2016年大河『真田丸』27話「不信」のネタバレ感想のようなものまとめ。

今回ガチめに胃が痛くなりました。
※ヒストリアと太閤記のあれこれも。
関連リンク
1話「船出」~25話「瓜売」はこちら。
・【NHK大河ドラマ】 『真田丸』まとめのまとめ 【堺雅人&草刈正雄】
『ちかえもん』『コントレール』『映像の世紀』他、大河、Nスペ、BSプレミアムのまとめ。
・少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ<NHK系>
朝ドラ「とと姉ちゃん」「てるてる家族」「あさが来た」「あまちゃん」こちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ
民放ドラマ、映画などなどのまとめ
・テレビっ子の備忘録まとめ。<民放系>
■何とかしてやりたい甥っ子


「その前に孫七郎は可愛い甥っ子じゃで。なんとかしてやりたで思うんやわ。頼むで!」
世間は自分が秀次を疎んでると思ってるかもしれない。
正直その気持ちもなきにしもあらずだけど。
でも『孫七郎は可愛い甥っ子』と。
源次郎に向ける純真無垢な笑顔が眩しくて辛い。
■今週も平野感絶好調


平野のおっちゃんの小物感よwww
源次郎、相手してやれよwww
しかし米原さんと同じ人には見えないなあ……。
(『てるてる家族』10週の話)
■叔父と縁側で。
「お父上が分かるのですね。笑ってらっしゃいます」
「お顔が面白いからでしょ」
大蔵卿局の言葉のあとにナチュラルに毒ぶつける茶々様ぁ……
父上じゃないの?なんなの?

てかきちんと見ようとしない秀次ぅぅぅ……('A`)

秀次を縁側に呼んだ秀吉は、ある一つの願いを伝えます。
「拾が言葉をわかるようになったら」、子に親からのプレゼントを渡したい。
そんな秀吉の暖かい言葉。

……のはずなのに、笑顔の秀吉とすれ違った秀次のかたまった表情が胃を刺してくる。
「叔父と縁側」とかああもう!!
そうやって『平清盛』っぽいことするからもう!!
■意思疎通
なぜ九州を先にくれと言ってきたのか。
反逆をしないための先手ではないのか。
違うか源次郎?と聞きながら、秀次は源次郎に耳を傾けようとしない。

「叔父上がそう思われたことが一大事なのだ!」
秀次の中にいるのは、あくまでも自分の中の秀吉。
そんな秀次の心持を知るはずがない秀吉。

秀次の娘を拾に嫁がせる。
そうすれば秀次も少しは安心するはず。
それはあくまでも秀次のことを思っての提案。

でもそれは秀次の不安を増幅させただけだったという悲しさ。
■松岡修造と小早川君。

※うっきーは豊臣さんちの松岡修造だと理解しております。

小早川秀秋爆誕ドドン。
■頑張ったのに怒られた
うっきー修造の熱烈なコーチを受ける秀次たちですが。
秀保が急病で倒れてしまい、急遽代打で選ばれたのが……

源次郎ドンマイドンマイ。
主人公だから仕方ない。

そんな無茶振りにも頑張って頑張って超がんばったんだけど……

斜め上から超怒られた。
この「下手くそ!」は『瓜売』で、秀吉の瓜売りを睨むように観ていた信繁へのブーメランなんですね。
■海の底の都が騒がしい
秀次たちの能、『源氏供養』。
光源氏を供養しなかったため成仏出来なかった紫式部の話です。

うーん。
溢 れ か え る 盛 味 。
■驚き、悲しみ、怒り

秀吉は能を見てるのか。
その向こうの『何か』を見ているのか。
驚き、悲しみ、怒りに満ちていく秀吉の表情にぞっとした。

「関白はほかにやるべきことがいくらでもあるだろう!」
自分に媚びさせるために関白にしたわけじゃない。
やるべきことを見極めろ。
揃いも揃ってわからないのか、と。
これもまた『瓜売』の「士気はとっくに落ちている」と繋がってるんですねここ。
■ありのままの姿を

能面を被らなくてもいい。
自信を持っていい。
取り繕わなくていい。
ありのままの姿でいい。

落ち込む秀次を励ます寧様。
「叔母上、放り出さんでちょ!」と故郷の言葉が口に出たあと。

ほんの少しスッキリしたような秀次。
少しライフ回復したかな。
そんな寧様に対して。

「みっちゃん帰ってきたからもっかいやってみたらー?」
茶々様マジ茶々様('A`)
わかって言ってるよね、えげつない。
■心からほっとした。このときは。

源次郎に官位を授けると言い出した秀吉。
兄がいることもあり、まず辞退しようとするのですが。

源次郎の言葉を「兄にも官位を授けろと言っているのか」と、なんかどんどん違う方向に行く秀吉。
そこに、先ほどライフ回復した秀次が「源次郎に官位を与えるかどうかは私が決めることです」とカットイン。


