介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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社会政策についてはアメリカは反面教師

2008-01-29 12:37:46 | 地球→ドイツブログ
アメリカには
日本のように
というか先進諸国のように
「公的な医療保険」というものがない。

医者にかかる際の費用の備えて、民間保険(保険会社)をかけるわけです。
この民間保険にも加入できない人が4500万人、全人口の1/6
もいる
というのがアメリカの凄いところ。
*所得の低い人向けの公的医療として、メディケイド、
高齢者のための公的医療として、メディケアがある。

1935年に「社会保障法」を作るときから、公的医療保険を作ろうと
いってはきたのですが、2008年の今日まで実現しなかった。
医療団体や保険会社が既得権から反対しているからだ。

今度の大統領選挙で、クリントン(奥さんのほう)が政策的な実績と自慢しているのが、かってクリントン(亭主のほう)政権のとき、「国民皆保険」政策を提案し、当時から、そのアイデアと構想は奥さんのほうが提示していたからでしょう。
*当時は、結局、共和党の反対で実現せず。

前置きが長くなりましたが、
国際長寿センターという組織が季刊で出している雑誌
『長寿社会グローバル・インフォメーション ジャーナル』
の最新号(2008年1月15日付、Vol.7 WINTER2008)が昨日届き、
尾辻秀久元厚生労働大臣が対談をしていて、この点をついています。
(編集委員・行天良雄との対談。行天氏は、もとNHK、医学部卒)
*p2-p7、対談は、2007.10.10行われた。

尾辻発言の要点:
・経済諮問会議では、ひとり被告席に座ったような気持ち(社会保障削減で)
・このままでは、日本においてもアメリカの二の舞を演じる可能性は大いにある。
・勝ち負けは市場が決めるといった乱暴な考え方が、規制改革という言葉を借りて急激に日本社会に入ってきている。
・なんでも自己責任でいいのか、もう一度立ち止まって考えるべき時期では。

行天氏は、戦後、アメリカ軍(占領軍)と接触があり、アメリカの軍人たち(有名なサムス大佐)が、(医療では)アメリカのようになるな、といっていたことを証言している。

この雑誌では、この対談のほか
アメリカの医療を描いた映画『SiCKO』のこと、フランス、イギリスの医療事情に関する記事を掲載している。
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