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待機児童問題2

2016年03月10日 | 政治・社会

以下の厚労省からの資料を見ると、保育所数、利用児童数ともに年々増加。それでも、景気変動などが影響して待機児童は減ったり増えたり。また地域格差やマンション建設などの局所的変動もある。特定政権の責任に帰すべき話ではないと思う。

「保育所等関連状況取りまとめ(平成 27 年4月1日)」厚労省
https://t.co/wpuKIbDCn3

上記資料を見ると、保育所等利用児童数を母数とすると待機児童は約1%。その一方で、施設の定員充足率は94.2%。つまり、統計上はどこかに移れば必ず入れる。どこに住んでも必ず入れるようにするには、あり余るほど(=ムダ)に増設しないとムリ。

全児童に占める保育所の利用比率は半分以下。それに加えて、親の勤務状況などによって利用率は変動するし、新築マンション等で保育所需要が急増するなど局所的にも状況は変わる。これらの変動を税金を投じる保育所で完全吸収することはできない。増やしすぎて定員充足率が低ければ今度は税金のムダと叩かれる。

従って、定員充足率を高く維持しながら待機児童を根絶することは不可能だから、認可外保育施設を利用しやすくする施策を打つ方が現実的。そして、この「認可外保育施設利用料補助」事業は地方自治体ごとに既にやっているところは複数ある。政権批判する必要はない。

だから、待機児童問題を政治的に改善しようと思うなら、居住する自治体に「認可外保育施設利用料補助」制度があるかどうかを確かめて、ないならそれを実施するように陳情する方が現実的だと思う。



この問題と解決法を例えて言うならば、電力について一定量での安定的発電は原発に任せて、需要変動分は調整が自由な火力発電で賄うとか、企業が固定的リソースとして正社員を安定雇用し、景気変動によるリソース増減を非正規社員で対応するとか、に似ている。

保育所の新規開設は、地域住民から反対運動が起こる場合もあるなど、それほど柔軟かつ迅速にことは進まない。その意味でも、景気変動や住宅事情の局所的急変で増減する需要分は、民間の認可外保育施設に吸収してもらう施策の方が現実的。


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