秀吉に意見をする秀次、それに耳を傾ける秀吉。
緊張の間。


「よくぞ申した!それでこそ関白じゃ!」
秀吉から溢れる笑顔に心からほっとした。このときは。
■きりちゃんのチラッチラッ。


「私のこと好きなんでしょ?」
「……え?」
「まだ返事はしてないから止めるなら今なんだけどどうするの」
「ごめん何の話(この女、どうした)」
きりちゃん幸せになってくれ(色んな意味で
あと源次郎を一発殴っといた方がいい。

……チラッチラしてるの可愛かった。
■スナフキン叔父上

叔父上!叔父上!!叔父上!!
「これからは諸国をまわり見聞を広めようと思う」と叔父上。
さすが叔父上!
ツイッターでの調略活動ですね!
あと7月の色んなイベントへのご参加ですね!!(落ち着いて
レクター叔父上、ノブコップ、MIP信尹……
いろんなニックネームが出来ましたが、ここでスナフキン叔父上になるんですね!!


「世の中もう一度乱れるぞ。それもそう遠くないうちにな」
「わしがまた入り用となったら声をかけてくだされ」

信尹が信繁の人生に関わってくるのは22年後、大坂の陣。
そのことを知るはずもない信繁の羨望の視線。
■おこうちゃんの揺るがなさ

信幸と京へ上ることになって、これ以上故郷を離れたくないと嫌がる稲様。
落ち込み目を真っ赤にする稲様を励ましたのはこうちゃんでした。

「乗り越えねば。何としても乗り越えねば。奥方様の帰る先はここよりほかどこにもありません!」
よかった。
こうちゃんが稲様の味方でよかった。
そばにいてくれてよかった。
■負けるな秀次、自分に負けるな
そして真田兄弟が叙任。


滾ってるよー、盛味滾ってるよー。
秀次は、信繁に未来の話を持ち掛けます。

「私はやるぞ!」
聚楽第を新しくする。
海の向こうからの使者たちを驚かせる豪華絢爛な作りにする。
叔父上(秀吉)に負けないくらいの関白になる。
久々にポジティブな表情を見せる秀次を心から応援したくなった。
負けるな秀次、自分に負けるな。
■叙任の真相
しかし……

官位が与えられた経緯の真相を知ることになってしまった信幸。
その表情が、信繁に対する疑念、怒り、悲しさに満ちていく。

昌幸は多分背中で信幸を見ている。
この回は登場人物の表情に現れる感情を捉えるカメラワークが秀逸だなあって。
このことを問い詰める信幸。

「父上はご存知だったのですか?」
「知っとったよ」
「また私だけ蚊帳の外でしたか」
先週は肥前名護屋城で「親子3人久しぶりだね」って。
「次3人が顔を合わすのはいつなんだろう」って思ってたけど、意外に早かった。
しかもまさかこんな形になるとはなあ。
なんだかなあ。
■マジで胃壁やられた

誤解を解こうとする信繁ですが、それもまた空回り。
パッパも説得に加わるのですが。

「もらえるものは病気以外もらっておけばいいんだ」
うんパッパ、そうな。
でも今多分信幸にとってはそういうことじゃねえと思うな。
信繁への怒りや悲しみが全部不信感になって、兄としてのプライドもボロボロで。

「わしはそういうお前の、何というか、抜け目のなさに無性に腹が立つのだ!」
声を荒げる信幸の姿に、長女の私胃壁やられたマジで。
信幸、わかる、わかるよ。
信繁は悪くない、悪くないんだけど、それはわかってるけど……
でもなんかムカつくときがあるんだよね。
なんでおまえの世話にならなあかんのだって。
それがあの「なんというか…」のあとのタメだったんだよね……
ウワァァァヽ(`Д´)ノァァァン!
ううう仲良し兄弟を引き裂くなんて秀吉ひどい……。
わざとでしょ、わざと暴露したんでしょ。
うっかりじゃないでしょ。
■兄だから、嫡男だから。
なんだかどさくさまぎれに伏見城の改修を普請された昌幸。
「戦の話?ktkr」になるはずなのに、でも相手は明国だとかトンデモ話を聞いちゃって。

「あーーめんどくせーー」

で、結局信幸に投げてみたり。
……これやっちゃまずいパターンのやつなんじゃないか。
要領よく抜け目のない弟、それを贔屓してきた父。
兄が兄らしからぬ感情を爆発させた後、「じゃあこれやってみなよ」って。
第一子としてのプライド、ズタボロじゃねえの……。

