いいね~おいしいね~

食べたり買って良かったもの等を実体験に基づき厳選紹介!ぜひご利用頂きより良い人生や日本経済等活性化につながれば幸いです♪

夢をかなえるゾウ0(ゼロ)  ガネーシャと夢を食べるバク(水野敬也)という本はとてもオススメ!

2023年04月15日 01時00分00秒 | 

 

 このブログで何度か紹介している「夢をかなえるゾウ」シリーズですが、今回の「夢をかなえるゾウ0(ゼロ)  ガネーシャと夢を食べるバク」も良かったので紹介したいと思います♪

 今回の夢をかなえるゾウ0(ゼロ)での課題は以下でしたね♪
 ぜひ本を読んで頂き、これらをヒントにより良い人生となれば幸いです♪

・日の出を見る
・好きな匂い、物、人、場所を見つける
・やりたくない依頼を断る
・自分の欠点や弱さを告白する
・生活に「初めて」を取り入れる
・自分の感情・感覚を丁寧に観察する
・実物を見る
・過去の出来事を「伏線」ととらえ、希望を持ち続ける
・興味を持ったことを一歩深める
・インターネットを1日断つ
・自然の中でゆっくり過ごす時間を持つ
・虫の役割を知り、大事にする
・名作を鑑賞する
・やりたくないことを全部書き出し、やりたいことに転換する
・怒りの気持ちを伝える
・苦手な人の信念を読み取る
・自分と違う分野・文化の人と話す
・仮体験する
・欠点や負の感情を「自分の一部だ」と思う
・自分と同じ痛みを持つ人を助ける
・誰かの「ありのまま」を愛する 

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1日10分であらゆる問題がスッキリする「ひとり会議」の教科書 」(山崎 拓巳)という本はとてもオススメ!

2023年04月14日 01時00分00秒 | 

 

 約10年以上前の本ですが、「1日10分であらゆる問題がスッキリする「ひとり会議」の教科書」という本が良かったので紹介したいと思います♪

 一人会議を開催にあたっては、
・その際は悩みは明るい答えを見つける質問に変える
・テーマを洗い出し
・役割を明確化
・やることリスト化
・スケジュール調整
はポイントで、また
・誰かにお願い
・思い付きはメモ
・ぶっ飛んた夢を持つ
は大切ということでしたね♪

 具体的な一人会議の手順や、一人会議DX用オススメ質問は以下でした♪

 一人会議について分かりやすく、比較的簡単にすぐ読めとてもオススメです♪


【一人会議手順】
1一人会議の予定を書き込む
2一人になれる場所へ行く
3一人会議を始めると心の中で宣言する
4自分に向けて近況報告を書く
5以下の一人会議から好きなものを選ぶ
(1)テーマ会議(①テーマを出す、②それがどうなればいいかを質問、③それがどうすればそうなるかを質問、④その答えをToDoとしてメモ)
(2)問題対策会議(①今、直面している問題を全て書き出す、②それぞれがどうなればいいかを質問、③それぞれどうすればそうなるかを質問、④その答えをToDoとしてメモ)
(3)フリー会議で思い浮かんだことをどんどん書き出す
(4)スケジュール会議でToDoをスケジュール帳に書く
(5)情報収集会議でランダムに読み流し、心が反応したものだけをメモに残す
6月に一度、一人会議DXを開く

【一人会議DX用オススメ質問】
・子供の頃、何が好きだったのか?
・制限がないなら、どんな将来を望むか?
・自分が一番輝いていたのはいつか?
・人生で一番辛かった時、どうやって立ち直ったか?
・知らない人が30人いる。彼らと打ち解けていく過程で、あなたは彼らに何をしてあげたいか?
・自分の得意なことは何か?自分の苦手なことは何か?
・誰に手伝ってもらうといいですか?
・死ぬとき、何を後悔するか?
・今、あなたが会いたい人は誰か?
・人生で夢を叶えたのはいつか?
・人生で一番輝いた瞬間の感情は、体のどこらへんにある?どんな形をしてる?色は?温度は?固さは?
・目標は何か?何が上手くいってるのか?何が上手くいっていないのか?だから何をすべきなのか?これらの質問により手に入れたものは何か?
・一瞬にして今の状況を変えるにはどうしたらよいか?

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2022年1月~6月「本の紹介」まとめ 

2022年06月29日 01時00分00秒 | 

 2022年1月~6月にこのブログで紹介した本で、特に良かったものを振り返ってみたいと思います。

 この半年も外出やグルメに注力したので、本を紹介したのは8冊だけと少なかったですね。
しかし、年間200冊以上は本は読んでおり、それだけ厳選したものの紹介となります♪


 今回は以下の<人生向上><教養>で分類してみました。
どれも素晴らしい内容でしたね♪

 特により良い人生のためにはストレスゼロの生き方は大切だと思いますし、本当に頭のいい子を育てる方法も大切ですね。

また仕事と人生に効く教養としての映画は、映画鑑賞の参考となり、今でもそれらの映画を主にアマゾンプライムビデオで鑑賞して楽しんでいます♪

 とてもオススメです!

<人生向上>
ストレスゼロの生き方 心が軽くなる100の習慣(Testosterone(テストステロン))
本当に頭のいい子を育てる世界標準の勉強法(茂木健一郎)
人間ぎらいのマーケティング 人と会わずに稼ぐ方法(林 直人)
どん底サラリーマンが株式投資で2億円(DokGen)
人生と財産 私の財産告白(本田静六)


<教養>
仕事と人生に効く教養としての映画(伊藤弘了)
冷やしとひと塩で魚はグッとうまくなる(サスエ前田魚店5代目 前田尚毅)
上海 特派員が見たデジタル都市の最前線(工藤哲)

 なお、それ以前に紹介して良かった本についてまとめたものは以下となります。

こちらもぜひご覧頂いて読んで頂き、より良い人生のヒントにしていただければと思います。

  2021年後半の「本の紹介」
  2021年前半の「本の紹介」
  2020年後半の「本の紹介」
  2020年前半の「本の紹介」
  2019年後半の「本の紹介」
  2019年前半の「本の紹介」
  ・2018年後半の「本の紹介」
  ・2018年前半の「本の紹介」
  ・2017年後半の「本の紹介」
  ・2017年前半の「本の紹介」
  ・2016年後半の「本の紹介」
  ・2016年前半の「本の紹介」
  ・2015年後半の「本の紹介」
  ・2015年前半の「本の紹介」
  ・2014年後半の「本の紹介」
  ・2014年前半の「本の紹介」
  ・2013年後半の「本の紹介」
  ・2013年前半の「本の紹介」
  ・2012年後半の「本の紹介」
  ・2012年前半の「本の紹介」
  ・2011年後半の「本の紹介」
  ・2011年前半の「本の紹介」
  ・2010年後半の「本の紹介」
  ・2010年前半の「本の紹介」
  ・2009年後半の「本の紹介」
  ・2009年前半の「本の紹介」
  ・2008年の「本の紹介」
  ・2007年の「本の紹介」
  ・2006年の「本の紹介」
  ・2006年以前の「本の紹介」

<今日の独り言> 
Twitterをご覧ください!フォローをよろしくお願いします。

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人間ぎらいのマーケティング 人と会わずに稼ぐ方法(林 直人)という本はとてもオススメ!

2022年06月10日 01時00分00秒 | 

 

 「人間ぎらいのマーケティング 人と会わずに稼ぐ方法」という本は、人と会うととても疲れてしまう著者「林 直人さん」が、「人と会わずに」「毎年100人以上の生徒を集める」ネット家庭教師業を運営している中で、いかに「人と会わずに」「社会に貢献しながら」「しっかり稼ぐ」かについてそれらノウハウを分かりやすくまとめたものとなります♪

 その本書の主な構成は以下となっています♪

(1)人間ぎらいとは何か?
 ・人間ぎらいの一日のスケジュール
 ・人間ぎらいの売る商品の選び方
 ・人間ぎらいのお客様の集め方
 ・人間ぎらいの仕事仲間を手に入れる方法
(2)マーケティングとは何か?
 ・始めにくい商売が良い
 ・マーケティングとは、お客様の不安不満を汲み取り、適切な価格・品質の解決策を提供すること
 ・役所が提供しているサービスに商機がある
 ・ものすごく丁寧に限界を超えて作ったモノだけが初めて売れる
(3)集客方法
 ・集客は広告、YouTube動画、書籍、SEO、SNS、広報(テレビ・ネットテレビ・ラジオ・雑誌)、紹介
 ・広告で無駄金を使ってしまう失敗一覧
 ・動画は最も購入率が高い絶対やるべき方法
 ・書籍は専門書、一般書の二刀流で出版することが不可欠
 ・紹介を実現するには+αのサプライズプレゼントの上にきっちり結果を出し切ること
(4)人と会わずに稼げるビジネスの思いつき方
 ・できっこないビジネスを考える
 ・どんなに小さくても1位を確保する
(5)人と会わずに稼げるビジネスの実験
 ・徹底的に相手の欲望にささるようにトップページ作成
 ・お客様の真の欲望は何かを徹底的に考える
 ・すぐ結果に結びつくのはYOUTube
(6)人と会わずに稼げるビジネスの拡大方法
 ・拡大しにくい商売に限る
 ・〆切り通りに納品し高いクオリティの成果物を出す人の見抜き方
 ・変化がなければ倒産・事業撤退・退職だけ
(7)「YouTube」「Amazon」「SNS」「Google広告」の実際
 ・宣伝・広告の費用対効果はリアリティに比例
 ・YouTubeの強みは圧倒的なリアリティ感じ
 ・Amazonの強みは衝動買いを生みやすい
 ・Google検索は3番以内に入らなければ無も同然
(8)具体的なYouTube活用法
 ・大切なのはチャンネル登録者数ではなく買う気のある視聴者数
 ・お金か手間をかけるならサムネと字幕
 ・チャンネル紹介動画は美人と一緒が良く本能には勝てない
(9)具体的なAmazon活用法
 ・本からお客様が来るような商売が良い
 ・レビューで☆5がつきやすい本、つきにくい本
(10)具体的なGoogle活用法
 ・儲かるキーワードの見抜き方
 ・検索上位になっても売上・利益が上がらないWebサイト
(11)Google広告活用法
 ・Google広告にはムダにお金を使わせるためのワナが100個以上
 ・大喜びしたお客様の体験記より素晴らしい広告は書けない

 「人間ぎらいのマーケティング 人と会わずに稼ぐ方法」という本は、人間ぎらいの人向けに、どういう商売を思いつき、どうやって始め・拡大・宣伝・広告・稼ぐか等について分かりやすく説明されていてとてもオススメです!

