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『あさが来た』2週、走っていく花びら、流れていく花びら。

2015-10-11 13:34:54 | 朝ドラの感想

『あさが来た』2週、「ふたつの花びら」の感想まとめ。

波瑠と宮崎あおいの登場。もうロリコンとは呼ばせない。



そして怒涛の展開。

あまロスも、前作のトラウマも、大河の「?!」も全部癒してくれるからびっくりぽんや。







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『あさが来た』第1週の感想まとめ、「あさ!そっから何が見えるん?」

あさが来た!!あさが来たよ!(初回のネタ雑感)

『まれ』、『あまちゃん』他、朝ドラ関係の記事はこちら。
朝ドラ感想記事のまとめ。




■バトンリレー




番宣でしょっちゅう出てたこのカット。
まさか新撰組ごっこで「近藤勇じゃ!」と言っているとは予想外も予想外。



子はつの森殿愛生ちゃんの名演をがっつり引き継ぐあおいちゃん



季節の変わり目ごとに許婚を訪ねる系高等遊民。
もうロリコンじゃないな、うむ。



■惣兵衛とはつ、新次郎とあさ、惣兵衛とあさ、新次郎とはつ


成長と共に新次郎への恋慕を順調に育てていくあさ。
ある日、はつの許嫁・山王寺屋の白蛇はんこと、惣兵衛がやってました。
不安な姉のためにも一度でいいから笑ってくれと頼むあさ。
そんなあさに対して惣兵衛の暴言(しかし名言)…は次のところで。

 

「あのお方、よう目ぇを細うして笑わはるやろ。なんでやろ…あのお顔は不思議や」
「このときあさが腹を立てていたのは(略)ずっと細い目をして黙ったきりの惣兵衛でした」


細い目でも黙ってるのと笑ってるのじゃ違うんだな。
新次郎の中の人の魅力がっつりわかってるあさ。
それにしても波瑠の表情いいね。


あさの「何でどす?」に「何で何で言うたらあかん」と止めたはつ。
それを知ることは責任を背負うということなんだよね。はつはそこを見抜いていたのかな。

「うちの許婚が新次郎さんやったらよかったのに……とか言うてな」

はつちゃん聞いてたのか、それとも無意識か。どちらにしろ、あさにとってもはつにとっても辛いなあ。



■まさはる「呼んだ?」(マッサン)


で、白蛇はんがあさに何を言ったのかっていうとこちらです。


「中身はあかんたれのままだな。おはつも辛気臭いおなごやな」

まさはる「ん?呼んだ?」


  

左から、ミスター辛気臭い&あかんたれ、ミスあかんたれ、ミス辛気臭い、です(他意はない)


「あさはほんまに今日を楽しみにしてたんやね。楽しみでなかなか寝つかれへんのか、逆立ちなんかしてたんやで」


まさはる「えっなになに?呼んだ?」
エリー「あほ。まだ、あほんだらが出とらん」





■ミセスキャベジ「呼びました?」(ごちそうさん)




た だ よ う 和 枝 ち ゃ ん 臭 。


「あんな見るからにいけずなお姑さんのとこへ、はつを一人で行かせるなんて」


ミセスキャベジ「呼びました?」

参考:
『天皇の料理番』に『ごちそうさん』を思い出す。
『ごちそうさん』、やはり姉が欲しかったと思う。
『ごちそうさん』、襖を開けたらお姐さん、糠テロ、揺れる乙女心




■字体比較論


新次郎の手紙。


「光源氏みたいな字い書かはる」

先週までは絵面もなかなか光源氏寄りだったよね。


あさの手紙。がんばった大賞をあげたい。

字は汚くても、言葉遣いはしっかりしてるのがさすが良家のお嬢様。
勢いを感じる字ですな。


五代さんの手紙(もうちょっと下の方で)

