特定非営利活動法人 被災者応援 愛知ボランティアセンター 公式ブログ

2011年3月17日設立。孤児遺児応援活動、被災地ボランティア活動等、現在進行形で被災者応援活動を行っています。

愛知ボラセンの活動予定⇩(更新日:2024.5.3)

令和6年能登地震 被災者応援ボランティアバス
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NPO法人被災者応援愛知ボランティアセンターは、観光庁からの「観観産第174号(平成29年7月28日)災害時のボランティアツアー実施に係る旅行業法上の取扱いについて(通知)」に基づき、被災地ボランティア活動を実施いたします。

災害時のボランティアツアー実施に係る通知の適用対象となる地域について


■今後のボランティアバス活動予定
第10回 5月25日(土) ≫ 26日(日)
※現地との兼ね合い、また定員数に満たない場合などで変更になることもあります。

フィリピン・サンタフェ町から

2014年03月28日 17時40分18秒 | [平成25年(2013年)台風第30号]フィリピン・キナカルタン島ボランティア

愛知ボラセン代表の久田です。ただいま(3月26日)、事務局長の久世とともにフィリピン・バンタヤン島サンタフェ町にいます。今朝の朝食にはサンタフェ町町長のホセ・エスガナ氏もわざわざ同席。かなりのサプライズです。

サンタフェ町は2月に愛知ボラセンが35,000着の応援衣類を配布したキナタルカン島が所属する町。きれいな海のリゾート地ですが、台風の被害に見舞われ、町のあちこちに台風の爪痕が残っています。

カウンターパートはサンタフェ町緊急支援対策本部

愛知ボラセンのフィリピンでの活動のカウンターパートは、サンタフェ町緊急支援対策本部(本部長アルバート・カメイさん)です。アルバートさんは30歳代のがっしりとした体格の男性。アルバートさんは緊急支援活動を“緊急”のものにするのではなく、台風被災を機会に支援団体の力を借りて、経済的に困窮している離島の状況を少しでもよくしていこうと考えています。

“ダイナマイト漁”で生計をたてる島の人々→サンゴ礁死滅

愛知ボラセンの35,000着の応援衣類配布も実は、キナタルカン島の人びとの現金収入を向上させるための緻密な戦略に位置づけられていました。キナタルカン島はサンゴ礁でできた島です。水源は1か所しかなく、土も少なく農作業には適していません。が、海に流れる土や砂はなく、遠浅できれいなサンゴ礁の海に囲まれています。砂浜もとてもきれいです。

島民は漁業で生計を立てていますが、その多くはダイナマイト漁。海にダイナマイトを投げ込んで爆発させて、爆死して浮いてきた魚を捕まえます。経費が安いため仲買人がダイナマイトを漁民に渡しているそうです。ダイナマイト漁の最大の問題点はサンゴ礁まで殺してしまうことです。せっかくの美しいサンゴ礁の海がダイナマイト漁によって破壊されてしまいます。アルバートさんたちは台風30号被害が発生する以前から、キナタルカン島の人びとの現金収入を増やし、ダイナマイト漁をやめさせ、サンゴ礁を守りたいと考えていました。

家屋の全半壊90%!しかし、死者ゼロ!

台風30号の甚大な被害が予測された11月上旬。アルバートさんたちはキナタルカン島に入り、島民を避難させました。キナタルカン島では90%の家屋が全半壊しましたが、実は犠牲者は一人も出ていません。フィリピン全体では7,000人以上の犠牲者が発生しているのに、です。これだけでも彼らが実にすばらしいチームであることが分かります。アルバートさんはサンタフェ町のホセ・エスガナ町長の信頼が厚く、緊急支援対策本部長として被災対策を行っています。

応援物資配布は、現金収入増、人口動態把握に活動、ボランティアも組織!

キナタルカン島では1月に支援物資のお米が配布されました。その時、アルバートさんたちはお米とともにココナッツ、苗を配布しました。ココナッツは3年もすると大きくなり、実がなり、現金収入につながります。木も木材として使用できます。そして、この苗を植えると、2月に愛知ボラセンが配布する衣類を一人4着受け取ることができると、島民に告知しました。そして、2月に私たちが訪問したときには、島を回遊する道路にココナッツの苗がたくさん植えられていました。

さらに、一人4着にしかけがあります。サンタフェ町では島民の人口動態がしっかりと把握されていないのです。12月に町長と懇談した際に頂いたデータに島の世帯数はありましたが、人口はかかれていません。移動している人たちが把握されていないのです。アルバートさんたちは人口動態を把握するため、衣類配布を活用したのです。