 以下は本書のポイント等です♪

・引きこもりは素晴らしい。何せ常時家にいますから、ネット家庭教師の仕事で遅刻するということがありません。

・引きこもりが素晴らしいもう一つの理由は人の心の痛みが分かることです。受験生は様々な精神的な悩みを抱えています。引きこもりの講師であれば、そういう悩みを当事者として理解することができます。また突然体調が悪くなってシフトに穴が空いてしまっても、3分以内にはシフトの穴が埋まります。みんなで思いやっているからです。

・多くの経営者の本を読んでいると、社員と毎日会い、飯を食べ、情をかけることが大事だという話が書いてあります。ただ、こういうことを書いている経営者の会社に限って、案外離職率が高かったりするものです。私が個人的に保っている仮説としては、そもそも人とはそんなに深く付き合うべきではないのだという考え方があります。

・会社だけでなく、友達付き合いや親戚付き合いにも同じことがいえると思います。なんにせよ距離が近すぎるのは良くない。適切な距離を保って付き合っていれば良い友人でいられるのに、距離が近すぎたばかりに自分の嫌な面、相手の嫌な面が露呈して二度と口も利かない仲になるというのはよくあることです。いずれにしても人間関係で最も大切なのは距離感なのです。

・マーケティングについて考える時に大前提にしなければならないのは、無名のあなたからモノやサービスを買う人はほとんどいないという考え方です。この考え方が非情に大切です。このことを強く認識していなければ商売はうまくいきません。

・多くの人は商売を始める時に、モノやサービスを売る人の立場から物事を考えます。しかし、これが救いようがないほどの間違いなのです。大切なのは、モノやサービスを買う人の立場から物事を考えることです。

・始めやすい商売とは以下となります。
(1)多数の売り手と買い手が存在する
(2)販売されている財・サービスはすべて同じモノである
(3)個々の需要者と供給者は、市場価格や財の性質について完全な情報を持っている

・始めにくい商売とは以下となり、私が参入しているネット家庭教師業と作家業はこの3つすべてに当てはまっています。
(1)少数の売り手と買い手しかいない(独占、もしくは寡占産業にしやすい)
(2)販売されている財・サービスが他とは違うものである
(3)個々の需要者と供給者は、市場価格や財の性質について情報をあまり持っていない

・始めやすい商売をしない方が良いのと同じように、周りの人がやっているからという理由だけで商売をやるのは絶対やめたほうが良いです。周りの人がやっているからという理由で商売をやるのは共倒れするのがオチです。これは就職でも同じことです。

・商売では基本的に雑に作ったものはまったく売れません。自分としてはかなり丁寧に作ったつもりでも売れません。圧倒的に良いものを作らないと売れないのです。お客さまは厳しい。ですから、商売は丁寧にやらなければいけません。自分ができる限り丁寧に作った作品を売り、それでも至らないところがあったことに反省し、さらに丁寧に作って出すことが大切なのです。

・商品やサービスを売るときに大切なのは、
(1)お客様の不安不満を汲み取り
(2)適切な価格で
(3)適切な品質の
(4)解決策
を売ることです。

・基本的に公務員がいるところには商機があると考えてほぼ間違いありません。競争がないところに顧客満足が生まれるわけがないからです。警察に対しての警備会社、学校に対しての塾、刑務所に対しての薬物治療施設・更生施設など、お役所が行っている仕事には必ずその周辺領域に大きな商機があります。商売のネタに困ったらまず「お役所」の仕事内容を確認しろというのは商売の鉄則中の鉄則です。

・基本的には適切な価格というのは、すでに売られている商品の半額以下と考えれば良いでしょう。値決めは経営だから値下げは良くないという経営本も多いですが、値下げしなければ新規参入者の商品は売れません。ですから、すでに売られている商品の半額以下なのに、営業利益率は50%以上になるような商売を考えるべきです。

・ライバル業者のお客様は、どのような部分をじっくり見ているのか、逆にどのような部分をさほど気にしていないのか、それをじっくり見るのです。また、この場合のライバル業者は必ずしも同業他社ばかりではありません。異業種も見た方が良いです。たとえば、私が経営している学習塾であれば、学習塾のライバルは必ずしも学習塾ではないのです。勉強時間の競争相手は、同業他社の学習塾よりもオンラインゲームやSNSであることが多いのです。もしそうであれば、生徒さんたちはオンラインゲームやSNSのどこに魅力を感じているのか、そして学習塾としてオンラインゲームやSNSの代わりになるものを提供できないかを考えるべきです。

・効果がある商品を作ることにおいて重要なのは、とにかく検品は命がけでやるべきということです。日々の仕事で忙しい中で、検品をする深夜、眠くて辛くてもうとりあえずOKを出したくなる気持ちはわかります。しかし一瞬の怠惰、一生の後悔です。私も何度もそれで失敗しました。

・広告を配信する時のページ作りにも同じことがいえますし、広告でリンクさせるページの選択にもいえることですが、基本的には広告は1テーマ・1イシュー・1ゴールであるべきです。

・DRM広告で稼ぐために最も必要なことは何か。それは広告掲載メディアのいうことを聞かないことです。広告掲載メディアとあなたとでは、利害がまったく異なります。広告掲載メディアの利益は広告費をより使わせることです。一方で、あなたの利益は広告費をなるべく使わずに集客することです。この2つの対立をまず認識する必要があります。ですから、たとえ親切心のような案内でも広告掲載めでぃあのいうことはすべて無視した方が良いです。費用対効果の測定さえも自分で行うことが大事です。

・YouTubeから得られる収入なんて微々たるものですし、不安定なのです。ですから、YouTubeチャンネルを運営する上でYouTubeから収入を得ることはほとんど考えなくて良いのです。チャンネル登録者数も視聴回数も無視しましょう。100万人の買う気がない人が見るより、100人の買う気がある人が見ているチャンネルの方が儲かる。それがYouTubeの世界です。

・動画ほどではないですが書籍もおすすめのメディアです。書籍の良いところは買う気のある人が買ってくれる点です。いいですか?重要なことですからもう一度いいますよ。書籍の良いところは書籍は買う気のある人が買ってくれる商品だと言う点です。再度復唱しました。もう一度ご一緒に。書籍の良いところは、書籍は買う気のある人が買ってくれる商品だという点です。さて3回いったのでもう十分かと思いますが、この原則は3回言うだけの価値がある非情に大切な原則です。まず書籍が他の動画やSEOやSNSやその他広報と比べて圧倒的に優れているのは、書籍は買う気のある人が買う商品だということです。基本的に本を1冊も読まない人よりも、本を毎月何冊も読んでいる人のほうが買う気のある可能性は高い。少なくとも毎月それだけの本を買うお金があるということですし、現状を変えたいという本気度が違います。商売で大切なことは、買う気がある人に見つけてもらうことです。

・書籍の出し方としては、基本的には「専門書」と「一般書」の二刀流で攻めるのが良いです。まずは専門書を執筆する。これは私の場合だと、小論文に関しての学習参考書だったり、AO入試についての学習参考書だったりします。こうしたものは、学習参考書専門の出版社や自分の塾の出版部門から出しています。これはこれで私の職業人としての威信を高め、新しい仕事を呼び込む大切なツールになっています。そして、もう1つの「一般書」を同時に出すことで、あなたの威信はより高まります。一般書とはまさにあなたが今呼んでいるような一般向けのターゲットを広く取った文章のことです。こうした文章を集めてターゲットを広く取った本を出す琴で、多くの有名雑誌に紹介されたり、場合によってはテレビやラジオへの出演を求められたり、講演会の機会なども得られたりするようになるかもしれません。それらのことが、あなたのこれからの躍進を支えてくれることは間違いありません。

・私自身も使い、非情に満足しているのは出版エージェントです。私の場合は友人の起業家でもありYouTuberでもある矢内東紀(えらいてんちょう)がベストセラー作家として本を出していたので、彼の紹介で本を出せる大手出版社を見つけてもらえたのが非常に大きかったです。これまで日本を代表する大手ビジネス誌にいくつも記事を出すことができたのも、彼と前作の担当編集者の力による部分が大きいです。何せ、いきなり素人が記事を出してくれと大手ビジネス誌に乗り込んでも、たいていの場合は警察を呼ばれるだけでそれ以上のことは起きませんから。

・有名ビジネス誌やテレビ、ラジオといった大手メディア、講演などを通じた広報も大切です。広報の中でも特に大切なのが贈与戦術です。それは通常であれば金銭のやり取りが生じるような取引であっても、最初はすべて無料で引き受けるということです。これはある程度本業で稼いででいるからこそ可能な戦術ではありますが、これから大手メディアに打って出たいと考えるありとあらゆる方におすすめできる戦術です。こういったことを続けることで信用を獲得し、最終的には個別に出版の相談ができる立場を得るのです。そしてこれが書籍の出版、さらにはその書籍から大手メディアへの寄稿という流れにつながっていきます。

・これからの時代に必要な心構えとしては、タダ働きの覚悟だけではありません。それは「契約書に書いていない+αのサプライズプレゼントをすること」そして「きっちり結果を出し切ること」の2点です。タダ働きの覚悟と合わせて、この3点を達成できることが、人に紹介される仕事人になるための条件です。この3拍子が揃っていれば、つまり期待を圧倒的に超えた利益をお客様にもたらすことができれば、他のお客様の紹介は必ず生まれます。

・最初から利用する気があるお客様を集めることは大事です。最初から利用する気があるお客様を集める上で大切なのは、第一には課金に抵抗がないお客様を集めることです。そういう意味では、Webサイトを見て集まったお客様よりは本を買ってくださったお客様の方が継続受講に至る可能性は高いです。またWebサイトのような過去問解説を見ることができるという機能に惹かれたお客様よりも、YouTube動画で見ることができる人格に惹かれたお客様のほうが成約率は高いです。そういう意味においては、Webサイトが検索エンジンで上位表示されることに心を配るよりは、本が売れるように工夫したり、YouTube動画を見る人を増やしたりしたほうが、お客様は増えるかもしれません。少なくとも課金率を上げたいのであればそうしたほうが良いでしょう。
・お客様の真の欲望がなんなのか、それをよく考えなければいけません。欲望の種類は千差万別です。少しでも反応率の高いWebサイトを作ろうと思ったらなるべく多くの欲求に刺さるようにする必要があります。たとえば、私の場合、早慶上智向けのネット家庭教師業、学習塾を運営していますが、その場合だとまず美人・イケメンのスタッフの写真をYouTube動画でもWebサイトでもとにかくふんだんに取り入れます。これで受験生は大学合格後の素晴らしい生活をイメージすることができます。また、卒業生のインタビューを盛り込んでも良い。そうすれば卒業後にも素晴らしいキャリアと収入が約束されていることが理解できるでしょう。

