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避難所での自炊

2016年04月27日 | 震災・災害


熊本地震における避難所での自炊に関して、「調味料が支援物資として届かない」との声が出ている。避難所から熊本市に要請しても入ってこないそうだ。

過去の震災の例を見ると、特定の避難所を担当しているボランティア団体がその予算で調味料を含む食材を提供していたレポートも見つかる。

さらに調べていくと、複数の自治体(かなり多数)で、避難が長期化する際には避難者自身の自炊を推奨し、食材を提供する計画があることがわかる。

その資料は「○○市地域防災計画 震災対策編」となっていて、どれも中身は同じなので、国からひな形を提示された資料であろうと思われる。

一部を抜粋する。


(ア) 食料・飲料水
食料の供給は概ね次の計画を目安とし、災害の規模に応じて調整する。食料は原則として1日3回提供する。
避難~12時間以内:県民による自己確保又は避難所等の保存食料
避難12時間後~ :おにぎり、パン等の簡単な調達食
避難24時間後~ :自衛隊等による配送食(暖かいもの)
避難72時間後~ :自衛隊、日本赤十字社、ボランティア、住民等による現地炊飯(炊き出し)
(避難が長期化する場合は、避難所で★避難者が自炊★できるよう、食材、燃料及び調理器具等を提供する。)

イ 調達する主な食料品(例)
(ア) 米穀、食パン、即席麺類、レトルト食品
(イ) 乳児用ミルク、牛乳
(ウ) 副食品(缶詰・漬物・佃煮)、調味料  ★★★
(エ) 仕出し弁当、おにぎり(被災地区外から調達)
(オ) あめ、チョコレートなどの嗜好品類
(カ) その他被災地域周辺で容易に調達される生鮮野菜類

エ 供給体制
(ア)炊き出しは、原則として避難所内又はその近くの適当な場所を選び、既存の給食施設もしくは仮設給食施設を設置して自ら又は委託して行う。
(イ)炊き出し要員が不足する場合は、地域の自主防災組織、日赤奉仕団、自衛隊の協力を要請するほか、ボランティアを活用する。



つまり、多くの自治体で避難72時間後以降は、避難所への支給食材の中に「調味料」も計画にある。


しかし、以下の熊本市のHPにあるPDF資料を漁ってみると、上述の共通フォーマットではなく、独自の文面になっていて、そこには検索しても「自炊」「調味料」という単語は出てこない。

従って、結論としては、熊本市の場合は被災者が自炊することはほとんど想定していないし、そのための調味料を含む食材を支給する計画も元々なかった、と思われる。

ちなみに、避難場所開設・避難所運営マニュアルには「炊き出し」という単語は出てくるが、ほとんど中身はない。


平成27年度熊本市地域防災計画・熊本市水防計画
http://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=5&type=top&id=1368

PDF 熊本市地域防災計画 風水害編 新しいウィンドウで(PDF:3.22メガバイト)
PDF 熊本市地域防災計画 地震・津波災害対策編 新しいウィンドウで(PDF:3.88メガバイト)
PDF 資料編 新しいウィンドウで(PDF:11.13メガバイト)
PDF 熊本市水防計画 新しいウィンドウで(PDF:8.02メガバイト)

※参考
避難場所開設・避難所運営マニュアル 新しいウィンドウで(PDF:558キロバイト)
熊本市避難行動要支援者支援計画 新しいウィンドウで(PDF:459.2キロバイト)



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