宮澤賢治が「たしかにここは修羅のなぎさ」と歌にも詠んだイギリス海岸を訪れた。
場所は、岩手県花巻市を流れる北上川。猿ヶ石川との合流点の西岸にある。第三紀末・鮮新世の凝灰岩質泥岩が露出し、イギリスのドーバー海峡に面した白亜の海岸を連想させることから、宮沢賢治が「イギリス海岸」と名付けた。現在は、北上川の水位が特に下がった時期だけその姿を見ることができる。
特にこの時期は雪解け水が流れ込むことから水量が多く、かすかに見える水底の凹凸に思いを重ねるしかない。
それでもやはり、ここはすばらしいところ。両岸の柳やクルミ、クヌギなどの芽吹きも、緑の濃淡となって眼に優しい。手を後で組んで、少しうつむきながら歩けば、賢治気分で四季それぞれの趣を味わえそうでもある。
(対岸側)
(岸辺に咲くスイセン)
遊歩道もキチンと整備され、歩きやすい。また、市街地から流れ込む支川には、階段護岸、渡河石が整備されており、それ自体、思いも思いの楽しみ方を提供してくれている。
後背の堤防沿いには、これまたすごい桜並木。花咲く季節や紅葉のころは、北上川との一望はきっと感動を呼び起こすに違いないはず。となれば、やはりまた来るしかないか。
(参照)
宮沢賢治「イギリス海岸」 (インターネット図書館 青空文庫)⇒ こちら
宮沢賢治「イギリス海岸の歌」(MP3版(歌付き)ダウンロード ⇒ こちら
国指定:イーハトーブの風景地 イギリス海岸 ⇒ こちら
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