・他にも本当に勉強が好きで、少しでも高い学力、知識、教養を身につけたいという受験生もいるかもしれません。そのために教材は、その時々でできる限り丁寧に作らなければいけません。そして毎年惜しみなく資金を投下して、年ごとに教材を新しく作り変えていくのです。これは誰でもできるようでいて、なかなかできることではありません。しかし、そのように丁寧に丁寧に、毎年教材を作り変えることによってしか、検索エンジンで一番上に表示される圧倒的なWebサイトを作ることはできないのです。

・事業の良い点が一つしかない場合には、その1つを競争相手にパクられたらすべてが終わりますが、事業全体に100の工夫があり、またそれぞれの商品にも100の工夫があれば、それらをすべて把握してパクることはそうそうできないものです。圧倒的な一つの優位性よりも、細々とした1万個の優位性のほうが実はパクるのが難しく、長期的に競合に対しての優位性を発揮することができるのです。

・手っ取り早く事業の黒字化を果たしたいのであれば、YouTubeに全力を注ぐべきだと考えます。やるのはYouTubeだけで良い。YouTubeも狙っている検索キーワードによってはなかなか上位表示が難しいですが、そのYouTubeで比較的簡単に視聴者を集める方法があります。それはYouTube Liveを乱発することです。YouTube動画を見ているのは暇で孤独な層が多いのと、YouTube自体がYouTube Liveに力を入れていることもあって、どんなにマイナーなYouTube Liveでも配信をしているだけでびっくりするぐらいお客様がやってきます。ライブコマースでも即席授業でも政局解説でもなんでも良いのですが、とにかくYouTube Liveは絶対にやるべきです。
・YouTube Liveさえやっていれば、たとえばライブ動画を分割してサムネと字幕とBGMを入れれば、それをそのままYouTubeで配信することもできますし、クラウドワークスで安く人を雇って文字起こしをしてもらい、Webサイトのコンテンツにすることもできます。またそのようなテキストコンテンツをまとめてAmazonで出版することもできれば、書店流通される本として刊行することもできます。YouTube Liveはすべての道に通じるのです。

・拡大しにくい商売を選ぶことのメリットしては、拡大しにくいがゆえに大資本が入ってきにくい、競争がゆるくなりがちという点があります。これも人間ぎらいの起業家にとっては見逃せない点です。

・不特定多数、多種多様な人物とやっていかないといけないのが、拡大しやすい商売です。その世界で人間ぎらいという性質は完全に不利に働きます。拡大しにくい商売を選択し、最小のコミュニケーションで回る商売を手掛けていくことをおすすめします。

・YouTubeのいきおいが盛り上がってきてから、詐欺的な手法で事業を継続してきたネット家庭教師の同業が、あれよあれよという間に広告すら出せなくなり潰れていきました。なぜこのような変化が起きたのでしょうか。それはYouTubeがまさにリアリティのメディアだからです。こうした競争相手も目ざといですから、YouTubeを始めたわけですが、1動画の再生回数は1回とか2回とか、つまりほとんどの人がこの業者のYouTube動画をみなかったわけです。なぜでしょうか?それはテキストよりも動画の方が詐欺師の腐臭が伝わるからです。話の中にかなりのごまかしがあっても、実はテキストではその「ごまかしの腐臭」が伝わりません。ある程度文章力がある人であれば、人の誤読を誘うような詐欺ギリギリの表現でお客様を騙し、生きながらえることができます。しかしYouTube動画ではそれはできません。詐欺師のYouTube動画がほとんど誰からも顧みられることなく沈んでいく理由としては、やはりYouTubeなどの動画媒体はテキストよりも多くの情報を伝えるからでしょう。字面でいくら良いことをいっていても、目が泳いでいたり、自信がなかったり、か細い話し方だったり、声がかすれていたり、字幕すら付けず明らかに編集の手を抜いていたり、謎のぬいぐるみなどが出てきてなんとなく異様な雰囲気があったりすると、ユーザーはその人のことを信用できなくなります。ゆえに、詐欺師のYouTubeはすさまじいスピードでその影響力を失っていくのです。

・Webサイトを作る上では「建て売り住宅を1万円で買うこと」が大切だということです。つまり、売れているWebサイトで使われているWebサイトのWordPressテンプレートを業者からそのまま買って、自分流に改造すれば良いということです。売れているWebサイトのHTMLコードを見れば、誰が作ったテンプレートを使っているかはソースコードに書いてありますから、それをそのまま買って自分流にアレンジするのです。大切なのはテンプレート代は1万円ポッキリで一向に構わないのですが、写真撮影代はケチらないほうが良いということです。写真撮影にお金をかけるだけでWebサイトの見栄えは相当変わるからです。

・体験記には本当に値千金の価値があります。たとえば通常1文字1円で外注さんにライティングを頼んでいるのであれば、体験記にはその10倍払っても良い。まったく問題なくペイします。ただ体験記だけではいくらでも偽装の余地があるとも考えられることからユーザーインタビューを撮影して動画にするのも良いでしょう。喜びに満ちあふれたお客様の姿はどんな文章よりも雄弁です。

・Googleは広告主に無駄なコストを使わせることに関してはプロです。世界最高レベルの頭脳が集まり、少しでも広告主に無駄な広告費を使わせようと日夜悪戦苦闘しているわけです。ですから私達は自分達の身銭を切る者つぃてGoogleと対決しなければなりません。Googleは私達にお金を使わせようとする仕組みに満ちあふれています。たとえば競争相手の広告のようがよく出稿されていますよ、あなたは負けていますよ、というようなメッセージが昼夜しつこく表示されています。こういう表示を見ても「知ったことか」と思える心の強さが広告主には大切です。広告で大切なのはライバルに勝つことではありません。広告で大切なのは儲かることなのです。この言葉を深く胸に刻んでください。

・無料プレゼントでお客様を釣るのは極力やめたほうが良いでしょう。その結果、プレゼント目的で来るお問い合わせが減り、体験授業などに関する成約を前提としてのお問い合わせが増え成果が上がっています。

・一方でお問い合わせ頂いたお客様の成約率を上げたい時はバンバンプレゼントを送ったほうが良いです。特に私達のようなネット家庭教師業の場合は、いくら教材を差し上げてもコピー代はかかりませんから、プレゼントはどんどん差し上げるべきです。プレゼントのコツですが、お客様の期待を上回ることが大切です。お客様の予想通りや予想以下のプレゼントではダメです。こんなに至れり尽くせりやってもらえるのかと感動させるぐらいやり切りましょう。これができるか否かが勝負を決します。

・できる人に仕事を頼むには「玉露のカス」より「番茶の上等」が良いということです。たとえば、有名進学校からちょっと格下の大学に入った人よりも名前の知られていない高校からそれなりの大学に入った人の方が仕事はできます。弊社の実例でいうと、開成や灘から慶應(医学部以外)に入った人はまず採用しません。開成や灘という集団の中では勉強ができなかった可能性が高いからです。一方で名前の知られていないカルト宗教の高校から慶應に入っていれば一発採用です。その集団の中では勉強ができた可能性が高いからです。「玉露のカス」より「番茶の上等」が良いというのが、人材を採用する上で大切な基準の一つです。

・経済学の教科書を読むのは、ビジネスにおける優位性を確保する上で案外穴場なのではないかと思います。個人的におすすめなのは「ハバード経済学」(日本経済新聞出版社)です。アメリカを代表する経済学者であるグレン・ハバードの著作で、日本では竹中平蔵先生や真鍋雅史先生が翻訳を担当されています。経済学が経営の役に立つ場面はたくさんあります。そもそも小さい商売をする時に直面するありとあらゆる行動について網羅的に分析しているので、使える部分は多々あるのです。たとえばこの本で紹介した「完全競争市場を避け、そうではない市場を自分達の手で作ろう」という発想はこの経済学の教科書を読んだ経験から出てきたものです。その「ハバード経済学」ですが、今まで私も多くの合格者に個人的にプレゼントしてきました。

・商売で最も大切なことは、既成の固定観念を疑うことなのです。引きこもりは本当に仕事ができないのか、自分で(一次資料を)調べ、自分でやってみて、自分の体で覚えたことだけが商売の役に立ちます。そもそも商売というのは、世の中で価値が認められていない、よって安く仕入れられるものを安く仕入れて、それを自分なりに加工して高くうることなのです。

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上海 特派員が見たデジタル都市の最前線(工藤哲)という本はとてもオススメ!

2022年04月21日 01時00分00秒 | 

 「上海 特派員が見たデジタル都市の最前線」という本は、毎日新聞社の特派員である工藤哲さんが、上海の最新状況について分かりやすく説明したものです♪

 特に上海での防犯やシェア自転車、タクシー、無人コンビニ、上海ディズニーランドなど新サービスの現状、、また中国で注目を浴びる日本のキャプテン翼やスタジオジブリ、指揮者西本智実、燃えろアタックの子鹿純子、日本のカレーなど興味深かったですね♪

 また九州各県は上海で想像以上に観光誘致に尽力しているということが分かりました♪

 それから日本に訪れると牛乳や卵の美味しさに感動し、沖縄の「道の駅かでな」が米軍基地の戦闘機などがよく見えるので人気とは驚きましたね♪

 現在は円安だし、今後九州は距離的にもかなり近いので、中国人による観光で繁栄しそうと思いました。

 「上海 特派員が見たデジタル都市の最前線」という本は、上海の現状がよく理解できとてもオススメです!