でも昌幸パッパが救いなのは、そのあと信繁に投げてみたこと。
この人単に気が乗らないだけなんだなって。
信幸が昌幸を近くで見てきたように、昌幸も信幸をきちんと観ている、と信じたい。
(がしかしこのタヌキ親父、信幸お兄ちゃんに対しては前科がありすぎて…)

「いやあ、怒っとったなあ」
全体的に誰のせいだ、誰の。
朝のコンビニ、レジのお姉さまたちが「秀吉も昌幸もあれはないわよねえ!」「秀吉はともかく昌幸は信幸のこともうちょっと考えてあげなきゃ」「ほんとほんと、よくグレないよね」「違うよ、グレられないの。嫡男だから」「あーそうか」ってやりとりが繰り広げられてて私涙目(色んな意味で #真田丸
— ゆずず (@yuzu0905) 2016年7月10日
■甥だから、関白だから。
で、そのパッパが投げてった改修の図面を秀次が見ちゃって。

「なぜじゃ…私はもういらぬということか!」
「なにゆえ叔父上は私を信じてくださらぬ」
違う、秀次……秀次が秀吉をまず信じようよって。
でも秀吉のやり方も違う気がします。
「なんでできないの!」と叱って、落ち込んでいる子に対して、
「じゃあやってあげるから!」っていう世話を焼いてしまう。
それは多分育児(広義で)でやってはいけないことのひとつ。
辛いな、秀吉秀次の『親子』。
それを見ている源次郎もつらいな。
源次郎が何聞かれたって知るわけないもの。
聚楽第に謁見の間を設置する理由を秀吉から聞いたのは昌幸だけ。
昌幸はそのことは告げずに丸投げ。
でも図面には「謁見の間」の文字。
そこから連想されるのは、やはり「なぜ自分を信じてくれない」でしょう。
てか昌幸パッパおい、きちんと伝えていけよぉ……
■また雨が降る
そして秀保の死。

豊臣の者は葬儀に参列してはならない。
なかったことにしてしまいたい。

そう言う秀吉を見る治部殿は落首事件を思い出してるのか。

俯いた秀吉は、自分の言葉を反芻しているのか。
■爆発

秀保の罪は2つ。
1つ目は、拾3歳の年に死んだこと。
もう1つは、その後の人生に尽力するできなかったこと。
寧様のいう通り、秀保を責めても何の解決にもならない。
でももう秀吉にも、秀吉自身への不信感が芽生えてるのかなあと。
降りしきる雨が桜を散らしてるんだろうな。

「叔父上にとって我らはいらぬ者なのだ。あの方は我らが邪魔なのだ!」
秀次が秀吉を信じられなくなり、秀吉もまた秀吉を信じられなくなり。
爆発する『不信』。
■小早川秀秋が観てきたもの
秀次が行方不明となり騒然。
さっきからちょいちょい映る秀秋。
涙を流さずじっと見ている。
そして冷静に。

「殿下は多分もうここにはおられない」
小早川秀秋。
彼はもう、豊臣じゃない。
異国で病死した『兄』。
叔父に蔑ろにされていることを嘆く『兄』。
死を弔われず、供養されず、なかったことにされた『兄』。
能に『源氏供養』が選ばれた理由は、秀保の話につながるんですね。


小早川秀秋は、それを見ている。
冷たい目で見ている。
こんなの観てたら、関ヶ原で寝返るわ……
いいよ小早川秀秋寝返っても……
■蝉の鳴き声響く大坂城で

行方をくらました秀次。
大坂城できりと再会。

それだけが今回最後の救いだった。
思えば15話『秀吉』で登場したときも、こうやってきりちゃんの名前を呼んでいたっけ。
でもセミの鳴き声あかん。それあかん。
■『不信』
今回2つの関係性に焦点が当たりました。
「秀吉ー秀次」
秀吉も秀次も、本当は信じたい。
でも信じられない。
もともと脆かった豊臣の柱が音を立てて崩れていく。
その「秀吉ー秀次」と似ているようで少し違う「信繁ー信幸」。
先週にばば様が言ってたじゃないの。
「たとえ離れ離れになっても真田は一つ。心さえ繋がっておればな」
信幸の言葉からは、優しさも感じられました。
言いたいことがある、でも罵詈雑言は言えない。
まだ、ギリギリ兄弟喧嘩だと信じたい。
揺れていく秀吉、秀次。
さらに信繁、信幸。
だからこそ信尹と昌幸が『信頼』しあっていること。
おこうさんの思いが決してゆるぎないことが、頼もしかったです。
きりちゃんもそう。
信尹叔父上もこうちゃんもきりちゃんも。
何気なくシーンに挟まれていたけど。
重い意味を持っているんですね。
■次週28話『受難』
ああああ胃が痛い。
ガチに胃壁をやられそうになった、27話『不信』。
やっと終わりまして。

と思ったら、来週『受難』だもん。
あああああ、今から胃が痛い。
でも続き気になる。

あっ呂宋助左衛門!