ココナッツの苗を植えて、応援衣類を受け取りにきた人たちは、所定の用紙に家族の名前と年齢を記入して受付に提出します。そして、何着受けとることができるかを確認します。10人家族なら40着です。皆さんとてもうれしそうに応援衣類を持って帰っていかれました。そして、貴重な島民のデータを把握することできました。データ収集のためのノートや用紙などの経費も愛知ボラセンが提供しました。

さらに35,000着の衣類を配布するために、島の若者たち40~50人のボランティア団体ビバートが組織され、キナタルカン高校の生徒のボランティアを校長に要請。その結果、150人の高校生が応援衣類の入った776箱の段ボールを運びました。愛知ボラセンの応援衣類配布は200人もの人までも組織したのです。

愛知ボラセンが提供した35,000着の応援衣類配布は、実に見事に活用されました。これらのことは私に、もっと一緒になってキナタルカン島の人たちを応援したいと思わせたのです。

実に見事です。ただただ敬服するばかりです。

応急仮設教室4棟建築

そして、キナタルカン島応援活動第二弾です。愛知ボラセンは十八成浜での現地ボランティア活動とともに、震災で親を亡くした子どもたちの応援活動を続けています。被災した子どもへの応援活動は愛知ボラセンの活動の基本です。また、愛知ボラセンの前身ともいうべき私が顧問を務める「大震災でお父さんお母さんを亡くした中学生高校生に奨学金を贈る中学生高校生の会」は台風30号被害の直後、まだキナタルカン島の応援活動も何も決まっていない時から、台風倒壊学校再建支援募金を始めています。

キナタルカン島には3校の小学校(7年制)と、1校の高校(4年制)があります。小学校2校の校舎は全壊、他2校もいくつかの校舎が破壊されています。愛知ボラセンは4つの学校に1棟ずつの緊急仮設校舎を建築します。建物は簡易なもので、1棟あたりの建築費は約20万円。これから募金を集めていきます。大口でご寄付いただいた団体や学校、個人の方には、校舎の壁に名前を入れさせていただきます。

本日(3月26日)、資材を積んだ船に乗って、約1時間。キナタルカン島に渡ります。建てるのは島の人びと。私は自分の金槌や鋸を持参し、3日間一緒に釘を打ちます。すでに土台のコンクリート打ちなどは終えられており、4月1日までに4棟を完成させることになっています。28日にサンタフェ町に戻り、町役場で町長をはじめ、関係者を交えて覚書にサインすることになっています。

4月4日、キナタルカン島対策会議に8団体参加。海外からは愛知ボラセンのみ!

4月4日にはサンタフェ町役場でキナタルカン島に関係する8団体が集まって今後の対策会議が開かれます。愛知ボラセンもこの8団体に入っています。海外からの参加団体は愛知ボラセンだけです。愛知ボラセンの現地スタッフとして雇用した女性が愛知ボラセンとしてこの会議に参加します。

この会議で、愛知ボラセンはキナタルカン高校でのコンピュータ教育とプログラム開発教育の提案をします。イギリスのラズベリーパイ財団という団体が途上国の子どもたちのコンピュータ教育用に3,500円で自作できるコンピュータ、その名も「ラズベリーパイ」を開発しました。これに中古キーボードと中古モニターをつければ立派なコンピュータができます。

ラズベリーパイコンピュータをまず生徒が作り、それを使ってスマートフォンのアプリやパソコンのソフト開発の教育を実施するのです。ラズベリーパイは家庭で使われているウィンドウズのパソコンとは違って、ゲームは自作しない限り使えないようになっています。子どもたちがゲーム漬けになる心配はほとんどありません。

愛知ボラセンではどこかのケーキ屋さんにお願いして、愛ボラ特製ラズベリーパイ(?)を作ってもらい、おいしいラズベリーパイを食べて、キナタルカン島にラズベリーパイコンピュータを贈ろうというキャンペーンでもしようかと考えています(笑)

その他、キナタルカン高校と愛知県の高校生との交流、無医島のため医学部や看護学校、医療技術などの学校に進学する生徒に奨学金を支給し、何年か医療現場を経験したのち、3年程度必ずキナタルカン島で医療・治療活動をするようなスカラシップを提案します。

なお、私たちは30日(日)に帰国し、午後からのエール3rd実行委員会に参加します。

コメント (1)
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