のこと。
すみれはキアリスを辞めたい、と伝えます。
どうなることやら。
●家族がもうひとり。
もう一人、潔とゆり。
ゆり姉ちゃん発案の洋裁教室が軌道に乗るのですが、ゆり姉ちゃんの悩みがひとつ。
もしかして : 妊娠 ?
いや潔はこれを喜ぶのだろうか。
潔が好きなのは同志としての自分なのではないか。
妻として母としての自分は……
あれ?幸せってなんだっけ?
ゆり姉ちゃん、第2週で言ってました。
「なくすのが悲しくなるほど…大事な人や大切なものがあるいうのを、『幸せ』いうんかなって」
潔のことが大切だから。
坂東営業部のことも大切だから。
どちらも守りたいけどどうすればいいのだろう。
悩めるゆりを救ったのは、近江の静子さん節子さんでした。
戦争を乗り越えて笑顔を取り戻した2人。
根は明るい人たちなのでしょう。
『自分』ではなく『自分ら』になる。
自分の幸せではなく、自分らの幸せになる。
それが家族になるということ。
意を決したゆりは、ようやく潔に妊娠のことを伝えます。
「わしの子が、生まれるんか…」
潔はずっと待っていた。
ゆり姉ちゃんが不安になるくらいバイタリティーに溢れている潔だけれど、家族を何より望んでいた。
ゆっくりと、でも確実にゆりと潔の夫婦も変わっていきます。
●お前ら何をしているんだwww
とまあ紀夫、すみれ、潔、ゆり。
みんなみんな重たい状態だったので、コミカルな演出がありがたかったですね。
久々に『てるてる家族』見てるようでした。
元ミドル春子の悦子様、これ照子のDNAや。
やっぱり照子のDNAや。
近江の方もキレッキレでした。
長゛太゛郎゛お゛じ゛さ゛ん゛!゛!゛!゛
おじさんと言えばもうひとり。
大急で一晩明かしたすみれを発見したのはこの人。
はwwwるwwwかwww師匠www
『あさが来た』や『マッサン』でお馴染のあの写真屋さん。
ねえほんと何やってるのwwww
●エンディングくらいいいじゃないか。
今週面白かったのは、久しぶりに『エンディングテーマ』が流れたこと。
『てるてる家族』で見慣れたエンディング。
これ、NHK大阪の広報によると「歌詞が聴き取りづらいという声があったため」というサービスの模様。
長年ミスチルファンやってますが、空耳は本当に多いです。
例えば……
『エソラ』
誤「水をこぼしてる空っぽの生きもの」
正「二足歩行している空っぽの生きもの」
『雨のち晴れ』
誤「1DK 5万円のアパートには」
正「1DK 狛江のアパートには」
楽曲としては聞き取りにくくてなんぼだろ!
むしろ正解当てたときが嬉しいんだぞ!
とは思うのですが、そこはさすがに朝ドラですね。
(こうなることはわかってた)
問題はミスチル空耳ではなく、この2分間。
賛否両論ある子とかと思います。
ここでは私の想いを率直に言わせてもらいますが、
いいじゃないの!!
別に尺調整くらい!!!
蛇足シーン入れておいおい辻褄合わなくなるなら、堂々と尺調整してくれたほうが遥かにマシですよ!!!
てかべっぴんさんの紅白、ほとんどないんですよ。
ミスチルもももクロも出ないんですよ。
年末年始はさんで休みになるんですよ。
これくらいいいじゃないの。
尺調整ではなくても、この2分間のエンディングが流れたのは、紀夫が立ち上がる回。
そもそも「ヒカリノアトリエ」はインストとして、劇伴で使われています。
すみれがエイミーと出会うときとか。
大急への出店のときとか。
まあいわゆる「チャンスのテーマ」ですよね。
「ここまで色々あってへこんでたけど紀夫にもチャンスがきた」と思えなくもない。
(そのあとまたビンタ騒動あったけど)
このエンディング、何が面白かったかって。
ダイジェスト映像が後ろで流れてるんですが、みんな大好きダァイキュウ小山が爽やかにサビを歌ってるところ。
小太郎、よかったね。
●年内ラストの12週は……
毎度お楽しみのクリスマス週
?!?!
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