介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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茂木健一郎の新しい対談を読む

2007-10-26 20:38:22 | 映画・読書
経営コンサルタントの波頭 亮(はとう りょう)
との対談
『日本人の精神と資本主義の倫理』
(幻冬社新書、2007.9.30刊。189ページ、720円+税)
本の帯には、
「日本が、堕ちきった先に見える希望とは?」とある。
読んだ印象では、希望は見えないように思った。
「堕ちきった」事例の紹介とその原因分析はさすがです。

茂木 脳科学者。1962年、東京生まれ。(お母さんは九州の小倉と)
   東大の理学部・法学部を出る。
波頭 経営コンサルタント。1957年、愛媛県生まれ。
   東大経済学部卒。
二人は、この企画で初めて話し合ったという。

茂木の対談のうまさは格別ですね、人の話の引き出し方がうまい。

p42/p88 お笑い芸人やタレントが(庶民の代わりという格好で)政治家をやっつけている。国際的にまれなパターン。
p55  (ノーベル賞の)田中耕一のように、日本では学会レベルでその研究の意義を理解していなかった。国際社会から言われて初めてわかった。

知らなかったことやエピソードも沢山。
p123 茂木が法学部へも編入したのはガールフレンドに(物理学でメシ食えるの?)言われたことが原因!人はそういうことで動く。
p169 わからない人には・・ほっとく置くしかない。可視光線は見えるが
紫外線は見えないように、わからない人はわからない。(このたとえにみょうに納得)

私の勉強している範囲では、本書の発言には幾つかの疑問の箇所も。
p37 日本の社会制度は多くアングロサクソンからきた。→社会保険システムはドイツをモデルにしている
p131 日本の年間労働時間1900時間をアメリカの200時間と比較して
働かなくなったというが・・ヨーロッパを含めて考えれば、アメリカと日本が働きすぎ。
p179 最近議論の「格差問題」は経済合理性から生じたもので、それを妬みから議論するのはおかしい という・・・そんな原則論はみんな知っている。日本の地域の実態や社会保障の問題点をもう少し知るべきでは?

対話のうち
とげのある部分は波頭がひっぱている印象が強いです。
自由な対談に値打ちがあるわけだが
p182~最後の部分でのやりとりにはびっくりというか、失望。
田舎は自然もいいし、情報もインターネットがあれば都会の遜色はない。
しかし、都会で得られる「ひと」が田舎にはなくこの環境格差は
予想以上に大きいと。

そして、二人はこの環境格差是正に努力したいと。
・・・最後に突き落とされた感じ。
東京に住むエリートに言われたくないですね。




  

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