洋画講座受講生でもあったSさん。修了展に向けて準備していた頃 彼は言った
「この作品は今回は出さない。次にするわ。」
私「次? 次があるだなんて確証はないから今回出しましょう!」
初心者ながら 彼の抽象画の感性が素晴らしいと思ったので 出品を勧めた。
その時まさかほんとに「次」がなくなることなんて 思いもしなかった。心が痛んだ。
しばらくして、咳が長引き風邪をこじらせていると医者もご本人も思っていたのが、まさかの末期の肺がん、余命告知・・・
以前通っていたカメラ教室で同期でもあった彼の写真作品は、切り口・視点が独特で、一時私の所属する美術団体の写真部門にも入選していた。
亡くなる2か月前、ギャラリーの支部展に来てくれた時のこと。
「僕の遺作展はこの和〇屋でお願いします。」「よっしゃ、任せて!」
自身の遺作展の段取りは生前にきっちり自分でしており、私もそのつもりで引き受けた。
しかし、奥様の体調不良などで和〇屋での開催は実現ならず、代わりに駅前の市民ギャラリーでの遺作展は叶った。
私はキャンサー・サバイバーの先輩だけど、彼のすべてを冷静に受け入れた生き様をリスペクト。
作品の数々は、彼の生きた証。
改めて「今、この時を生きる」 そのことを意識する。
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