以下本書のポイント等です♪

・上海で毎朝のニュースの閲覧で悩みのタネだったのが、中国のネット規制だ。中国国内では通常、フェイスブックやツイッター、インスタグラムに加え、日本のヤフーや日本の主要メディアのサイト、中国に批判的な欧米メディアや香港メディアは閲覧の規制がかかって見ることができない。日本メディアのニュースサイトはなぜか日によって見られたり、見られなかったりしていた。例えばある日は「毎日新聞」や「日本経済新聞」のニュースサイトが見られるのだが、連日見ているとある日、急にエラーの表示が出たりする。

・上海の中心地で立派なオフィスを構えれば、毎月の家賃は3万元(約54万円)は下らない。筆者がいた時期は上海の地価は上がる一方で、年を改めるごとに貸主は契約の見直しで値上げに踏み切ろうと待ち構えてきた。

・上海や中国の地下鉄で日本と違うのは、乗るたびに必要な手荷物検査だ。上海の地下鉄の駅ではすべて改札の直前に手荷物検査がある。ここで特殊機器に荷物を通し、カメラで列に並んでいる乗客の顔を撮影している。

・アプリで頼む食事は、種類にもよるが一度で40元(約700円)ほどだ。マクドナルドのセットやうどん、刀削麺、タンタンメンといった中華料理などのメニューには事欠かない。食事の配達員にとってはこの時間帯は書き入れ時で、配達予定時間に間に合わせるため猛スピードで街中をバイクに乗って走り回っていた。注文した人は、アプリで配達員の所在を確認できる。また態度が悪ければスマホで悪い評価を付けることができる。

・上海を歩けば「光る横断歩道」や「画像付き信号機」が目につくはずだ。信号機が赤なら、下の路面も赤に。また緑の表示なら緑に点滅する。信号機の上には監視カメラが置かれ、その柱には画面が備え付けてあり、歩行者が映像に記録される。もし赤信号を渡っていたら、その歩行者は自動的にカメラで撮影されて「問題あり」と認識され、顔認証で誰かを特定されることになる。いつどんな形で罰せられうかは予想できない。上海の中心地なら、歩行者はどこにいても撮影されていると考えたほうがいい。

・各地で試行錯誤していたのが「無人コンビニ」だった。スマホのQRコードや顔の登録で入口のゲートが開いて店内に入る。ジュースやお菓子などの商品を棚から取り出し、ゲートを出ると自動的にスマホから金額が引かれて決済する。レジはなく店員もおらず店は静かだ。慣れてしまえば楽だが、事前にスマホでの登録が必要だ。「無人」なのかと思ったら実際には店員が待機する店もあった。機器の不調や商品の調達の時には人の対応が必要だという。資金を持つ企業が投資し、トライ・アンド・エラーを繰り返して実用化を目指す段階だった。

・次々に開店するあちこちの飲食店も奇抜だ。スマホで注文すると、店内に張り巡らされたレールを通じてテーブルに料理が運ばれてくるレストランや、スマホをかざすだけでロボットが全自動でミルクティーをつくってくれるカフェも地下のショッピングモールなどにできている。

・2019年7月、人気サッカー漫画「キャプテン翼」の魅力を中国に伝える展示会が上海で始まった。数年間に中国の複数年で開く予定が立てられ、中国がサッカー強国を目指す中で、翼人気を象徴するイベントだった。

・筆者が上海に2018年春に赴任して間もなく、宮崎駿監督らによる数々のアニメ作品の制作で知られるスタジオジブリの中国進出が本格化した。ジブリの作品はそれまで、海賊版が爆発的に普及すrという歪んだ状況だったが、本物はこの時期になってようやく本格的に上海を起点に中国に入り始めた。中国でのジブリ作品の人気ぶりには、実際に上海に来た関係者も驚きを隠せなかった。

・2019年の上海は、音楽分野では日本トン距離が最も近づいていたともいえる。筆者の駐在期間には、RADWIMPSや米津玄師、あいみょん、きゃりーぱみゅぱみゅといった日本でもチケット入手が難しいミュージシャンやアイドルの訪中が相次いだ。

・西本智実さんは、中国国家交響楽団から最も魅力的な指揮者の1人と評されている。中国のインターネットでは西本さんについて「かっこいい」といった言葉が並ぶ。

・日本の流行に対する中国人の敏感さには驚かされたが、シニア層の間では過去のスターを懐かしむ声も多かった。中国人の心に長く残っていたのが日本の少女「子鹿純子」をめぐる逸話だ。ステージ中央に俳優・荒木由美子さん(60歳)が立った。姿を見た中国人からは歓声が上がった。1979年〜1980年に日本で放送されたドラマ「燃えろアタック」の主役だ。バレーボールに打ち込む少女を描いたこのスポ根ドラマは80年代に中国でも放送され、視聴率は50%超と日本を上回ったという。荒木さんが演じたヒロインの名前は「子鹿ジュン」、中国では「子鹿純子」と呼ばれた。中国人の50代以上の多くの人達の記憶に刻み込まれている名前だ。

・上海の家庭の台所を調査して回ったハウスの社員らは、食材にとどまらず、年収や子の年齢、親の帰宅時間まで細かく尋ねた。すべては「中国人が求めるカレーとはどんなものか」を知るためだった。その末につかんだ答えが、スパイスの「八角」を加えたものだった。東南アジアの市場に漂うような甘くて濃厚な香りが特徴だ。

・筆者が駐在中に注目したテーマの一つが、日本の地方自治体の関係者の動きだ。実は上海には多くの日本の地方自治体の連絡事務所が置かれている。その動きから、北京では普段なかなか見えなかった「中国と日本の地方都市」の動きが見えてくる。そしてそれは政府の動きとは違っていた。このあたりが日中関係の幅広さや層の厚さでもあり興味深かった。

・この中で特に上海と縁が深いのが、友好都市、あるいは友好交流関係を結んでいる横浜市、大阪市、大阪府、長崎県の4つだ。

・佐賀県と上海は2012年から中国の格安航空会社(LCC)の春秋航空の空路でつながっている。2018年だけで4万人近くが利用した。春秋航空の王正華会長夫妻は何度も佐賀を訪れ交流してきた。山口祥義知事は「ここ数ヶ月で福建省、貴州省を訪れた。毎週のように中国に来ている」と語った。佐賀は和牛やバルーンフェスタが人気で、その宣伝を続けているが、タイやフィリピン映画のロケ地としても知られており、アニメや化粧品を通じた魅力作りも進めている、と紹介した。また知事は、秋の祭り「唐津くんち」や潮の満ち引きがある大魚神社の鳥居、京都の清水寺よりも舞台の高さがある祐徳稲荷神社についても紹介し、「外国人旅行者のリピーター率は非常に高い。お待ちしています。佐賀、最高!」とこぶしを握った。

・上海日本総領事館によると、2019年に上海市や周辺四省を訪問した首長は延べ30人を超えた。地元の空港を活性化させようと、上海との直行便増便について上海の航空会社に働きかける訪問も目立った。日韓関係や香港情勢が不安定な中、地方自治体の独自外交の現場の一つが上海だった。

・総領事館で驚かされたのが、日本各地の地方自治体が主催する「地元紹介イベント」だった。一般の中国人を募って日本各地の土地柄や産品を紹介するのだが、筆者が知らない、いったことがない日本各地の情報がとにかう多かった。たとえばこんなキーワードだ。
「玉造温泉 美肌、姫神の湯 1300年前から玉湯川沿岸には約400のソメイヨシノ」(島根県)
「出雲地方の風景と伝統駅な日本庭園・由志園」(島根県)
「瀬戸内海物語 探訪之旅、芸術の島でクルーズ船に直島や豊島、女木島、小豆島のエンジェルロード」(香川県)
「潜水捕魚発祥の地、カキ小屋 修験道の山 沿海に建つ竹崎温泉」

・日本に行く上海人が日本で飲んでいたというのがコンビニの牛乳だ。これは何人もが口をそろえた。中国人は中国の牛乳の質は信用していないが、日本の牛乳は「おいしい」という。どこにいても食事がおいしいことに、年配の中国人は驚いていた。

・30代の上海のキャリアウーマンの独身女性は、父母を初めて日本に連れていった時のことを教えてくれた。父は地元の党幹部、母は医者だったが、既に定年。関西を中心に京都や大阪にも足を伸ばした。「行った先で毎日口にしていたのが卵と牛乳だった」という。日本では味が全然違っていた。また、父がじっと眺めていたのは高速道路の柱だった。「こんなに太い柱で支えているのか」と驚いていた。街のベンチも綺麗だった。ホテルにはトイレットペーパーの予備がある。「どこまでも安心。こんな社会は見たことがない」と話していたという。母は帰りがけにふと「人生を無駄にした」とつぶやいた。「自分と同世代の60代の日本人は、こんなにいい生活をしていたのか。自分たちは文化大革命などで苦労を重ねたのに。若い時、本当は外国にも行きたかったけど、行けなかった」さらに母親は「これまでの自分の苦労や人生は一体何だったのか」と悔しそうに語った。娘はそれを聞いて、返す言葉がなかったという。これは上海の一般家庭の少なからぬ人たちの率直な思いかもしれない。

・撮影スタッフがでかけたのは、天神から博多川にかけて並ぶ屋台だった。足を運ぶと、多くの人が酒盛りをしていた。店に入ってみると「北京から来た」と話す中国人の個人旅行客がいた。こうしたにぎわいも含め「博多らしさを存分に味わえることが魅力になる」と袁さんはいう。福岡市では街が一望でき、韓国人カップルも足を運ぶ福岡タワーやきれいな海の風景が見られる糸島などが注目スポットになっていた。袁さんはこう話した。「上海の人は九州で「癒やし」を求めています。一昔前は、上海から気軽に遊びに行くとすれば行き先は香港でしたが、いずれはそれが福岡や東京になる可能性を秘めているのです。長い目で見れば、ビザの手続きもスマホで手軽にできるようになるかもしれない。実際、一部の国では中国の信用システムの数値が高いと簡単にビザが取れたりもできるようになりつつあります。10年前と比べれば、九州の知名度は中国で格段に上がりました。蘇州や杭州などでも、どこの旅行会社も九州を扱っている。まずフライトがわずか約2時間。上海から北京に行くような値段で行けます」

・「九州の強みは、鉄道やバスなどの交通が圧倒的に便利で、日本の東北や四国よりもずっと動きやすい。規模がコンパクトなので車を運転しなくても移動できる。この規模感がとても快適なんです。この先デジタルが発展すれば、買い物も郵送できるようになって言葉の壁もなくなります。福岡が気に入って「不動産を買いたい」という中国人も周囲に珍しくありません」

・佐賀県の鹿島市にある祐徳稲荷神社などがタイの映画「タイムライン(2014年)」のロケ地になり、その後多くのタイ人が訪れる人気スポットになっていた。周囲はのどかな田園だが、やってくる人はますます国際化してきたという。近くで桜やツツジ、新緑が見られる地域で、シャトルバスは任意で100円という安さだった。中国国内では有名観光地に行けば入場料は100元(約1800円)などもざらなことに慣れている中国人にとってはおそらく信じられない額だ。

