二文字 理明先生(大阪教育大学)
が、
『実践 成年後見 No.32』(民事法研究会、2010.01)
で、スウェーデンの市民成年後見制度について書いておられます。
(「市民後見人」の特集。pp.60-70 が二文字稿。)
【簡単に】
「成年後見」について、はじめて聞いたという人のために・・・
しばまた社会福祉士事務所
・認知症などのために自分では社会的な行為(施設への入所、貯金通帳の管理)の意思決定をできない人に代わって成年後見人に処理を依頼すること。具体的には、家庭裁判所が後見人を選ぶ。
・ 家族が成年後見を行う場合が多いが、社会福祉士、司法書士などの専門家が担当する。
個人による後見のほかに「法人後見」がある。
・ 成年後見を受ける状態に達しない間に契約しておく「任意後見」というのもある。
【1桁違い】
成年後見制度ができて10年たちましたが、まだ利用者は年間12万人ぐらいだそうです。これは、人口比率では、0.1%になりますね。
二文字先生のこの論文によると、カールシュタット市(スウェーデン)の場合、人口の1%にあたる人が成年後見を利用しているという。
文字通り「1桁違います」ね。
どうして、このような差が生じたのでしょうか?
それには、
1 スウェーデン社会の指導原理として「ノーマライゼーション」が定着してきたこと
2 自己決定・共同意思決定の原理も重要として受けとめられてきたこと
3 1667年にはストックホルムに後見人局が設置されるなど後見人制度の長い歴史がある
などがあげられます。
【制度の広がり】
(1)日本と比べて違う点は、後見人には、
・グードマン
・管財後見人
という2つの制度があること。
(2) 支援の内容は、
・ 権利の監視
・ 財産管理
・ 身上監護
である。
(3)対象別に見ると、
① 高齢者・病弱者
② 機能障害者
③ 精神障害者
④ 外国籍の子ども
と、多様な後見の内容がある。
(4)構造的な支援体制
国レベル オンブズマンの監視体制
県レベル 後見人執行委員会
コミューンレベル 後見人委員会(受付・審査して裁判所に送る
のように、幾層にも支援体制が重なっています。
【コンタクトパーソン・コミュニティフレンド】
さらに、後見人を支える体制として、「コンタクトパーソン」あるいは「コミュニティフレンド」といった仕組みがあるようです。
Satosholog, 2007.01.08 から引用:
「・・・コミュニティフレンドは、聞きなれない言葉ですが、知的障害者の方と、職務や立場を離れて友達づきあいをしながら、障害者の地域参加をお手伝いする人、といった位置づけでおります。
カナダの活動にヒントを得たものですが、似たような活動は、すでに日本国内にいくつかあり、コンタクトパーソンと呼ばれているようです。そのルーツは、スエーデンだということを、コミュニティフレンド活動を始めたあとに知りました。・・・
スエーデンにももちろん成年後見(グッドマン:godman とフォールバルタレ :förvaltare)の制度はありますが、同時にコンタクトパーソンの制度もあり・・・」
【成年後見法世界会議】
成年後見法世界会議が、10月2日から4日まで、横浜で開催され、世界から後見制度の研究者・実務家が集まります。
私も、鹿児島の社会福祉士さんで後見人業務を担当している方々とこの会議に参加予定です。私自身は、後見人について知ることは少ないのですが、この会議で、日本の各地の専門家から実情をお聞きし、どうして日本では後見人制度が普及しないのか?その理由と解決の方向を探りたいです。
今回のプログラムでは、北欧からの発表は無いようですが、前回の世界会議(2007年)では、デンマークの後見人制度などの発表がありその記録がネットで入手できます。(刊行されたのは2007年。英語。ダウンロードが重いです。94ページ)
International IGN Confernce on Guardianship, Conferencebook 2008
が、
『実践 成年後見 No.32』(民事法研究会、2010.01)
で、スウェーデンの市民成年後見制度について書いておられます。
(「市民後見人」の特集。pp.60-70 が二文字稿。)
【簡単に】
「成年後見」について、はじめて聞いたという人のために・・・
しばまた社会福祉士事務所
・認知症などのために自分では社会的な行為(施設への入所、貯金通帳の管理)の意思決定をできない人に代わって成年後見人に処理を依頼すること。具体的には、家庭裁判所が後見人を選ぶ。
・ 家族が成年後見を行う場合が多いが、社会福祉士、司法書士などの専門家が担当する。
個人による後見のほかに「法人後見」がある。
・ 成年後見を受ける状態に達しない間に契約しておく「任意後見」というのもある。
【1桁違い】
成年後見制度ができて10年たちましたが、まだ利用者は年間12万人ぐらいだそうです。これは、人口比率では、0.1%になりますね。
二文字先生のこの論文によると、カールシュタット市(スウェーデン)の場合、人口の1%にあたる人が成年後見を利用しているという。
文字通り「1桁違います」ね。
どうして、このような差が生じたのでしょうか?
それには、
1 スウェーデン社会の指導原理として「ノーマライゼーション」が定着してきたこと
2 自己決定・共同意思決定の原理も重要として受けとめられてきたこと
3 1667年にはストックホルムに後見人局が設置されるなど後見人制度の長い歴史がある
などがあげられます。
【制度の広がり】
(1)日本と比べて違う点は、後見人には、
・グードマン
・管財後見人
という2つの制度があること。
(2) 支援の内容は、
・ 権利の監視
・ 財産管理
・ 身上監護
である。
(3)対象別に見ると、
① 高齢者・病弱者
② 機能障害者
③ 精神障害者
④ 外国籍の子ども
と、多様な後見の内容がある。
(4)構造的な支援体制
国レベル オンブズマンの監視体制
県レベル 後見人執行委員会
コミューンレベル 後見人委員会(受付・審査して裁判所に送る
のように、幾層にも支援体制が重なっています。
【コンタクトパーソン・コミュニティフレンド】
さらに、後見人を支える体制として、「コンタクトパーソン」あるいは「コミュニティフレンド」といった仕組みがあるようです。
Satosholog, 2007.01.08 から引用:
「・・・コミュニティフレンドは、聞きなれない言葉ですが、知的障害者の方と、職務や立場を離れて友達づきあいをしながら、障害者の地域参加をお手伝いする人、といった位置づけでおります。
カナダの活動にヒントを得たものですが、似たような活動は、すでに日本国内にいくつかあり、コンタクトパーソンと呼ばれているようです。そのルーツは、スエーデンだということを、コミュニティフレンド活動を始めたあとに知りました。・・・
スエーデンにももちろん成年後見(グッドマン:godman とフォールバルタレ :förvaltare)の制度はありますが、同時にコンタクトパーソンの制度もあり・・・」
【成年後見法世界会議】
成年後見法世界会議が、10月2日から4日まで、横浜で開催され、世界から後見制度の研究者・実務家が集まります。
私も、鹿児島の社会福祉士さんで後見人業務を担当している方々とこの会議に参加予定です。私自身は、後見人について知ることは少ないのですが、この会議で、日本の各地の専門家から実情をお聞きし、どうして日本では後見人制度が普及しないのか?その理由と解決の方向を探りたいです。
今回のプログラムでは、北欧からの発表は無いようですが、前回の世界会議(2007年)では、デンマークの後見人制度などの発表がありその記録がネットで入手できます。(刊行されたのは2007年。英語。ダウンロードが重いです。94ページ)
International IGN Confernce on Guardianship, Conferencebook 2008