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『おんな城主直虎』14話 徳政令のご利用は計画的に。

2017-04-12 12:52:46 | 大河
2016年NHK大河『おんな城主直虎』第14回「徳政令の行方」の感想まとめのまとめです。


傑山さん、よく喋った!



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■真っ黒やんけ!!


心機一転リニューアルした井伊営業部。
のっけから部下のポメラニアンが態度悪かったり。
先代社長の夫人たちがヒステリックだったり。
今川本社からの出向社員は闇堕ちしていたり。

領民は年貢を払えないっていうし、借金も返せない。
じゃあ借金帳消しにしてって無茶振りもしてくる。

ていうかよくよく見てみたら、先代からの借金が莫大なことになってて自転車操業どころかポンコツのパンク寸前自転車。

ああ悩ましい新人部長・直虎。
悩みに悩み抜いた解決策、瀬戸コーポレーションの代表・方久を経理に参画させることでこれでどうにかなるかなと思ってたら。

そんな簡単に解決したら大河ドラマじゃない。
「井伊営業部長に話が通じないから今川の本社行ってきた!!」


っていうのが13話『二重ローンはつらいよ!』でした。




「要するにこれは民の訴えを隠れ蓑とした小野様の乗っ取りなのでは?」
と方久が疑っていましたがそのとおり。
徳政を出させたのは政次の計画でした。


「味方に刃を向けられるものはまこと恐ろしいものらしゅうございまする」

真っ黒!!
政次真っ黒やんけ!!!!

井伊の姫を守るため、真っ黒やんけ!!!


しかしなんだろうな。
「おとわを守るため悪に徹する鶴」とすれば純愛の中の純愛なのだけれど。
「おとわが窮地に追い込まれて絶望するの見るのマジ快感」だったら変態だし。

や、もちろん純愛のほうだと思いますよ。
それでもかすかな変態性を、微粒子レベルで思わせるのがさすが高橋一生。




■ポメラニアン中野


いくらポンコツ自転車操業とはいえ、旧経営陣の所領を取り上げるとはありえない。
ボッコボコにしてやるかんな!!とキャンキャン吠える中野ポメラニアン直之



直之は、直虎に御領主の座を降りてもらい代わりに政次に就いてもらうと言い出します。
しかもタイミングよく政次が持ってきたのは今川本社からの業務メール。
井伊より民に徳政令を出す旨の業務命令でした。

しかし今回は『珍しく』知恵が回っている井伊。
政次より一枚上手を行きました。


「お寺さんに寄付しちゃったから徳政令発布とかムリ!」


「( ゚д゚)」


「( ゚д゚)( ゚д゚)」





瀬戸と祝田は寺領となり、守護不入の基に保護されることになる。
だから今川がなんやかんや言ってもどうしようもできない。
無理にどうにかしようものなら、それは三河の一向一揆を繰り返すことになる。

問題は政次でした。
今川の業務命令を無視することになる。
そんなことをしようものなら、直虎が矢面に立たされることになる。


恨まれても憎まれても、守りたいものを守ろうとしているのに。
その井伊の姫はするするっと逃げ出して自ら滝つぼに飛び込んじゃう。

政次切ない(´・ω・`)


「今の井伊には金もなければ人もおらぬ。このままでは先細るばかりじゃ。なんとかするためには裸一貫から成り上がった方久のような者の才覚が!新しいやり方がいるのじゃ!」

全ては「これからの井伊のため」。
人もない、お金もない、チームワークもイマイチ。
でもここから作り上げればいい

って直虎がいいこと言ってるのに



「男女の仲でもおありになるのか?」

なあおい、そこのゲスポメラニアン直之。
ちょっとこっち来てもらおうか。




そんなゲスイ直之は別として、直虎の言葉に考える表情を見せている六左衛門ゴールデンレトリーバーの表情が印象的でした。






■借金踏み倒し隊



蜂前神社の禰宜・ダンカン。


なんか雰囲気あってそれっぽけど、借金踏み倒す相談会です。


「そなたらは方久に売られたのじゃ」っていうのが何とも闇深いなあと思いました。
かつて瀬戸村で解死人扱いされていた方久。
その方久があばら家の男から大商人になり、今や瀬戸村どころか井伊の命運をも握っている男。
復讐とは違うのですが、結果的に復讐になっているというか。



借金を踏み倒すため、サラ金業者を拉致。

強硬手段も武力攻撃も辞さない、集団の強さを持った中世の農民たち。
寺社勢力もそうですが、教科書やなんかでメインで扱われる話ではない部分に焦点があてられるのとても面白いですね




■真っ黒やんけ!(2)


連れ去られてしまったヒロイン・ムロツヨシ



「ずいぶんと知恵の回る百姓たち」と驚く直虎。
しかし井伊家がそれを言うと自虐的に聞こえる問題。

直虎の脳裏には政次が過っていました。
政次が裏で操っている。


真っ黒やんけ!!!



■竜宮小僧


村人たちを説得し方久を取り戻すべく瀬戸村に向かった直虎。
しかし村人たちは逃散したあと。
田畑をも放棄して消えていました。



徳政令を出さなければ、方久の命はない。
彼らなら実力行使も辞さないだろう。


さすがに落ち込む直虎を……


竜宮小僧(新井美羽ちゃん)が見ていた!