・次に向かったのが有田焼の著名な職人の工房だ。入口には5千円を超える高級な器が並ぶ。近年は中国からも客が見せるようになった。工房によると、中国人が足を運ぶようになったのは上海万博があった2010年ごろからだ。それまでは日本市場向けに作っていたが、さまざまな器に関心を示しているのは肌で感じるようになった。「中国人はあずき色の器を即決で買う。10年前は上海の人で、最近は深圳の人が増え、深圳に販売の拠点ができました」という。

・那覇市と県北部を結ぶ幹線道路沿いにある「道の駅かでな」(嘉手納町)。激しいごう音を立てて戦闘機が基地から離陸した。4階の屋上には中国人観光客が押し寄せ、隣接する嘉手納基地の写真を撮影していた。「中国では軍事施設は近づけないので、こんな場所はまず自由に撮影できない」「道の駅かでな」は、米軍のアジア太平洋の重要拠点・嘉手納基地を一望できる唯一の場所だ。沖縄では「安保が見える」とも言われる場所で、報道関係者なども常駐し、離発着する戦闘機の動きに常時目を光らせていた。ここを「スパイ・ビル」と呼ぶ米軍関係者もいるという。基地を抱える負担の重さを伝えようと、中には基地関係の展示スペースもあるが、ここを中国人の団体旅行者が見入っていた。地元住民によると、ここを見に来る中国人は2016年から増えてきた。中国から寄港するクルーズ船の乗客が乗り込むバスツアーの立ち寄り・休憩場所になっている。この建物の出入りは自由で無料。中国人が最も行きたがる行き先の一つになっていた。中国では軍事施設の撮影は禁止されている。ここは中国人にとって、巨大な米軍基地が最も間近で見られる珍しい場所だ。

・2017年に中国人が日本で何を体験したいかを調べた結果、
1グルメ
2買い物
3健康診断
4文化
5声優・アニメ関係
の順でトップは食だった。
2018年9月には日本の美食レストランのリストが発表された。いわば中国版「ミシュランガイド」で、西洋人ではなく中国人が見定めたものだ。そのくらい日本の食への関心は高いという。

・もし日本に投資していくとすればどの地域に注目するのか?
 伝統があって自然豊かな伊豆や箱根のあたりだろう。広くはないがこのあたりなら短時間でかなりいろいろ回れる。日本の豊かな四季は伊豆半島あたりに凝縮されている気がする。九州も中国からのアクセスが良くて悪くはない。だが福岡や九州は規模がコンパクトではあるが「高級路線」という感じとはやや違う。「プチ富裕層」あたりの人たちに適しているのではないか。京都にも関心があって物件は数十見たがどんどん値上がりしている。10年以上前は手頃だったが、ホテルも多くて競争が激しい。これ以外だと、軽井沢や兵庫県の有馬温泉、神戸の六甲山、大分の湯布院あたりが魅力的だ。北海道には既に中国企業から投資もたくさん入って値段は上がっている。東北も悪くはないが、地震のリスクや福島の原発の安全性への懸念が残る。親子連れになると、子どものことを考えて避けがちになってしまうかもしれないので、開発するリスクは若干高い。経済の波を考えると大規模開発は非常にリスクが大きくていい選択とは言えないのではないか。投資しやすいのは比較的小さな旅館だ。文豪とか作家がよく滞在したとなれば価値は上がる。また大都市圏から車で行きやすいことも付加価値になる。

・トイレの変化も早い。都市部を中心に温水洗浄便座などの普及が進むが、ここでも「日本式」の人気は根強い。地方でも習近平氏が推し進めた「トイレ革命」により、仕切りがないかつての「ニイハオトイレ」などは次々に姿を消している。

・日系トイレメーカーの幹部によると、設置の需要は主にホテルや高級集合住宅だ。上海では中心部の新築需要はほぼ一巡したが、近年需要が大きく伸びたのは広東省深圳市だ。中国の有力企業がここに拠点を移しており、学歴や給与水準の高い住民が急増し、それに伴い高級トイレの需要も増えたという。これまでは主に北京や上海、広州といった大都市が需要の中心だったが、内陸部にも広がっている。

・最近ではビッグデータやインターネットを活用した公衆トイレである「スマートトイレ」も各地で出始めた。中国メディアによると、利用者数や使用頻度んデータを集積し、掃除すべき時間を担当者に通知したり、悪臭が一定の基準値を超えると自動的に換気して清潔な空気を保ったりするシステムも備えたものまで登場している。

・中国は世界最大規模のゲーム天国だ。幾多のあらたなゲームが日々生み出され、上海ではゲームのスポーツeスポーツも盛んだ。上海はeスポーツの世界の中心都市を目指しており、大規模な大会が頻繁に開かれている。チャイナジョイといった娯楽がテーマの展示会には巨大なゲーム展示場もあり、そこにはいつも人だかりができていた。

・eスポーツは酒を飲んだり、ゴルフをしたりするより安い。若者にとっては最も安い娯楽だと言っていい。この分野は親の世代からはあまり好ましく思われていないが、その抑圧感がさらに発展の原動力になった面もある。

・中国は歴史的に兵士家の孫氏を生んだ国で、総じて戦略を研究するのが得意だ。策略を立て、組織で行動する。この点では中国人は絶対に他国に負けない。またゲーム人口もとてつもなく大きい。そしてデジタル分野で発展した上海はeスポーツには最も適した都市だ。環境も整っている。政府もeスポーツの発展を後押ししている。選手の収入は増えており、トップ選手だと年収は1億円を超えるという。次第にサッカーやバスケットボールのプロ選手のレベルに近づいている。

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本当に頭のいい子を育てる世界標準の勉強法(茂木健一郎)という本はとてもオススメ!

2022年04月20日 01時00分00秒 | 

 

 「本当に頭のいい子を育てる世界標準の勉強法」という本は脳科学者の茂木健一郎さんが著者で、これからAIが仕事を代替する時代になると、自分の頭で考える力がより重要のため、たとえば京都市の公立の堀川高校や開成高校等が実践している、自ら興味を持つことに関する探究学習がかなり有効ということについて書かれたものです♪

 その他にも家庭で実践すべき良いことや、自頭力をつけるための探究心や続ける力(グリット)、集中力、記憶力、思考力の鍛え方についても分かりやすく説明があり素晴らしい内容となっています♪

以下が本書のポイントですね♪

「本当に頭のいい子を育てる世界標準の勉強法」という本は子育ての参考になりとてもオススメです!

・多くの研究者は子供の頃に昆虫採集に熱中する

・探究することは脳の基礎体力を養う

・探究学習は休む時は徹底的に何もせずに過ごす

・探究学習の成果を自分で振り返って検証したり、批評したりすることも大切

・世間から見れば価値がない、意味がないことのように思えても、自分で工夫し想像し、価値基準を決めてそれに没入・熱中できる人は、それだけで何かを成し遂げる素質がある

・探究学習によって学習を効率化する脳の回路が働き、結果的には短期間で受験科目を伸ばすことができる

・親が子供の話を聞くことは、親に受け入れられているという安心感を得て、論理的に話す訓練となり、会話量は親1・子供2が適切

・親は子供に対して機嫌よくしゃべり出せるよう5W1Hでの質問役、相談役に徹すること

・世界経済フォーラムによると今後重要なスキルは複雑な問題解決力・クリティカルシンキング・創造力・マネジメント力・人間関係調整力

・日本語力・英語力・プログラミング力が必要

・プログラミングの知識があるからこそ地に足のついた実現可能なアイディアを生むことができる

・子供が何かに興味を持ったら、口出ししたい気持ちをぐっと我慢して見守り、応援するだけである

・応援するときに大事なことは「世界は広いし、すごい人がたくさんいる」ということをなるべく早いうちから教えてあげること。

・常に「その分野のトップレベルのもの、人」を見せてあげることも大事

・またできるだけバックグラウンドの違ういろんな人に会う機会をつくってあげるのも大人の役割

・親が「~しなさい!」といえばいうほど、子どものやる気はどんどん奪われていく

・子どもの自主性を育むためには、自分の時間の使い方を自分で判断させることが大事

・子どものことは見守りつつも野放しであるほうが良い

・学術誌「ソーシャル・サイエンス・リサーチ」の調査によると16歳の時点で家に紙の本が何冊あったかが大人になってからの読み書き能力・数学の基礎知識・ITスキルの高さに比例する

・大切なのは、子どもたちが親や他の人たちが本に囲まれていて、よく本を読んでいる様子を目にすること

・夢中になれるものを見つけ、熱中し、達成感を得ること。その対象は人それぞれだが、この経験を何度も繰り返すこと。

・成功するかどうかは、才能でも知能の高さでもなく情熱を持って何かを継続する力であるグリットが重要

・知能は生まれつき固定されたものではなく、後天性のもので努力を重ねることによって変えることができるもの知ることが大切

・集中力は筋トレと同じように、使えば使うほど鍛えられる

・自分の作業に、制限時間を設けることが大切

・瞬間的に集中できることが大切

・細切れ時間を使って勉強することが大切

・五感を総動員して記憶すると記憶が定着しやすい

・何度も反復して記憶したものは長期記憶として定着する

・朝は脳がクリアな状態であり、新しい記憶を収納するのに適している

・読書に関する回路が強化されると、発想力や論理的思考力、コミュニケーション能力、文章力が身につき自頭の良い人になれる

・読書はコミュニケーション能力も向上する

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「冷やしとひと塩で魚はグッとうまくなる(サスエ前田魚店5代目 前田尚毅)」という本はとてもオススメ!