ほっそい筆(万年筆か)の字。

字や筆記具で人柄を表現してるのかしら。こういう隠喩好き。



■加野屋の兄弟



「大体兄貴みたいなええやつが早死にすんのやったら、わてなんかとうに極楽に行ってなあかんのや」

加野屋の長男坊・白岡正太郎が労咳で危篤です。

兄やん……篤蔵……(だから違う


「まあな、こないなときはわてかて誰かて何しようが雨降りの太鼓やさかい。どんもならん言うてな」

うまいこと言う高等遊民。
芸術を嗜む新次郎だからこそのセリフだなあ。


「わては兄貴みたいな立派な上がいるさかい。思う存分アホボンでいてられるんやで」

対比構造としての加野屋の兄弟と今井姉妹を絡ませてるのか。
新次郎さんの闇がチラホラ見え隠れして、あさはどう動くか。

土スタ情報ですが、『あほぼん』を演じるにあたって、新次郎役の玉木宏さんが役作りで参考にしたのは「バカボンのパパ」だそうです。



■お雛様に見た夢



「おひなさんを大事にしたら幸せなお嫁さんになれるて、昔からお母さん言うてたなあ」

……雛人形を飾る文化がなんとなく新鮮に感じたのは、中学生くらいから片付けるのがめんどくさいってんで飾らなくなって、で結局嫁に行き遅れている自分だけですか。

それにしても、嫁入りのタイミングでお雛様持ってくるのうまいな。


「おひなさんで剣術やら相撲やらかしてたやないか」

人形遊びもいろいろあるけど、なかなかレベルの高いことやってるあさ。
そういえば、お雛様の五人囃子と右大臣&左大臣でBLして遊んでたあの子は幸せになったんだろうか。
(参考:『咲くは江戸にもその素質』の腐女子あるあるポイント


「おひなさんかて色んな経験してたくましゅうなって、そやさかい幸せになるんや」

ナイスフォロー、はつ。
でもさ、はつもきっと色んな経験してたくましくなってるんよ。
自信持っていいんよ。

私の中で、はつ=ユイちゃんだなあ。

 
あああああ。




■異国からの恋文が届いた


お雛様を飾ってるあさ、はつたちのところに、久太郎が帰ってきました。
久太郎が持ってきたのは、あの五代才助(のちの五代友厚)からのお手紙。


「でぃあ あさ 。おいのことを、覚えておいもんそかい」
「我が国は地球の中では、米櫃の中に紛れたネズミの糞にも及ばないことがよく分かいもす」


偶然にもタイムリーな五代さん。


しかし「おいもんそかい」の文法構造。
鹿児島方言、薩隅方言独特の敬語表現と助動詞と音便がすべて重なって、マジカオス。

Twitterで九州の方からの助言を受けながら、調べてた結果。
「おい/もんそ/かい」の形になりそうです。

内訳は
・おい←いる(「覚えている」で補助動詞)
・もんそ←助動詞「申す」(丁寧)の方言「もす」の意向形
・かい←終助詞「か」(疑問)

この薩隅方言がなかなかカオスで、西郷どんでおなじみの「ごわす」は「御座す」っていう助動詞で、丁寧な指定の意味を持ちます。
助動詞なのでもちろん活用あり。

・未然形:ごわは→「ごわはさん」
・連用形:ごわし→「ごわしもす」(「もす」は「ます」)
・終止形:ごわす
・連体形:ごわす
・仮定形:ごわんせ→「ごわんせば」
・意向形:ごわんそ→「ごわんそう」


連用形や終止形、連体形はわかるとして仮定形「ごわんせ」と意向形「ごわんそ」って。

他にも特徴的な助動詞は「ど」(推量)、「め」(打消し推量)、「つろ」(過去推量)。
だから例えば「おつかれさまでしたでしょう」なんて台詞があれば、それは「おやっとさあごわしつろ」になるわけです。