あっ星野源!!
■歩いていけ

ロープウェイ下車徒歩40分って。
■歴史秘話ヒストリア『徹底解明!これが"真田丸"だ~地中に残された幻の城~』
7月9日(土)の深夜、『真田丸』放送前に組まれたヒストリアの再放送。

史実バレ満載だけど見応えあって面白かったです。
『真田丸』が折り返したタイミングで、また見れてよかった
(てか半分くらい忘れてた)

寺の本堂をどう使うのか、とか。
信繁は家康を煽るのか、とか。
ピタゴラスイッチ真田丸や、徳川軍の塹壕戦はどう描かれるのか、とか。
真田軍の大狭間筒は登場するのか、とか。
対して徳川軍の英国製の大砲は登場するのか、とか。
『真田丸』の信繁はどう家康を追い詰めて、どう切腹を覚悟させるのか、とか。
第50回の『真田丸紀行』は信繁が最期を迎えたと言われている松の木なのか、とか。
ヒストリアで涙ぐんだの初めてだわ。
『真田丸』ももう折り返しを過ぎて、関ヶ原の合戦までも片手で数えられるかくらい。
終わりを迎えるのは寂しいけど。
でもやっぱりはよ『真田丸』の真田丸を見たい。
それにしても城郭考古学って面白そうだけど調査とかめちゃくちゃ大変そう。
古地図との比較写真が、大阪の焼け跡写真ってのはそっちのほうが地形が分かりやすいからなのか。
■『NHKアーカイブス』で『太閤記』を観た。
7月10日(日)の『NHKアーカイブス』は、「あの人が選ぶあの番組/俳優・小日向文世さん~大河が描く秀吉~」でした。
小日向さんが選んだは1965年の大河ドラマ『太閤記』。
当時、放送局用ビデオテープが大変高価かつ大型だった時代。
現存するフィルムは第42話の「本能寺」(1965年10月17日放送)のみ。


秘蔵メイキング映像が公開されたのですが、撮影手法が凄い。
ヘリ空撮、てかカメラでけえ。フィルムでけえ。
本能寺回しか残ってないのは残念だけど、この本能寺回が残されたことは奇跡なのかもしれない。
火が放たれる本能寺。
丁寧に描かれる心情や情景。
効果音やBGMは最低限。
思わず息をのんでしまい、否応なしに高まります。

ほんでまた織田信長役の高橋幸治さん(当時30歳)の色気がはんぱない!
こりゃあ助命嘆願出るのわかるわ。
なんとなく勝頼様の平岳大さんに(が?)通じる部分ある。

で小日向さんが秀吉の役作りの原点として挙げられているのが緒形拳さん(当時28歳)。
羽柴秀吉役を演じられています。
石田佐吉(三成)役の石坂浩二さん(当時24歳)と併せると、可愛らしいったらもう。
(撮影時の緒方拳さんのこの可愛さよ……)

緒方白秀吉、緒方黒秀吉、勝新秀吉、柄本秀吉、笹野秀吉……
『太閤記』から『真田丸』まで大河ドラマの歴代秀吉役15名ずらりと並んだのには圧巻。

晩年の秀吉を演じる緒方さんのやつれっぷりに小日向さんは驚かれていましたが。
うーむ、これは小日向秀吉がどこまで減量してくるか楽しみかもしれないぞ。
もうひとつ。
『太閤記』は亡き林邦史朗氏の最初の殺陣指導。
中川邦史朗氏の最初の殺陣指導が『真田丸』。
(詳しくは2話『決断』を参照)
これは何とも……縁というようなものを感じます。
しっかし若駒プロ関係者が殺陣指導した歴代大河作品のリストの圧倒感ぱねえ('A`)
おまけ.戦国の男特集
(……ますか…聞こえますか……anan編集部……今年中に……『戦国の男』特集を…作るのです……真田丸キャストや……のぼうの城や……官兵衛でも……過去の戦国大河をフルに使い……中の人グラビアも…インタビューも……NHK他製作会社と……タッグを組むのです……売れます……多分……)
— ゆずず (@yuzu0905) 2016年7月7日
あのキャラと立ち位置、存在感。ああいうのをやってみたいです。