晴れとなるとジッとしていられなくなる。
今日は、山形県新庄市の杢蔵山に登ってきた。
【杢蔵山 もくぞうさん】 1026.6m 東北百名山
新庄市内に入ると濃い霧。
登山口では、足元の草がすっかり濡れている。
やはり村山盆地は、天蓋のようなガスにすっかり覆われていた。
歩きだしてすぐのところで、登山道と渓谷遊歩道の分岐に到着。
この遊歩道は上級者向けとのことだが、一応チャレンジしてみることにした。
(登山道と渓谷遊歩道の分岐)
沢を何度も越える。
濡れた落ち葉で道は滑る。
道は荒れていて、標識も無い。
ところどころは、沢に向かって落ち込む斜面を横切るような道。
けっこう、シンドイ。
(沢越その1)
(清冽)
(沢越:中央の木の枝の下くぐるときに引っかかってしまい、危うく沢に転ぶところだった。)
(濡れて滑りやすい丸木橋)
(一ノ滝)
(オイオイ!! この丸木橋は大変だ。)
登山道との合流点に出て、ホッと一息つくことができた。
(合流点)
杉の林をすぎて、ほどなく渡渉。
こちらは、しっかりとした橋が架かっていた。
三ノ滝は帰りに立ちよることにして先を急ぐ。
七曲の坂に着いた。
木にくくりつけられた案内板には、634m(ムサシ)とあった。
次は、心臓破りの坂。
傾斜はさほどでないと思っていたら、それなりに息が切れる坂だった。
三角山との分岐点に到着。
向こうに杢蔵山荘が見える。
この山荘手前の東側に道があったので、寄ってみた。
展望台のようになっていて、全方位の眺望が楽しめた。
(広い台地で眺望を楽しむ。)
(月山遠望)
(鳥海山を遠望)
山荘に戻り、山頂を目指す。
(きれいに整理整頓された杢蔵山荘)
すぐに、金杢水の前に着く。
(金杢水)
ここからはまたまた上り。
(背丈が低いブナの道)
尾根に出た。
反対側は断崖。
ひっきょう、歩きは慎重になる。
そろそろ山頂かと思えど、それはまだ先。
山頂に到着。
地元の方が、冬支度とのことで山名標識を下げていた。
その方は、軽トラで林道を走り、三角山経由で来たとのこと。
この林道は荒れていて、普通車では腹を擦ってしまうようだ。
(山頂であった方が下りていった。)
誰もいなくなった山頂で、ノ~ンびりと昼食休憩。
八森山の向こうに火打岳、小又山、神室山と続く。
(右のどっしりとした八森山、その左にはとんがった火打岳、さらに左には小又山と神室山。)
(左から加無山、右の2つは男甑山と女甑山)
※男女の甑山(こしきやま)は、非常にユニーク ⇒ こちら
後は、ひたすら下山。
(左から葉山、月山を遠望。その間には朝日連峰。)
三ノ滝に寄ってみた。
登山道は、ブナやトチの巨木、紅葉したヤマモミジなどでとてもきれい。
やっぱり、渓谷遊歩道などを歩かないで、こちらを選択すればよかったと後悔した。
不動明王の大きな石碑を眺め、登山口まで戻ってきた。
※ 登山口まであとホンのわずかといった場所で、道に敷かれた板で滑って転んでしまった。
幸い泥だらけにはならなかったが、思い出したのは『徒然草』の一節。
■高名の木登り(第109段)
高名の木のぼりといひしをのこ、人を掟(おき)てて、高き木にのぼせて梢(こずゑ)を切らせしに、いと危(あやふ)く見えしほどはいふ事もなくて、降るる時に軒長(のきたけ)ばかりに成りて、「あやまちすな。心して降りよ」と言葉をかけ侍りしを、「かばかりになりては、飛び降りるとも降りなん。如何(いか)にかく言ふぞ」と申し侍りしかば、「その事に候(さうら)ふ。目くるめき、枝危きほどは、己(おのれ)が恐れ侍れば申さず。あやまちは、やすき所に成りて、必ず仕(つかまつ)る事に候ふ」といふ。
あやしき下臈(げらふ)なれども、聖人の戒(いまし)めにかなへり。鞠(まり)も難き所を蹴出(けいだ)してのち、やすく思へば、必ず落つると侍るやらん。
油断大敵! 油断大敵!!
今日のコース
素晴らしい展望に素晴らしい紅葉。
滝巡りは未踏なので、今度チャレンジしてみます。
よい山でした。もう少し早い時期に登れば、もっと紅葉も楽しめたと思っています。
今度は花の季節にでも未踏の火打、小又に行ってみたいと考えています。