助動詞だけでなく、語彙のほうもカオス。
おそらく今まで幕末の薩隅方言が登場していた大河ドラマでは描かれることがなかった罵詈雑言の類。

関東でなじみ深い「ばか」という表現ですが、これが薩隅方言だと「ばか/ばかたん(たい)/ばかすったん/ばかくっさえ」となります。

もしかしたら朝ドラなら言うかもしれない「うるさい、黙れ」は「せからしか」
これはまだわかるのですが。
「このどすけべが!」は「このまんじゅしごろが!」

これは字幕が必要だ……
五代さんが罵詈雑言を使うことがないことを祈ります。

だいぶ話がそれましたが、そんな五代さん。
チャリに乗ってる絵を上手に描く、なかなかの絵心の持ち主のようです。







■あささんからお手紙届いた。


とにもかくにも、はつを慮って大坂の新次郎に「惣兵衛について知ってることがあったら教えてくれ」と頼んだあさ。(それがあの手紙)
無事に加野屋まで届くんですが……

正太郎さんが病気で、加野屋の奥さん泣いてばかり

そばにあった旦さんの文で涙を拭う

顔面大参事


奥さんおこ、手紙ビリビリ

一応誰からか見ておいて、無茶振り


楽しい楽しいジグソーパズル




■「どこへも行かない」



「どこ行くん?あさ」
「今更どこへも行けへん」


ちなみにこの「どこへも行けへん」ですが。

どこへも行けへん←どこへも行かん←どこへも行かない(この現実を受け入れる)

どこへも行かれへん←どこへも行けん←どこへも行くことができない(この現実から逃げたい)


ちょっと違うだけで正反対の含意があるんですね。あさは「行けへん、行かない」のほう。

ちなみにあさの京都弁が京都市内のとして、方言文法研究会によると。
・「行かない」は「行きひん」「行きやへん」「行かん」。
「行けない」は「行けへん」「行かれへん」になるようで。


……よくわからなくなってきたので、ステラで方言監修さんの解説を待とう。

まあ細かな格助詞助動詞じゃなくて、文脈や場面だと「行かない」だなってのは察しが付く。




■はつの覚悟と、あさの相撲



「ほんまにあんたは優しい子ぉや。自分のことかて大変なときに、うちの心配なんかして。ほんまおおきに」

はつ、嬉しそう。でも悲しそう。
絶妙な感情の機微が刺さるなあ。


「うちにはこの道しかない」

はつが許嫁チェンジを知っていたのか知らなかったのか、それはまだわからないけれど。
少なくともはつが山王寺屋に嫁ぐことが決定してから、はつはもう覚悟を決めていたんだな。。
そんなはつにあさは「何でどす」って聞けない。
きちんと人の気持ちがわかる賢いお嬢さんや。

 
「何でどす?何で、お家の都合でお嫁に行かなあかんのどす?何で、お姉ちゃんがいけず言われなあかんのどす?何で、お返事くれへんのどす?」

はつ本人には「何でどす」って聞けなかったあさ。
自分が木から落ちなければ許婚交換はなかったかもしれない、とあさは知っている。
はつが山王寺屋に嫁ぐこともなかったかもしれない、と知っている。
でもそうしたら新次郎へのこの恋慕はどうなるのか、とも分かっている。

そんな「たら・れば」だらけの自分自身がつらくて、女中のうめと涙ながらの相撲をしながらの「何でどす」



■新次郎さんの闇と惣兵衛さん



諜報活動しているスーパー高等遊民。

そしたらびっくらぽんな情報をゲットしてしまいました。

 

「わしなぁ、新次郎はんと違ておなごは嫌いや」
「わしな、いつかあのお母ちゃんこっそり殺したろ思てますのや」


白蛇はん、おなごは嫌いだそうです。
おなごは嫌いだそうです。
おなごは、嫌い、だそうです。


(面白そうなことなので3回言いました。)

しかしそんな新次郎さんも、お兄さんの病状が悪化し…




■「帰ってくんなよ」「さっさと行け」



「ええか、2人とも、しっかりお家を守れ。帰ってくんなよ」
「さっさと行け」


男尊女卑の時代だからもやっとするかもしれません。
でも、お父ちゃんの愛情や、お母ちゃんとの喧嘩の様子がしっかり描かれていたから、この台詞お父ちゃんなりの愛情に感じます。
ヒロインが両親からの愛情をしっかり受け止めている、それってドラマの中の非常に大きい安心材料。


「ええか?あさ様の大股は一生直らへん。せやけどな、ほんでも見かけたらそのたんびに注意するんやで」

笑えるセリフなのにこの場面の間に挟まれると涙出てくる。
大股でひたすら前に進んでいくあさには声をかけてあげて、かな。


「お前がなぁ、嫁に行ったらわし…早死にしてしまうで。なぁ、なぁ…あさ」

林さんの涙の演技にひきこまれた。
波瑠の涙、林さんが本当のおじいちゃんに見えてたんじゃないかな。


私の祖父と、「おまえが嫁入りする姿を見たくない…(涙」「えええ」というやりとりを何回かしたことがありますが。
おそらく父親がそう言うのと、祖父がそう言うのは意味合いが違うと思うんですよね。
祖父母世代と多少の距離がある今でこそこうなのだから、あさの時代にしてみれば『純粋な愛情の部分』がより顕著に描かれてるシーンなんだと思います。



