第Ⅰ部では、
社会保障の理念と体系
ということで
社会保障と日本経済を考えるための
基礎的な考察が行われました。
第Ⅱ部は
「所得保障が日本経済に与えた影響」
として、
・生活保護
・労働保険(失業保険)
・年金
をとりあげている。
今回の
「第4章 生活保護と日本経済」は、
第1節 社会保障に占める生活保護の位置
第2節 戦後日本経済と生活保護
第3節 生活保護の経済効果
と分けて分析が進められる。
第1節 社会保障に占める生活保護の位置
・生活保護費は、総額2.5兆円の規模である(2004年度)
・対象人員は、142万人である。
・1人当たり保護費は、月額146,889円である。
・65歳以上の人は、527,310人である。
・このうち、年金を受給者は、47.2%に相当する248,920人だ。
[金額の平均は月額45,758円であるから、
おおざっぱにいって、146,000円の保護費を支給されるが、年金相当額46,000円程度を控除して、手元には約10万円は支給される という勘定だ。]
第2節 戦後日本経済と生活保護
戦後の保護率の推移をみると、
第Ⅰ期 1945~ は、経済の成長とともに急減し
第Ⅱ期 1965~ は、横ばい
第Ⅲ期 1985~ になって、(減少のあと)1993頃から上昇中である。
第3節 生活保護の経済効果
生活保護費がGDPに占める比率:
1964年 0.38%
1984 0.48
2003 0.48
となっており、
京極は「生活保護は一貫して日本経済の底辺を支えているともいえる」
(p83)としている。
また、「人口比で約1%と変化がなく、最低生活維持機能は変わらない」
(p83)と評価している。
生活保護制度のあり方については、2004年12月に厚生労働省の審議会が報告書をまとめている。京極もこの委員会のメンバーとして、現在の生活保護の課題を熟知している。
今後の方向として、自立支援プログラムの評価や最低賃金の引き上げの政策を指示、提案している。
生活保護の実際については不勉強ですが、
橘木俊詔の『セーフティネットの経済学』
(日本経済新聞、2000年刊。)では、
「要保護者の大多数が実際に保護を受けていない」(p188)
として、各国との「捕捉率」を比較している。
アメリカ (支給額で測定) 1991年 70%
オーストラリア (支給額で測定) 1986年 36%
イギリス (支出で測定) 1985/86年 54%
日本 (支出で測定) 1993年 6%
(日本では、極端に低い)
京極先生の分析もこういった点に及んで欲しかった。
社会保障の理念と体系
ということで
社会保障と日本経済を考えるための
基礎的な考察が行われました。
第Ⅱ部は
「所得保障が日本経済に与えた影響」
として、
・生活保護
・労働保険(失業保険)
・年金
をとりあげている。
今回の
「第4章 生活保護と日本経済」は、
第1節 社会保障に占める生活保護の位置
第2節 戦後日本経済と生活保護
第3節 生活保護の経済効果
と分けて分析が進められる。
第1節 社会保障に占める生活保護の位置
・生活保護費は、総額2.5兆円の規模である(2004年度)
・対象人員は、142万人である。
・1人当たり保護費は、月額146,889円である。
・65歳以上の人は、527,310人である。
・このうち、年金を受給者は、47.2%に相当する248,920人だ。
[金額の平均は月額45,758円であるから、
おおざっぱにいって、146,000円の保護費を支給されるが、年金相当額46,000円程度を控除して、手元には約10万円は支給される という勘定だ。]
第2節 戦後日本経済と生活保護
戦後の保護率の推移をみると、
第Ⅰ期 1945~ は、経済の成長とともに急減し
第Ⅱ期 1965~ は、横ばい
第Ⅲ期 1985~ になって、(減少のあと)1993頃から上昇中である。
第3節 生活保護の経済効果
生活保護費がGDPに占める比率:
1964年 0.38%
1984 0.48
2003 0.48
となっており、
京極は「生活保護は一貫して日本経済の底辺を支えているともいえる」
(p83)としている。
また、「人口比で約1%と変化がなく、最低生活維持機能は変わらない」
(p83)と評価している。
生活保護制度のあり方については、2004年12月に厚生労働省の審議会が報告書をまとめている。京極もこの委員会のメンバーとして、現在の生活保護の課題を熟知している。
今後の方向として、自立支援プログラムの評価や最低賃金の引き上げの政策を指示、提案している。
生活保護の実際については不勉強ですが、
橘木俊詔の『セーフティネットの経済学』
(日本経済新聞、2000年刊。)では、
「要保護者の大多数が実際に保護を受けていない」(p188)
として、各国との「捕捉率」を比較している。
アメリカ (支給額で測定) 1991年 70%
オーストラリア (支給額で測定) 1986年 36%
イギリス (支出で測定) 1985/86年 54%
日本 (支出で測定) 1993年 6%
(日本では、極端に低い)
京極先生の分析もこういった点に及んで欲しかった。