〈09冬、今ふたたびの奈良へ〉隣の駅へ

運良く３連休をもらったので、旅に出ることにした。
昨日が夜勤明けだから実質４連休みたいなものだけれど、寝不足の帰宅中に雪に降られてしまい、１日は睡眠と休養に充てることにした。
あまりの寒さも手伝って、もういっそのこと３日間、家で読み貯めている本をひたすらに読んでようかとも考えていた。
土壇場になって悩むのはあたしの悪い癖だけれど、
「たまには鉄道乗ってストレス発散してきなよ。ステロイド剤よりずっと効くんじゃないかな」
届いたメールの文面に一念発起。
今朝になり、時刻表とカメラを鞄に詰め込んで、医学の本とシフト表は机に置いて、社宅を出た。


さてどこへ行こう。
学生には短いけれど、社会人にはなかなか長い３連休。
とりあえず鉄路だろう、と新横浜へ向かった。

新横浜へ来たはいいものの、奈良か島根か、いくつか絞りこんだが新横浜に着いてもまだ悩んでいる。
まあいいか、とりあえず隣駅へ行こう。
「新横浜の次は名古屋に止まります」
ずいぶん離れた『隣駅』だ、と自分のノープラン具合に思わず苦笑。
社会人になってもこればかりはやめられない。
１年越しの感覚を思い出しているうちに、のぞみは発車し瞬く間に速度を上げた。
首都圏を一気に抜ける。

左手に輝く相模湾が映り、やがて右手には一際高い霊峰、富士。
昨日の冬嵐とはうってかわった眩しい空に、冠雪が映える。
見事だ。
Ｎ７００系の車窓に初夢を見た。


そうこうしているうちに、『隣駅』に着いた。
途中停車駅はない。
乗車したのはわずか１区間だが、ここはもう名古屋だ。