この二人、本当にじいちゃんと孫みたいな自然な感じで好きだなあ。



■ふたつの花びら


「そやからお母はん、どうぞお願いします。うちのこの家の最後の思い出に、ちょっとだけ姉らしいことさせてください」

あさにはまだ近くで見守る大人が必要だと、本来自分につくはずだったうめ(友近)をつけるよう頼むはつ。
はつは充分お姉ちゃんだよ。だからもう、白蛇さんちではもうお姉ちゃんじゃなくていいんだよ(涙目



婚礼衣装、ひとつでも圧巻なのにふたつ並ぶとすごいな。
まるで向き合ってるあさとはつみたい。


 
「お稽古してうまなったらまた一緒に弾ける?大坂同士なんだしできひんかな?」

今なら出来るかもしれない、今なら。
でも、あさとはつの時代には難しい。
そういう距離感をしっかり描くドラマが、今は何故かもどかしい。

「おなごは嫌いや」と女嫌いを言った白蛇にしろ、本の影響ですぐに駆け落ちを言い出したあさにしろ、『我慢』してる人が多かった時代なのか。

 


「ほな、お手てだけ 握りましょ」
「へぇ、そうしましょ」


駆け落ちすることはないけれど、せめてもと手を握り合う二人。
それでもはつのそばにはあさがいるし、あさのそばにははつがいる。
互いが互いを思い合う姉妹の愛情こそ、ふたつの花びらなのかもしれません。


「あんたは大丈夫。きっと大丈夫や!」

大好きな妹を励ましているような、あるいはこれから闘いを迎えるはつ自身を励ましているような。
本当ははつだって不安だけど、それをあさには感じさせない。
やっぱりはつはお姉ちゃんだね。



■白蛇と白無垢


 

流されていくはつと、走るあさと。
しっかり前を見据えるはつと、涙を流すあさと。


美しいなあ。



白無垢のはつと、白蛇の惣兵衛が、一枚の鏡にうつるとな。

サイレントの台詞無しシーンだから脳内補完するしかないんだけれど。
せめて希望的な何かの隠喩ならいい。



■あさの祝言は…


はつの嫁入りから半年後。あさの嫁入りの日。

 



父ちゃん「ちゃんとおなごに見えるで」
母ちゃん「筋金入りのあかん子」
姑ちゃん「馬子にも衣装」



……の間に「帰ってくんなよ、さっさと行け!」があるから、お父ちゃんの愛が浸み出してそれぞれの大喜利に愛を感じるのな。


祝言すっぽかして紅葉狩りと三味線を楽しむ高等遊民

新次郎さんに笑顔が戻ってよかった。(前言撤回)


(そのとき、TLがざわついた)



■待たせたな



「待たせたな」

『新撰組!』の山本耕史が土方歳三役で出演するというのは先週のエントリーで書いた話ですが。

個人的にはこっち。


義朝逃げてええええええ!!!!!

悪左府「マタセタナ」
鸚鵡「ナイミツニナ」




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■投げ入れろ




「新次郎を土佐堀川に投げ入れるあさが来るのか?タグを用意しておこうか?」と思ったら。
予告を見る限り、あさ自身がそのまま投げ入れそう。

最強ヒロインランキングの壁をグイグイ登り始めたあさ。




あさとはつ、あさと新次郎、あさと五代、はつと白蛇さん、それぞれの関係性がどう変化しどう対比構造になるのか今から楽しみ。
そんな彼らが、それぞれの家族に起こる様々なこと、これから明治期を迎える社会の変化をどうやって乗り越えていくのかもまた楽しみ。

算盤、能面、お雛様、筆の文字……台詞や演技だけでなく『小道具』で心情を描くところが上手い。
なにわ走りや方言、当時の社会情勢の描写が丁寧なのもいい。
台詞が流れるような脚本も聞きやすい。
そんな製作サイドの努力に応えるような、役者さんたちの名演。
久々にはまる予感です。
(第2週になったらので言い切る)




おまけ。

先日、寝坊してBS1の「早あさ」を見逃した。



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