2022年04月19日 01時00分00秒 | 

 

 「冷やしとひと塩で魚はグッとうまくなる」という本は、静岡県焼津市でサスエ前田魚店の5代目として活躍する前田尚毅氏が著者で、その題名の通り、魚を美味しくするためには、魚への「冷やし」と「ひと塩」が重要で、その理由ややり方を分かりやすく説明し、その他にも以下の魚介の美味しい魚の見分け方をカラー写真付きで分かりやすく説明したものとなります♪

・アジ(ヒレが黄色いもの。尾びれ付近が厚み、目の輝き)
・サバ(緑色が鮮やかで艶があり柄がはっきり見える)
・イワシ(顔やヒレが黄色っぽく体に厚み。血でにじんでいるのはNG)
・サンマ(おでこが盛り上がる。くちばしや尾の付け根が黄色)
・ブリ(ヒレが黄色で体の青色が鮮やか。身に脂が乗った白いもの)
・カンパチ(体が丸く身に張りがあるもの。天然で身が赤いものは脂が少なくNG)
・カレイ(身に厚みがあり身が透明なもの。腹側が綺麗な白色のもの。子持ちは卵の詰まりが良いもの)
・ヒラメ(大きくて分厚いもの。腹側が白く美しいもの。
・鯛(顔が小さくて体が丸いもの。鮮やかで赤い切り身。天然の身に白い脂が入っているもの)
・甘鯛(赤く鮮やかで分厚い。お腹のまわりに張りがあるもの)
・金目鯛(目が小さくアゴが出ていないもの。鮮やかで艶のある赤色で腹の部分が丸いもの
・マグロ(皮側ができるだけ白く脂が乗っているもの。赤身は身の色が澄んだ赤色)
・カツオ(身が澄んだ赤色)
・サケ(澄んだオレンジ色の身)
・イクラ(粒が張りすぎているのはNG)
・エビ(頭が黒いものはNG。しっかりと殻に身が詰まり殻離れの悪いもの)
・カニ(身がしっかり詰まった重いもの。赤い色がしっかり出て殻や甲羅が汚いもの)
・イカ(目が澄んでいるもの。身の透明度が高いもの)
・タコ(足は太くて短いもの。切断面の線維が細かいもの)
・シジミ・アサリ(黄色いシジミは肝臓に良い。口が開いていないもの)
・サザエ(貝のトゲが多くて大きいもの)
・ウニ(身の端がしっかりした色鮮やかなもの)
・カキ(殻が真っ直ぐで扇形。くの字や細長いものは栄養が足りていない。身がぷっくりしたもの)
・ホタテ(産卵前の内臓が小さいもの。柱は大きく張りがあるもの)

 また、このサスエ前田魚店では、ゴマ付きの天日干しの干物も名物なようで、今後ぜひ購入して頂いてみたいと思いましたね♪

 それから超一流の料理人にも魚を卸しているようで、それら有名店として以下があるようで、それらのお店にもぜひ行ってみたいと思いましたね♪
・てんぷら成生(なるせ)の志村剛生氏
・レストラン カンテサンスの岸田周三シェフ
・傳の長谷川在祐氏
・NARISAWAの成澤由浩シェフ
・星のや東京ダイニングの浜田統之シェフ
・日本人として初めてフランス本国ミシュラインガイドで三つ星獲得の小林圭氏
・鮨よしたけ

「冷やしとひと塩で魚はグッとうまくなる」という本は、美味しく魚を食べる方法や美味しい魚の選び方などについて分かりやすくとてもオススメです!

以下は本書のポイント等です♪

・駿河湾は日本で一番深い湾です。最も深い場所で水深は約2500メートル。起伏に富んだ海底地形のおかげで生物に多様性が生まれ、棲んでいる魚は約1000種類以上といわれています。天然の生け簀と呼べる豊穣の海なのです。金目鯛や桜エビ、カツオ、甘鯛などが名物と知られています。運が良いことに、私は幼い頃からこの生け簀で捕れる魚たちと戯れてきました。実家はサスエ前田魚店(うおてん)という魚屋で私で5代目になります。そんな家業ですから、祖父母の背中でおんぶしてもらいながら、おやつ代わりに甘エビを口に放り込んでもらったり。あるいは捕れたばかりでこれ以上ないという鮮度のカツオが毎日のように食卓に並んでいたり。これらがいかに特別な環境かは、後年、社会に出てから知ることになりますが、お陰で本当に美味しい魚の味とはどんなものかという感覚だけは、ひと一倍鋭敏に育ってきたように思います。

・魚にとって快適な温度に冷やしてあげる。スピーディにさばいてあげる。空気に触れない状態にしてあげる。突き詰めていえばそれだけで充分です。

・刺身で魚の旨味を感じやすいのは5℃~15℃くらいの状態です。その温度帯の刺身は、口に入れた瞬間に脂がとけて広がり、噛みしめるほどに魚本来の風味がふわりと鼻を抜けていきます。それはまるで、閉じていたワインの香りが適温になるとともに、ふわっと広がるさまにも似ています。つまり、低温帯が魚肉にとっては快適というわけです。

・一方で、冷蔵庫から出されてしまうと、おそらく魚の身は大ヤケドするような熱さを感じているでしょう。20℃~30℃の常温にさらされた瞬間、魚たちの筋肉や細胞は壊れ始めてしまいます。実は魚肉にかかるストレスは凄まじいのです。

・がっちり冷やされた魚は、横にして持ち上げても身がピンと伸びたままになります。また冷やしを徹底した鯛の身は通常の鯛と比べて青白い透明感があります。

・私は空輸で24時間ほどかかる香港のミシュラン星付き寿司店に魚を卸しています。一流ホテル内にお店があるため衛生管理が徹底されており、「5℃~7℃」に冷えた状態の魚でないと館内に運び入れることができません。そこに私たちはクール便などを使わず普通便で魚を送っています。ポイントは「空気をなくす」ことです。そういった到着に時間がかかるような離れた場所へ魚を送る際には、新聞やキッチンペーパーと言った紙材をぴったりと隙間なく詰めるなどして、発泡スチロールの箱の中の空気量を徹底的に減らさなければなりません。
・さらに水が出ないよう袋詰めした氷袋の中も、空気が少なくなるように工夫して箱詰めを行わなければなりません。なぜ空気量を減らすのかというと、箱の中の空気が外気温に近づいてしまうと、袋の中の水が溶けやすくなるなど、温度を上げる原因となってしまいます。逆に空気が少なければ氷も溶けにくくなるため低い温度を何時間も保つことができるのです。

・スーパーで買い物をする際、ビニール製の買い物袋やエコバッグを使って持ち帰る人が多いと思います。しかしその袋の口が空いたままの状態では、外の空気が袋の中に入り、いくら氷や保冷剤を入れても袋の中の空気がそれを溶かしてしまうので魚はどんどん温められてしまいます。ですから、空いた部分が少なくなるように買った物を隙間なく積んでみましょう。それだけで刺身の味が今までより美味しくなるはずです。

・また最近では保冷バッグを使う人がいますが、やはり空気が多い状態では中の温度を保つことは難しい。なので袋の場合はしっかりと口を閉じ、外から押すなどして空気をできるだけ抜く。保冷バッグも同様に、中の空気をできるだけ少なくすることで、より低い温度を保つことができるようになるでしょう。空気が入らないよう、最後はギュッと袋を結びましょう。

・さらに袋に入れた氷を使う際にも、袋の中の空気を抜くことが大切です。氷と氷の間に空気があることで氷はすぐに溶けてしまいます。そんなときは袋をポンポンと軽く叩き、中の空気をできるだけ抜いて口を閉じるだけで氷は長持ちしてくれます。

・海水を凍らせたジュレ状の氷(塩分濃度が落ちず、一瞬で冷やすことで魚を傷めない氷)を使って冷やすなど、この「冷やし」への追求は今でも試行錯誤を重ねています。

・魚に含まれる水分は、十分に冷やされた状態でないと、細胞膜を破ってドリップとして流れ出てしまいます。これは臭いや腐敗の原因になったり旨味を逃してしまう原因にもなります。

・一方、「ひと塩」による脱水締めの場合は、浸透圧の力が働き、細胞は壊れることなく、水分だけが体表ににじみ出てきます。このとき、余計な水分が魚に残ったままだと、それが生臭さや腐敗の原因になってしまいますが、その水分を脱水してあげることで、臭みが一切なくなり、なおかつモチモチの食感に変えることができます。

・私が現在、脱水締めに使用しているのは「ピンクソルト」などと言われるヒマラヤ岩塩です。このヒマラヤ岩塩は、静岡の業者さんが扱う「手堀り」のものを使用しています。この塩の粒子はミリ単位で均一に削られており、「これぞ」という感触のものを選ばせてもらっています。また塩を振るためにバットに入れておく際の量も、湿気を吸ってしまわない適量に制限するなど、店での扱い方にも気をつけています。

・ひと塩のやり方は簡単なのでぜひ一度お試しください。
1まずは魚に「ひと塩」して15分ほど置いておきます。(サク1本あたり表裏それぞれ塩3~5つまみ)  
2すると水分が浮き上がってくるので、ふきんなどで綺麗に拭き取り脱水してあげます
3次にラップをかけずに15分ほおど冷蔵庫で冷やします。
4冷やし終わったら少し湿らせたふきんなどで表面についた余分な塩を軽く拭き取る
5後はラップをかけて冷やしておけば、いつでも刺身として食べられます。

<一般の家庭でもできる脱水の方法>
1まな板全体に缶や茶こしを使って均一に塩を振る
2振り塩したまな板に魚を載せたら、1と同じ方法で振り塩をする
3まな板を傾けて約15分、水分を抜く
4適量の水分が抜けたら、ふきんなどで表面の塩、水分を拭き取る
5皿にラップを敷いてその上に魚を載せ、冷蔵庫で15分以上冷やす。2時間以内にラップをかける
※キッチンペーパーは水分を吸いすぎるので使わない方がベター
※夏場の暑さや暖房などで脱水中に魚が乾かないよう注意する

・魚を選ぶ際は、頭の部分は体の大きさに対して小さい頭で、小さい目をしている。そういう小顔の魚を選びます。それはエサを探すのに苦労せず育ち、体に栄養が行き届いているからです。

・そのほかに体の色でも明らかに差が現れます。たとえば青物はヒレが黄色い方がいい。そして体は白っぽい井ものが栄養のとれたいい魚と言えるでしょう。

・肛門から尾ビレの辺りが張っている魚も脂があります。この部分が張っているというのは、たくさん食べて消化している証拠。逆に栄養が足りない魚はここがへこんでしまっていて全体にも脂が乗っていないのです。

・群れの中で一番美味しい可能性が高いのが先頭を泳ぐアジなのです。天敵とばったり出会ってしまう可能性も高いですが、同時に群れの中で最初に食事を見つけて頂くことができます。だから一番栄養が豊富なおいしいエサを選んで食べて、育っていきます。すると発育が良く、立派に成長して泳ぎも速くなる。そうして常に群れの先頭を泳いでいられる唯一無二の個体になっていくわけです。ですから私は市場の競りで先頭を泳ぐアジを必ず仕入れるように努めています。この先頭アジを魚屋と料理人がきちんと仕立てると、アジとは思えない芳醇で濃厚な味わいを引き出すことができるのです。

・魚の状態を見れば、鮮度も大体分かります。最も分かりやすいポイントはヒレ先です。もしヒレ先がパサついて白くなってきていたり、血がにじんでうっ血して赤くなっていたりすると鮮度が落ち始めている証拠です。逆にヒレ先が湿ってツヤツヤしており、キレイな発色をしている状態であれば、鮮度が良い状態です。

・ヒレやウロコにあるぬめりは、乾燥から身を守るために粘膜で覆われているということ。つまり締められてから時間が経っておらず、鮮度が高いという証拠なのです。

・そのほかには目も鮮度の良し悪しが分かる大切なポイントです。目が白く濁ってボケているものは状態が悪い証拠。透明度の高い澄んだ目をした魚を購入しましょう。また目の1点のみが白い場合は逆にしっかり冷やされた個体です。黒目の部分が極めて小さくなりギョッとした表情になっている個体も避けたほうが無難。苦しみながら締められて食味が落ちている可能性があります。

・魚を触って身にしっかりと弾力があるものはいい魚で、柔らかいものは悪い魚です。冷やしが不十分の魚は時間が経つと細胞が壊れて身がゆるくなり、水っぽくなってしまいます。

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どん底サラリーマンが株式投資で2億円(DokGen)という本はとてもオススメ!

