介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

「混合診療」問題の争点

2007-11-30 12:22:38 | 医療
マンションの12階のベランダで洗濯物を干す。

正面遠くに鹿児島湾。
海面に陽光が輝いています。

左手には
大隅半島の山々と
やはり鹿児島湾、それに島が。

すぐしたには
鹿児島大学のキャンパス。
法文学部前のくすのきの並木の先端が海の方向へ続いている。
新聞の写真にもあった黄色は工学部の銀杏並木。
農学部のあたりには赤い色が。

3月にここへ越してきたので(鹿児島へは2006年3月)
秋の深まる景色は初めて。

タイトルの「混合診療」
先週、日本経済新聞も経済教室と視点欄に
解説記事と専門家のコメントが掲載されていた。
2007.11.21 経済教室 松尾道夫 松井証券社長 規制改革会議委員
2007.11.22  〃  川渕孝一 東京医科歯科大学教授 医療経済学 
2007.11.23  〃  遠藤久夫 学習院大学教授 医療経済学
2007.11.25 視点  近藤正晃ジェームス 東京大学特任准教授

【一番簡単には】
「混合」とは、「保険診療」と「自由診療」(保険がきかない)
を一緒にすること。
例えば、健康保険には使ってよい薬とまだ使用が認められていない薬がありますが、仮に、認められてない薬を使うとすると、認められていること(診察や検査)も自由診療扱いすること。

【混合診療が認められている事例】
大原則は、混合診療は認められていないのですが、
・「先進医療」として一定の条件のもとで認めているもの
・個室など差額を払ってよい環境を選ぶ場合(差額徴収といいます)

【「騒ぎ」が大きくなっているのは】
2007.11.7 東京地裁は、「混合診療の禁止」という厚生労働省の解釈・運用は法的に誤り という判決をだした。
2007.11.16 国(国を相手の訴訟は、法務大臣あてに行う)は、上記の判決を不服として、東京高裁に抗告した。
そこで、
問題は、法廷の場での判断を待つことになったのです。

【日経新聞のシリーズでは】
乱暴(全部で10000字を超える論評を1000字程度でというのですから)に専門家(敬称略)の結論をまとめると、
・松井 解禁
・川渕 条件付解禁
・遠藤 解禁反対
というもので、専門家でも意見が分かれます。
・近藤 より本質的な問題を政治が決めよ

【なぜ、意見が分かれる?】
日経新聞は、はっきりいって財界とか政府のスタンスを反映しています。
(「敵を知る」という意味では欠かせない!?)
「混合診療」問題の本質は、
(近藤先生が少し触れているのでが)
アメリカ的な市場原理で医療問題を考えるのか
北欧的な社会性・公共性のあるスタンスで医療問題を考えるか
という立場の違いが出ているのです。

【おまえはどうなんだ?】
この問題は、今は、司法の判断に委ねられていますが、
これからの日本の医療をどうするか
別途このブログで始めた二木立先生の新著を素材に少し掘り下げて考えていきたいです。(二木先生は、第2章第1節でこの問題の発端を分析している)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 炊事をしない89歳の食事 | トップ | various modes of capitalism... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医療」カテゴリの最新記事