今年は、アケビが庭の地植えにも鉢植えにも、幾つもの実を付けた。特に、地植えの方はよく養分が行き渡ったためかすこぶる大きい。とはいえ、鉢植えの方とてそれなりに風情というものがある。
わたしは、アケビの実はあまり食べたことが無い。妙に甘く、種の周りはヌルッとして・・・。おまけに種が多すぎる。
ということで、いつも食するのは我が家族。アケビの皮の裂け目から実の部分をガブッと頬張り、モグモグしては種だけ噴き出す。それが一般的なやり方となる。
(アケビの新芽をザッと湯がいた“おひたし”は大好物。アケビの実の皮には、挽肉詰めが合うというが、いまだ我が料理では成功した例(ためし)が無い。
今秋の我が家は、ネコとわたしの一匹一人。せっかく実を付けてくれたアケビに申し訳ないので、自分で食べてみることにした。
ほんのりとした香りと甘さが口の中に広がる。なんとも表現し辛い。まさに風雅の味とはこのことか。「なんでこれまで、家族にのみ食べさせてきてしまったのだ。こんなにいいものを!!」などと、瑣末な欲が沁みだしてきた。
そういえば、昔、母がよく言っていた。「アケビの味は、どんな凄腕の料理人にも作り出せないものなのだ」と。
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