■ゴールデンレトリーバー六左衛門


そのころ。



六左衛門が直虎を捜していました。
傑山さんが「瀬戸村に行った」と聞き、心配になる六ちゃん。


「一緒に行くか。俺も今から向かうのだが」

傑山さんはそう言ってくれるんですが、六ちゃんは先輩ワンコに報告しに行くことに。
しかし先輩ワンコの中野ポメラニアン直之は……


「行かぬ!!」

うーんこの。





■期待される動物プロダクション


直虎は百姓たちの要求をのむことにしました。
というよりそれしかできなかった。

但馬の表情がよぎり筆をとる直虎。
と、そこに……


「おまえ、どこから」

突然縁側に亀が現れるのあるある。



「これ、どけ。どけ、亀」


「もしかしてこの亀は…」





この亀は…








いやいやいやいや、三浦春馬が亀って。
いやいやいや……

えっ。


「これは違うか、亀…」
「我も違うと思う」


生まれ変わりというよりも、竜宮小僧が送った亀でしょうな。
「亀(直親)を思い出せ」と。


直親もびっくりだろ。

動物関係のプロダクションが本気なので、猫、亀に続きそのうちガチで鶴あたり出して来るんじゃないかなって期待しちゃう。



■故郷の村焼き払われちゃう事件


亀により覚醒した直虎。
見つけたのは、苗代で成長しきってぎりぎり田植えできる稲の苗でした。

 
「これから瀬戸村を取り返します」

今は田植えをしなければいけない。
これ以上育つと根はつきにくくなり、収穫も減ってしまう。
それは百姓が何より悔しがること。


ならば、百姓たちは必ず帰ってくるはずだ。



方久は「銭は力」と言っていましたが、直親は「米の力」を利用するわけです。
米は銭であり宝であり、力にもなる。
守ってくれる存在であると同時に、守るべき存在でもあること。


僧侶たちが瀬戸村にあつまり……


柴咲コウが故郷の村を焼き払います。




■いさかうのではなく共に


故郷の村を焼き払う田植えをする直虎たちを物陰から見ていたのは、瀬戸ごちそうさんランドの面々。

捕まえに来たわけではなさそうな様子に、困惑する百姓たち。
「勝手だが入らせてもらった」と手を動かしながら言っているのがよかったですね。



確かに徳政が出れば借金はなくなる。
でもそのあとどうなる?
またいつ凶作になるかわからないし、徳政令はいなくなった男手まで戻してくれるわけじゃない。

自分たちでどうにかしないとならないんだ。
方久の知恵を借りて、仕組みを作って、利益が出るようにしていかないといけないんだ。


銭のためなら何でもする方久。
自分の所領になればその土地を全力で潤すはずだ。



「清風払明月、名月払清風」
「風と月はいさかうのではなく一体であるという。我も皆とそうありたいと思うておる」


直虎と百姓も。
百姓と方久も。





そんな直虎を見ていたのが物陰からもうひとり。
六左衛門でした。



「それがしは!それがしは武術はからきしにございます。それどころか馬も下手で実の父からも、愛想を尽かされるほどの出来損ないにございます!ゆえに、せめて、せめて苗の植え方ほどはこれからの井伊のために覚えとうございます。教えてくだされ、殿」

いさかうのではなく一体に。
直虎と六左衛門も。



六左衛門よかったですね!
途中途中に印象的に入るカット、六左衛門が直虎という人間を知っていくという過程をしっかり見て取れました。

六左衛門の父親は、奥山朝利。
いやああのコテハン奥山殿の下だと、六左衛門つらかったろうなあ。
『おんな城主直虎』9話の話。




■昔から知っている


いさかうのではなく、一体に。
しかし直虎と政次の場合はどうなるのでしょう。

「捕らえたのは村の心にございましたか。厄介でございますぞ。ああいう手合いは」
って「盗んでいったのはあなたのハートです」みたいに言うんじゃないよダンカン。


「知っておる。昔から」

ああああああ政次が!
政次が!!!
鶴の顔になってる!!!!


そうだよ、知ってるよね。
政次本当は知ってるよね。

直虎みたいなじゃじゃ馬を、この手で守ることはできない。
でも、自分が怪我してでも、血まみれになってでも、直虎の前に立ち矢面になる。

政次が不憫すぎて心臓辛い。

竜宮小僧がつかわせた亀のおかげで一件落着、と思いきや。

 
「出家上がりの女子に何をてこずっておるのやら」
「直虎を駿府に申し開きに来させよ」


あかん。
政次が一番避けたかった事態に陥ってるよ。





■複数主人公


「井伊の徳政」という、『おんな城主直虎』の肝となるテーマを扱った今回。
そもそもが少し難しい話だからこそ、竜宮小僧やら亀やらファンタジーな展開でわかりやすい作りになっていました。
桶狭間回とはまた毛色の違う面白味があったように思います。

それにしても、「2人目の主人公・政次」の姿がくっきり見えてきたように思います。
直虎の影の部分に当たる小野政次を丁寧に描いていく。
非業の死を遂げたと言われていますが、それはどう描かれるのか。
そして政次亡き後、「3人目の主人公」となる井伊直政にどうバトンパスされるのか。


前半戦を終えて中盤戦に入るところ、今後の展開が楽しみです。




■中野殿にもデレてほしい


今回、六左衛門がデレたので、そろそろ中野直之がデレるかな?

中野直之を演じるのは矢本悠馬さん。
大河ドラマは初出演ですが、朝ドラではおなじみの俳優さんです。


『花子とアン』の武とか。


子役時代には『てるてる家族』のローリーとか。


今後が楽しみな俳優さんのひとりです。








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