デ某の「ひょっこりポンポン山」

腎がんのメモリー(術後10年クリアーし"卒がん")、海外旅行記、 吾輩も猫である、人生の棚卸しなど。

旅に焦がれて…

2021-09-11 20:22:25 | 新聞・TV・映画・舞台・書籍etc.
 
                           秋の夕日に… Painted by QP

 大阪の四大交響楽団と言えば … 筆頭は大阪フィル、次いで関西フィル。そしてセンチュリー、大響と続きます。今日の午後、大響(大阪交響楽団)の演奏会に参りました。
 超!一流は最初の数秒(一秒かも)の響きがちがいます。でも偶に少し遊びはります(笑)。その点、超!のつかない一流は遊びません。フルスィングに惹かれ聴き惚れます。

 明朝 帰省します。コロナ非常事態延長も台風14号も気懸りながら…強行! 愛猫シマに長旅は酷ゆえシマとツマは残します。動物病院は日曜開院なのでシマの点滴後に出発!
 車にナビは付いていますが、眼が良くて気のつく妻ナビがないのは如何にもリスキー。無事!戻れるかどうかわかりませんので 少し早い目にブログを更新しておきます。


                     

 「世界わが心の旅」 という旅番組がありました(1993~2003年)。各界の著名な方が思い出の地を再訪する旅です。凡そ70か国300人余の旅のドキュメント、立原摂子さんによるテーマ音楽が始まると それだけで胸がきゅんとなります。新シリーズを期待しているのですが…。

 そんな視聴者の声が多いのでしょうね、NHK-BSP「プレミアムカフェ選」でしばしば再放送されます。前後の渡邊(旧姓 黒田)あゆみアナとゲストの語らいも心なごみます。9/4の再放送は 照明デザイナー石井幹子さん(フィンランド)、画家絹谷幸二さん(ヴェネチア)の心の旅でした。

  石井幹子さんの 「わが心の旅」 …フィンランド “光の夢” (1995年放送)

 石井幹子さん(82歳)は 1962年に東京芸大を卒業、デザイン会社で照明器具を担当し1965~67年までフィンランドに派遣されました。デザインとりわけ照明器具で世界最先端のモードを学び帰国。夜間ライトアップに手腕を発揮し、東京タワーの照明で一躍!脚光を浴びました。

 ヘルシンキでは、当時の世界的照明デザイナー リサ・パッペさんの家に住み込み、先進技術と "照明の心" を学びます。それから30年の時を経た1995年、懐かしいヘルシンキのパッペさん宅を再訪しました。リサさんはすでに世を去り、迎えてくれたのは恩師の娘ラウラさんでした。

 
             蝋燭の灯りのなかで語り合う石井幹子さんとラウラ・パッペさん

 石井さんはラウラさんに 『大きくなられて…お母さまそっくり!』 とハグし再会を歓びます。ラウラさんは静かな口調で 『母は口癖のように “黄昏どき” の大切さを語り、家に帰ってもしばらく明かりをつけず、じっと座っていました、黄昏どきをくつろいで味わいたい、と』。

 オーロラに心躍り、街の照明に目を瞠る日々。25~26歳の眩しいまでの2年が甦ります。街を再訪し変わらぬ光景に目を潤ませ夜の森でオーロラに心弾ませ…恩師リサさんのお墓でラウラさんと祈りを捧げる光景に心うたれました。日下武史さんのナレーションも極上!でした。 
   ※ 日下武史さん…素晴らしい役者さんでしたが 2017年、86歳で亡くなられました。


 

  絹谷幸二さんの 「わが心の旅」 …ヴェネチア “青春の窓” (2002年放送)

 絹谷幸二さん(78歳)。東京芸大では小磯良平さんに師事し油絵を専攻。1971年、28歳の時にヴェネチアの美術学校アカデミアに留学、ブルーノ・サエッティ教授の下でフレスコ画を学びました。日本のフレスコ画の第一人者(東芸大教授、芸術院会員)の若き修業時代を訪ねる旅です。

 
           修業時代を懐かしみながらヴェネチアの大運河で絵筆をとる絹谷幸二さん

 ”フレスコ" とは ”フレッシュ” 。壁に漆喰を塗り乾ききらないうちに描きます。やり直しの効かないスピードと技が求められますが、油絵と異なり数百年たってもフレッシュです。Fアンジェリコ「受胎告知」はフレスコによる壁画の典型…実物には感動の余り声をのみます。
   ※ 美術館となっているサンマルコ修道院(フィレンツェ)の階段 踊り場の壁に描かれています。

 番組が収録されたのは2002年、絹谷さんは59歳になっていました。実はその2年前に私はヴェネチアを旅しましたから、この番組をとても懐かしく視ました。ヴェネチアを再訪した絹谷さんが「ヴェネチアはいつも変わらない」と述懐されたそのままのヴェネチアがありました。

 
    アカデミア橋…私が訪ねた2000年は "如何にも木製" でしたが ヴェネチアでは珍しく 新しい!

