介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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第1630号  民営化で流してしまったもの

2008-09-30 15:07:44 | 経済
湯浅 誠『反貧困』を読む(その15)をさっき書いたばかりですが、
その42ページには刑務所の民営化のことが書かれています。
貧困がきわまり、社会的なサポートもなくなって刑務所がいわば「第4のセーフティネットになってしまっている」という。p.39

私のブログでも、
○ アメリカの民間刑務所 2007.11.11

○ 累犯障害者(山本譲司)2007.09.05

○ PFI刑務所       2008.01.20

と、刑務所に関連した記事を書いています。

美祢(みね)社会復帰促進センター
は、その民営刑務所のサイトです。
運営は、セコム系の社会復帰サポート美祢株式会社です。

少し古い記事ですが、
江川紹子ジャーナルは、「今、刑務所は・・」
で、刑務所と貧困の関連をルポ報告しています。(2006年2月19日)

○ 大きな地方自治体の病院でも医師不足や経営危機で閉鎖されるものが続いています。

○ 北欧の大学と仮に国際交流をして学生間の交流をするとした場合、すぐに問題となるのは、北欧では大学は原則国立大学なので授業料がかからないのに対して、日本では私立大学では必要費用を調達する必要がある。国立でもある程度の授業料(予算)の覚悟が必要だ。
*もう一つ、教育方法の面で、日本の大学では、特別の例を除いて英語による講義は行われていない。北欧では、英語による講義が前提というギャップがあります。

刑務所、病院、大学など
社会が公共的に負うべきものへ資金が回らない。

民間テレビで、私的な財やサービスの広告費が投ぜられ、不要不急の娯楽番組が跋扈している。(なかには、国会議員が一緒になって遊んでいるのさえあるようだ)

「政府・官僚に任せられない」(これは私も支持します)ということから、短絡して、社会公共で負うべきものまで、「民営化」(これを「構造改革」と言い換える人もいた)の大波で流してしまったのではないだろうか?

明治以降、国家の名の下に多くの命を失った。
特に、太平洋戦争。
60年たったいまでも、その爪あとが、身の周りに、アジアに残っている。
その(国家への個人の犠牲ということへの)反動で、「社会公共」といったものにまで反発が残っている。
主義・主張がないから、残るのは、「現状維持」「競争に勝つ」「全体に従わないものへは制裁を」といった心情だけが増幅していった。

自民党の国会議員の6割が世襲議員だという。
もっとも「公共性」の高い政治の世界が、私的な倫理と動機で動いている。
*国会議員の倫理観の欠如と身勝手な行動は、公務員をしたことがあるものなら沢山の事例を体験しているでしょう。刑法犯とまではいえない、「仕返し」が怖くて表には出せない・・ということで世に出ないだけです)

*写真は、「民間」の象徴、アメリカのウォール街。
ロンドン Economist のオンライン記事から。写真には見えないが、オンラインイには”Wall Storm"とあった。storm=あらし。
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2 コメント

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北欧のこと (Maa-chan)
2008-10-01 02:54:26
 先生のご指摘のとおり,ノルウェーでは英語での授業が当たり前のようです。ノルウェーのトロムソに滞在したときに,地元の若い人とオーロラを観察しながら話しを伺うと,ノルウェーでは小学校の時から,「国語」(ノルウェー語)の時間以外は英語で授業をするそうです。なので,ノルウェーの人との会話はすべて英語でしたし,それで何の不自由もありませんでした。
 スウェーデンに滞在したときも,英語で全く不自由はありませんでしたので,かなり早い段階から英語教育が行われているのではないか,と感じました。

 そして大学教育までも無料,これも北欧のなせるわざですね。
 間接税という形で負担は公平に,そしてフローは重点的に投資すべき人へ,という北欧の「福祉国家」論がここでも見られるのかなぁ,と感じます。・・・これも,政治への信頼があってこそだとも思います。

 先生がご指摘の,議員「先生」の倫理観が,国民とずれている日本では,「福祉国家」論は成り立たないでしょうね。(私も行政に関わったので議員「先生」の話しは見聞きしていますが,悩ましい限りの行動を見ています。腹の中にためておかなければならないのが,ちょっと悔しい限りです)
「福祉国家」の根っ子 (bonn1979)
2008-10-01 13:12:05
Maa-chan さん
コメントありがとうございます。

○ 日常が国際社会に開かれていること
○ 政治の世界の倫理性と政策能力
○ これを生み出した社会や文化の底力

こそを学ばなければ、と痛感させられます。
・・まだまだ、「続き」の多い話ですね。
貴ブログの方の記事も読みにいきます。

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