2022年03月10日 01時00分00秒 | 

 

 離婚し父子家庭となった著者が全財産90万円から年収400万円で年200万円貯蓄し4年で1000万円を貯め、株式投資で2億円以上達成するもライブドアショック、リーマンショック、東日本大震災で半値以下になりつつも再度資産2億円達成の内容を明らかにしたもの♪

とてもオススメです!

以下要点となります♪


・労働者は株式投資で資本家を目指すべき
・これぞと思う銘柄を長期投資し大きなリターンを得るべき
・お金を貯めるには住居費(月収15%以内)・食費(月3万円程度)・被服費(ユニクロ活用)・クリーニング代・その他水道光熱通信等固定費を抑えるべき
・以下の手順を実施
 1徹底した節約で軍資金1千万円を貯める
 2信用取引を活用したハイリスク投資である程度増やす
 3 集中&超長期保有のほっとけ投資 
・億単位の資産を築くなら+10%〜20%の程度の利益確定はせずテンバガーを目指す
・ほっとけ投資は以下の4つの銘柄選定基準
 1知っている会社
 2たぶん倒産しない会社
 3割安な会社
 4小さな会社
・投資ステージによってはあえて銘柄数を絞った集中投資も必要
・信用取引は有効でリスクは伴うがリスクなくして資産1億円を超えるようなリターンは期待できない
・サラリーマン投資家としては以下の3S+1が大事
 1借金をしない
 2スタディ(勉強)をする
 3仕事を頑張る
 4働く伴侶を娶る
・若くして数千万円もの住宅ローンを背負うことはご法度
・筋トレによる健康は株式投資にプラス
・死ぬまでに叶えるリストを作り実行することは大切 

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仕事と人生に効く教養としての映画(伊藤弘了)という本はとてもオススメ!

2022年02月05日 01時00分00秒 | 

 

 「仕事と人生に効く教養としての映画」という本は、映画研究者・批評家である著者が、映画に関する以下について分かりやすく説明したもので、映画好きや映画初心者にとってとても楽しめる内容で、そしてこれからの映画鑑賞にとても役立つ内容でした♪

第1講:映画の5大効用
 1 感情の起伏を経験し内省を深める
 2 他人の人生を疑似体験
 3 異文化に触れ、お洒落になれる
 4 知識を身につける
 5 人間としての魅力が増す
第2講:世界や日本の映画史や映画の知識
第3講:世界で評価される日本の古典映画(黒澤・溝口・小津・成瀬監督など)
第4講:具体的な小津監督の「東京物語」の解説・分析、
第5講:是枝監督の「海街dary」の家族のあり方などの解説・分析
第6講:ヒッチコック作品などの映画のトリック
第7講:映画ボヘミアン・ラプソディを分析し、人の心を動かす映像戦略を解説
最終講:鑑賞記録やアウトプット等

 また、その他にも以下の各映画の紹介もあり、これからぜひ観てみたいと思いましたね♪

<訪れる前に観たい海外のレジェンド映画(観ておくと現地の方と会話が弾むはず)>
・カサブランカ(アメリカ1942年)
・天井桟敷の人々(フランス1945年)
・ベニスに死す(イタリア1971年)
・嘆きの天使(ドイツ1930年)
・戦艦ポチョムキン(ロシア1925年)
・第三の男(イギリス1949年)
・ダンサー・イン・ザ・ダーク(デンマーク2000年)
・大地のうた(インド1955年)
・第七の封印(スウェーデン1957年)
・灰とダイヤモンド(ポーランド1958年)
・ドラゴン危機一髪(香港1971年)
・霧の中の風景(ギリシア1988年)
・非情都市(台湾1989年)
・さらば、わが愛/覇王別姫(中国1993年)
・桜桃の味(イラン1997年)
・嘆きのピエタ(韓国2012年)

<あなたの感性を刺激するオシャレな映画12選>
・浪華悲歌1936年
・ギルダ1946年
・ローラ1961年
・去年マリエンバートで1961年
・西陣1961年
・ひなぎく1966年
・エル・トポ1970年
・ツィゴイネルワイゼン1980年
・セラフィータの日記1982年
・恐怖分子1986年
・汚れた血1986年
・百年恋歌2005年

<黒澤明監督作品入門8選>
・羅生門1950年
・生きる1952年
・七人の侍1954年
・隠し砦の三悪人1958年
・悪い奴ほどよく眠る1960年
・用心棒1961年
・天国と地獄1963年
・赤ひげ1965年
※その他に椿三十郎1962年もオススメとのこと

<溝口健二監督作品のオススメ>
・西鶴一代女1952年 ヴェネツィア国際映画祭受賞
・雨月物語1953年 ヴェネツィア国際映画祭受賞
・山椒大夫1954年 ヴェネツィア国際映画祭受賞
・近松物語1954年
・お遊さま1951年

<世界と日本の名作映画111選>
1910年代:<世界>国民の創世(1915年)

1920年代:
<世界>キートンの探偵学入門(1924年)、メトロポリス(1927年)、アンダルシアの犬(1929年)、カメラを持った男(1929年)
<日本>雄呂血(1925年)、狂った一頁(1926年)、忠次旅日記(1927年)

1930年代:
<世界>或る夜の出来事(1934年)、モダン・タイムス(1936年)、赤ちゃん教育(1938年)、ゲームの規則(1939年)、駅馬車(1939年)、風と共に去りぬ(1939年)
<日本>何が彼女をそうさせたか(1930年)、マダムと女房(1931年)、有りがたうさん(1936年)、人情紙風船(1937年)

1940年代:
<世界>ファンタジア(1940年)、市民ケーン(1941年)、マルタの鷹(1941年)、戦火のかなた(1946年)、忘れじの面影(1948年)
<日本>ハワイ・マレー沖海戦(1942年)、くまとちゅうりっぷ(1943年)、桃太郎 海の新兵(1945年)、青い山脈(1949年)

1950年代:
<世界>サンセット大通り(1950年)、雨に唄えば(1952年)、ローマの休日(1953年)、理由なき反抗(1955年)、抵抗-死刑囚は逃げた(1956年)、十二人の怒れる男(1957年)、めまい(1958年)、大人は判ってくれない(1959年)
<日本>東京物語(1953年)、雨月物語(1953年)、七人の侍(1954年)、二十四の瞳(1954年)、ゴジラ(1954年)、浮雲(1955年)、幕末太陽傳(1957年)、無法松の一生(1958年)、白蛇伝(1958年)

1960年代:
<世界>勝手にしやがれ(1960年)、アラビアのロレンス(1962年)、8 1/2(1963年)、高野の用心棒(1964年)、2001年宇宙の旅(1968年)、イージー・ライダー(1969年)
<日本>飢餓海峡(1965年)、兵隊やくざ(1965年)、893愚連隊(1966年)、日本のいちばん長い日(1967年)、日本解放戦線 三里塚の夏(1968年)

1970年代:
<世界>ゴッドファーザー(1972年)、惑星ソラリス(1972年)、タクシードライバー(1976年)、アニー・ホール(1977年)
<日本>仁義なき戦い(1973年)、丸秘色情めす市場(1974年)、新幹線大爆破(1975年)、犬神家の一族(1976年)、幸福の黄色いハンカチ(1977年)、太陽を盗んだ男(1979年)、赤い髪の女(1979年)

1980年代:
<世界>緑の光線(1986年)、ラストエンペラー(1987年)、ベルリン・天使の詩(1987年)、ニュー・シネマ・パラダイス(1988年)
<日本>泥の河(1981年)、戦場のメリークリスマス(1983年)、家族ゲーム(1983年)、台風クラブ(1985年)、タンポポ(1985年)、海と毒薬(1986年)、ゆきゆきて、神軍(1987年)

1990年代:
<世界>牿嶺街少年殺人事件(1991年)、シンドラーのリスト(1973年)、日の名残り(1993年)、パルプ・フィクション(1994年)、ショーシャンクの空に(1994年)、トレインスポッティング(1996年)、ライフ・イズ・ビューティフル(1997年)、タイタニック(1997年)
<日本>阿賀に生きる(1992年)、青春デンデケデケデケ(1992年)、ソナチネ(1993年)、Shall we ダンス?(1996年)、うなぎ(1997年)、もののけ姫(1997年)、CURE(1997年)

2000年代:
<世界>メメント(2000年)、アメリ(2001年)、エルミタージュ幻想(2002年)、ロスト・イン・トランスレーション(2003年)、善き人のためのソナタ(2006年)
<日本>リリイ・シュシュのすべて(2001年)、ハッシュ!(2001年)、誰も知らない(2004年)、殯の森(2007年)、秒速5センチメートル(2007年)、PASSION(2008年)、愛のむきだし(2009年)

2010年代~:
<世界>トイ・ストーリー3(2010年)、ドライヴ(2011年)、パターソン(2016年)
<日本>桐島、部活やめるってよ(2012年)、溺れるナイフ(2016年)、息の跡(2016年)、大和(カリフォルニア)(2018年)

「仕事と人生に効く教養としての映画」という本は、映画に関する歴史や知識だけでなく具体的な映画の分析、オススメ映画などもふんだんにありとてもオススメです!

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人生と財産 私の財産告白(本田静六)という本はとてもオススメ!

