【第2章】
Paul Krugman
THE CONSCIENCE OF A LIBERAL, 2007
を読んでいます。
前回は、その第1章を読んでの感想を書きました。(6/25)
今日は、
第2章
THE LONG GILDED AGE
です。pp.15-36
Gilded Age
とは、アメリカで1865年から1890年までの経済の反映期をさすことばです。
(南北戦争のあとから第1次世界大戦までのあいだ)
【要点】
○ この時代と現代との意外な共通点
・経済的な格差が進んだ
・労働組合の組織化が停滞した
○ アメリカの選挙の不正・・買収などが目立った
○ 格差
・都市と農村
・移民と元からの住民
○ 保守政治が跋扈した。反面、共産主義や無政府主義も。
○ 1881年のドイツのビスマルクの社会保険はヨーロッパに広がった。
・例:イギリス(1908年の国民年金、1911年の健康保険)
○ アメリカは、(連邦国家としては)1930年代後半まで何もしなかった。
○ 1900年から1920年代、州レベルで社会政策が進んだ。
*労災→母子→老齢→失業 の順で
○ 州レベルの改革の恩恵に浴した人は少なかったが、この間に社会保険の原則がアメリカに浸透して、(結果的に)ニューディールの準備をした。
【感想】
・アメリカの経済と政治の相関関係がおもしろい。
・アメリカの保守と革新の抗争の根はこの頃からあった。
・歴史的な考察が実証的なデータを添えて進められていて説得力がある。
今後の話しの展開としては、
ブッシュ大統領による8年間の共和党政権のもとでの格差増大を歴史的な文脈で捉えようとしていて、これから1年近く、大統領選挙を向かえるアメリカをウォッチするのに必要な基礎知識がえられそうだ。
政治思想と経済政策、それに社会政策が強く関連しあっていることを知る。
翻って、日本の経済学者が、(自分の国について)このような政治思想や社会政策を含む歴史的な分析を明快にできているのだろうか?
と、この点ではうらやましくもあります。
*写真は、
「徒然なる奄美」から、6月29日付記事、名瀬の大浜の夕日。
Paul Krugman
THE CONSCIENCE OF A LIBERAL, 2007
を読んでいます。
前回は、その第1章を読んでの感想を書きました。(6/25)
今日は、
第2章
THE LONG GILDED AGE
です。pp.15-36
Gilded Age
とは、アメリカで1865年から1890年までの経済の反映期をさすことばです。
(南北戦争のあとから第1次世界大戦までのあいだ)
【要点】
○ この時代と現代との意外な共通点
・経済的な格差が進んだ
・労働組合の組織化が停滞した
○ アメリカの選挙の不正・・買収などが目立った
○ 格差
・都市と農村
・移民と元からの住民
○ 保守政治が跋扈した。反面、共産主義や無政府主義も。
○ 1881年のドイツのビスマルクの社会保険はヨーロッパに広がった。
・例:イギリス(1908年の国民年金、1911年の健康保険)
○ アメリカは、(連邦国家としては)1930年代後半まで何もしなかった。
○ 1900年から1920年代、州レベルで社会政策が進んだ。
*労災→母子→老齢→失業 の順で
○ 州レベルの改革の恩恵に浴した人は少なかったが、この間に社会保険の原則がアメリカに浸透して、(結果的に)ニューディールの準備をした。
【感想】
・アメリカの経済と政治の相関関係がおもしろい。
・アメリカの保守と革新の抗争の根はこの頃からあった。
・歴史的な考察が実証的なデータを添えて進められていて説得力がある。
今後の話しの展開としては、
ブッシュ大統領による8年間の共和党政権のもとでの格差増大を歴史的な文脈で捉えようとしていて、これから1年近く、大統領選挙を向かえるアメリカをウォッチするのに必要な基礎知識がえられそうだ。
政治思想と経済政策、それに社会政策が強く関連しあっていることを知る。
翻って、日本の経済学者が、(自分の国について)このような政治思想や社会政策を含む歴史的な分析を明快にできているのだろうか?
と、この点ではうらやましくもあります。
*写真は、
「徒然なる奄美」から、6月29日付記事、名瀬の大浜の夕日。