 ヴェネチアでの2年半、物置のような部屋に結婚したばかりの奥様とともに下宿した絹谷さんは『お金がなくてイワシばかり食べていた』と。部屋には窓がなく、壁に向って 「壁をなくしたい!」 と、壁に “窓” の絵を描きます。描いた窓により壁がなくなる!第一作でした。

 ともに学んだ人々にも再会、集まっては食事し絵について熱く語りあったレストランに招待します。半世紀を経て『実は君が好きだった』と当時のマドンナに告白も…。そして出された料理は絹谷さんの日々を支えた?イワシ料理…絹谷さんの青春が我が事!に感じられました。

 絹谷さんの絵を買った最初の人を訪ねます。若い画学生への支援であり期待でもあったでしょう。絵は 下宿の壁に窓を描いた絹谷さんそのままに “窓から吹きよせる風” がベッドの女性を優しく包む光景。絵を買った女性は『返せと言われても もう返さないわ』と微笑みました。

 
            最初に買っていただいた絵…買われた方の寝室に架けられていました。

 番組のシリーズ名は 「わが原点」。つい!「わが減点」 と寒~い駄洒落を言いたくなります(言いましたな!) やはり 一角(ひとかど)の人物の若き時代には 一角を為すだけの 深くて熱い原点がある!ことを確認し、減点ばかりの自分とはえらいちがいやなぁ、と心底!思いました。

   本日の演奏会…リスト「ピアノ協奏曲2」へのアンコールに応えた リスト「コンソレーション3」
 

   ※ この項のコメント欄…閉じました 9/15 20:25 

  

過去ログ目次一覧】
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~140 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
吾輩も猫である141~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/b7b2d192a4131e73906057aa293895ef
人生の棚卸し http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ddab58eb8da23a114e2001749326f1f1
人生の棚卸し(2) https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/22b3ffae8d0b390afee667c0e9ed92ed
かんわきゅうだい(57~) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/20297d22fcd28bacdddc1cf81778d34b
かんわきゅうだい(~56) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
新聞・TV・映画etc. http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a7126ea61f3deb897e01ced6b3955ace
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c

6 コメント

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Unknown (エセ百姓)
2021-09-12 05:17:06
長旅、どうぞ気を付けて・・・。
Re : エセさん (デ某)
2021-09-12 07:41:02
エセさん
ありがとうございます
朝いち!でシマを病院につれて行ってから出発します
故郷は? (遠音)
2021-09-15 10:25:42
大山に秋は訪れていますか?

お母さんは 暑さをしのげて秋を迎えていますか?

デ某さんは いまそれらを どんな目をして
捉えていますか?

たそがれちゃんのわたしの相棒は
きっと点滴で体が楽になっていますね。
そう願っています!

たそがれの 遠音から したっけねー
猛暑からこの秋お母様の御様子は・・・ (徒然)
2021-09-15 14:27:03
お母様のもとまで プチわが心の旅お疲れ様でした
奥様ナビが誘導なく無事お帰りでしょうか

早速 シマジロウの点滴でしょう

シマ大将は 我どうなってんのと黄昏移ろいでしょうか
点滴で生き存えているの御存じないかもニャン

まずはお身体やすめて300キロの旅路 
奥様のもてなしに癒されてくださいませ

日々日が暮れることに感謝でございます
失礼致します
Re : 遠音さん「故郷は?」 (デ某)
2021-09-15 16:06:51
たそがれ風?の 遠音さん
コメントありがとうございました
先刻 三泊四日の帰省から大阪に戻って参りました
早速のコメント 嬉しく読ませていただきました。

> 大山に秋は訪れていますか?

弾丸帰省の上 「大阪」ナンバーの車で走るのは肩身が狭く 外出は用件のみ!
加えて 連日の雨&曇り模様で大山の雄姿は一度も見られませんでした
でも「わが心の大山」は健在!でありました

> お母さんは 暑さをしのげて秋を迎えていますか?
> デ某さんは いまそれらを どんな目をして
捉えていますか?

母のGホームには依然!「面会はご遠慮いただいています」との貼り紙。
ですので面会は「道を挟んで窓越し」の上、
今回は 「窓も閉じたまま」数分!の面会となりました。
声をかけあうこともままなりませんが、
それでも 見た目!に「母が若返った」ように感じられ嬉しかったです。
スタッフの方のお話では 「"数独" などクイズが得意で熱心に取り組まれている」と。
99歳、来年5月には百歳! まだまだ生きる!ことと思います。

> たそがれちゃんのわたしの相棒は
> きっと点滴で体が楽になっていますね。そう願っています!

お蔭様でシマは元気にしています。
今日、此方に戻って荷物の整理をしていましたら
いつの間にか私の傍に来てスリスリ...。
たまりまセーヌ河! なんなのでしょうね、この可愛さは!

> したっけねー
遠音さんも くれぐれも お風邪など召されませんように!
美味しいものをしっかり召し上がられ 体力を涵養なさってくださいね。
したっけねぇ~
Re : 徒然さん「猛暑から この秋...」 (デ某)
2021-09-15 16:14:00
徒然さん
コメントありがとうございました

> お母様のもとまで プチわが心の旅お疲れ様でした

昔の映画の "硝子窓越しのキス" ならぬ "窓越し&リモート面会" でした。
片道5時間弱かけて数分の面会ながら、直に会えるだけでもいいかなぁ、と。

> 奥様ナビが誘導なく無事お帰りでしょうか
緊張感をもってハンドルを握りましたので いつもより安全運転です
しかしハンドルを握るのが年々!苦痛になりますね、気分転換のドライブは別ですが…(笑)

> 早速 シマジロウの点滴でしょう
取り敢えず 明朝! に通院。シマには「厭な朝」となります

> シマ大将は 我どうなってんのと黄昏移ろいでしょうか
> 点滴で生き存えているの御存じないかもニャン

ほんと!賢い猫なのに 医療の意味がわからないところがつくづく残念!
まぁ 穏やかな黄昏を!と思いつつ シマのために 少し心を鬼に...ですかねぇ。

> まずはお身体やすめて300キロの旅路... 奥様のもてなしに癒されてくださいませ

ありがとうございます。
妻も ちょっと体調を落としていますが、気候も良くなりつつあり なんとか
お土産のシャインマスカットでシャイン!してもらいましょう。

> 日々日が暮れることに感謝でございます
はい。「日日是好日」でありたいですね
徒然さんも おつれあい共々にお元気にお過ごしくださいね