2022年02月03日 01時00分00秒 | 

 

 「人生と財産 私の財産告白」という本は、日本の林学者で造園家、株式投資家で、日本の公園の父と言われる本田静六氏(1866年~1952年)が1950年に85歳の時に以下の3つについて発行したものとなります。

・私の財産告白
・私の体験社会学
・人生設計の秘訣

 特に月給4分の1天引き貯金を元手に投資で巨万の富を築いたことは今でも通じる内容ですし、体験社会学や人生設計の秘訣も著者の失敗談を踏まえながら、以下のことなどが書かれ、現代でもより良い人生のヒントになると思います♪

・家計簿をつけることは大切
・本職以外で文章執筆はその後の著作に役立つ
・株式投資は2割利食い、10割益半分手放し
・好景気時代には勤倹貯蓄を、不景気時代には思い切った投資
・個人間の金銭貸借はNG
・失敗は人生の必須科目で、良い経験として次に活かすことが大切
・事業は儲からなければならない
・自分の実力に合った地位は引き受けるべき
・上長は責任を負い、部下に仕事は一任すべき
・部下の名前は必ず覚える
・長所を褒める
・人生計画は重要
・好意の忠告や指摘は不要
・本業以外のことでも積極的に見聞すべき
・失意の時こそ修養の工夫をし知識を養うべき

人生と財産 私の財産告白という本は、より良い人生のヒントになりとてもオススメです!

以下は本書のポイント等です♪

・ドイツのブレンタノ博士はこういうことをいわれた。「財産を作ることの根幹は、やはり勤倹貯蓄だ。これなしには、どんなに小さくとも、財産と名のつくほどのものはこしらえられない。さて、その貯金がある程度の額に達したら、他の有利な事業に投資するがよい。貯金を貯金のままにしておいては知れたものである。それには、今の日本では-明治20年代-第一に幹線鉄道と安い土地や山林に投資するがよい。幹線鉄道は将来支線の伸びる毎に利益を増やすことになろうし、また現在交通不便な山奥にある山林は、世の進歩と友に、鉄道や国道県道が拓けて、都会地に近い山林と同じ価格になるに相違ない。現にドイツの富豪貴族の多くは、けっして勤倹貯蓄ばかりでその富を得たものではない。こうした投資法によって国家社会の発展の大勢を利用したものである」そこで私はまず4分の1天引き貯金の断行をし、それからこのブレンタノ博士の貨殖訓をおもむろに実行に移すことにした。

・こういう風にして私の4分の1天引き貯金生活は始められた。2,3年たつと預けた金の利子が毎年入ってくる。これは通常収入になるので、その4分の3は生活費に回すことができる。つまり月給と利子との共稼ぎになるので、天引き生活はいよいよ楽に続けられることになってきた。

・天引き貯金によって相当にまとまることになった資金で、最初にまず、ブレンタノ博士の仰せに従って日本鉄道株(上野青森間-私鉄時代)を買い入れた。確か12円50銭払込のもの30株だったと記憶するが、それがまもなく300株に増えた時、払込の2倍半で政府買い上げとなった。年々1割の配当を受けつつ私の貯金の一部が早くもここに、3万7500円(昭和25年当時で約1億4千万円の価値)となったわけである。続いて私はそのお金で、今度は秩父の山奥の山林買収に着手した。ところへ、日露戦争後の好景気時代がやって来た。木材の思わぬ大値上がりで、しかも漸次搬出の便宜もととのえられてきた。そこで、その立木だけを1町歩280円ずつで一部を売ることにした。まさに買値の70倍である。これで昨日までのすかんぴん本多が一躍成金になったというわけ。ある年のごときは年収28万円(昭和25年当時で約10億円の価値)で、当時のおける東京都新宿区の一地区の税務署管内のナンバーワンにまで出世したのである。

・皆さんにも、貯金を作る生活は、まず、家計簿をつける生活から始まらねばならぬことを特に力説しておきたい。

・勤労生活者が金を作るには、単なる消費面の節約といった、消極策ばかりでは十分ではない。本職に差し支えない限り、否本職の足しになり、勉強になる事柄を選んで、本職以外のアルバイトに努めることである。私のアルバイトは、「1日に1ページ」の文章執筆の「行(ぎょう)」によって始められた。それは満25歳の9月から実行に入ったことで、私は4分の1貯金の開始とともに1日1ページ分(32文字詰め14行)以上の文章、それも著述原稿として印刷価値のあるものを毎日必ず書き続け、第一期目標50歳に及ぼうというものであった。これには、貯金と同じようにあくまでも忍耐と継続とが大切で、最初はずいぶん苦しかったが、断然やり抜いた。
・ところが42歳の時、腸チフスにかかって赤十字病院へ入り、38日間この「行」を休まされて閉まったので、それを取り返すために1日3ページ分ずつに改め、退院の翌日から再び馬力をかけた。そうしてこれがいつしか新しい習いとなり、1日3ページ分、すなわち1年千ページというのが知らず知らずの中に第二のと力めになってしまった。もう第一期限の50歳はとうに過ぎ去ったが、85歳の今もってこのアルバイトを続けているので、詰まらぬ本も覆いながら、中小370余冊の著書を生み出すことができたのである。

・まず株式の話から始めるとすると、「2割利食い、10割益半分手放し」という法で押し通した。

・投資戦に必ず勝利を収めようと思う人は、いつも、静かに景気の循環を洞察して、好景気時代には勤倹貯蓄を、不景気時代には思い切った投資を時期を逸せず巧みに繰り返すよう私はおすすめする。

・私はいかなる場合にも、金銭の貸借融通などはいっさい銀行またはしかるべき正式機関を対手にし、親族知友間にはすべてこれを行わない方がよいと考える。万一のっぴきならぬ申し込みを受けた場合でも、その事情におり、頼まれた金額の幾分にのしをつけて進呈してしまうに越したことはなく、けっして証文をとり、返してもらうつもりで融通してはならないと思う。

・本多龍の致富奥義は、しごく平凡だ。誰にもやれる。また誰にもやってもらいたいと思う。
第一に、常に、収入の4分の1を天引き貯金すること
第二に、いくらか貯まったところで、巧みに投資に回すこと
第三に、無理をしないで最善をつくし、辛抱強く時節の到来を待つこと

・失敗は人生の必須科目だ。総じて世の中のことは、一から十まで何事もうまくいくものではない。ちょっとした出来心の気張り方で大成功を収めることもあるし、また小心翼々として長年苦心を続けてきたものがついに失敗に終わることもある。金を儲けるのも、大損を招くのもまた同じことで、要するに、やれるだけのことをやって来たのなら、その結果についてそうそういつまでも悔やむことはない。問題はそれを「よい経験」として次の仕事に活かしていくことである。

・渋沢栄一さんはよくこう言っていた。「事業というものは、儲かるものでなければ成り立たない。儲からなくてただ有意義だというのでは、結局長続きしないで、せっかくの有意義が有意義でなくなる。儲かる上に有意義ならなおさら結構だが、なんとしてもまず事業は儲かることが先決問題だ。しかし、この儲けを独り占めにしようなどと企てては結局失敗である。儲けるのはみんなで儲けなければならぬ。またみんなで儲かるようなものでなければ、いい事業、いい会社にはならない」

・渋沢栄一さんは、あれだけの地位、あれだけの声望があったのだから、自分で大儲けしようとすればいくらでも大儲けの機会はあったのであろうが、あえてそれを利用されることがなかった。関係者から有利な会社だとみられると、発起人としての渋沢さんの持株が、いつの間にかみんなに持っていかれ、どうも芳しくないとみられると、渋沢さんの持株が意外に多く残るという有様であった。「株の奪い合いが出てくるほどなら、会社のためにいいことだ。わしが儲けなければ、それだけ他の人が儲けてくれる。誰が儲けても事業の功德、会社の功德と申すものだ」と渋沢さんはいつも笑っていた。

・私は今更ながら「私の体験社会学」として力説したい。それは、いかなる場合、いかなる職務でも、自分自身にその実力さえあれば、与えられた当然の地位は敢然と引き受けるべしということである。つまらぬ儒教流の古いこだわりを捨て、聖人君子を志さない限りは、仕事の上で決して無用な謙遜などしてはいけない。遠慮なく進んで、できるだけ自分で満足のいく位置を確保すべきである。

・上長が部下に対し、責任はわしが負う。しかし仕事は君らに一任する。何でも思う存分やってみたまえ、という風に出ると、かえって彼ら自身に責任を感じ、自発的にいろいろ創意をこらすばかりでなく、大事な所は大事をとって、一々相談を持ちかけて来る。したがって何事にも大過はない。しかもみんなは、それを「自分の仕事」としていっそう打ち込んでかかるのだから、かえって、その官庁なり会社なりの仕事は、活気に満ち、能率も大いに上がってくるものである。

・人をよく使うには、その人の性格(長所と欠点)をよく呑み込まねばならない。大勢の部下があると、なかなかその姓名さえ充分に覚えにくいものであるが、正しく、早く、その名前を覚えると同様に、その人物についても巨細に知悉するところがなければならない。人間は誰でも、持って生まれた特長が何かある。それゆえ、上長たるものは、部下についてその特長を発見するにつとめ、機会あるごとにまずその長所を褒め、しかるのち、ほんの添え物程度に、もし欠点があれば、その欠点を指摘し、矯正するように注意してやることである。上役が自分の長所を認めていてくれると知れば、誰しも悪い気持ちのしないのが人情である。その部下はどんなにも、日常の仕事に張り合いを感ずるかもしれない。そうして、それとなく注意せられた欠点の矯正にも、素直な受け入れ方をして本気に努力するものである。

・私は努力主義の人生観を押し通してきた建前から、部下の仕事ぶりなどをみて、表面的に華々しい能率を上げることよりも、むしろ、営々として、縁の下の力持ちを続ける人を多とし、できるだけその労に報いるにつとめてきたが、いずれの社会でもそうした人々の働きが見落とされがちなので、上に立つ者は、怠らず常に、何事にも裏の裏まで見透かしていることが大切である。

・人を使うのには、人の名前を、早く、正しく覚え込むことといったが、これはなんでもないことのようで、極めて大切なことである。

・若い人々に何かを頼む場合、無理にならない程度に、必ずその人の地位や力量に比して、少し上のものを選ぶようにし、「これはちょっと重要なことだナ、しかしおれにだって大丈夫できるぞ」といった気持ちになれるものを、適材適時に与えるようにした。そうして丁寧にその内容を説明し、やり方を指示したうえ、本人の腹案を聞き、適度の追求を行って、「ではよろしく」と懇切に頼むことにしてきたのである。ところで、こうした命ぜられた仕事は誰しもいささか誇りを持ち、かつ責任を感じ、必ずこれを完成しようとベストを尽くす。しかも、その結果は概して良好であるのを例とする。そうして私は、こうして出来上がった仕事に対して、あくまでも親切に再検討を加え、創意の程度によっては、いつも部下の名前でこれを発表し、学業または事業上の名誉をその人に得させるように心掛けてきたのである。

・部下の心を自分につなぐことは、何かの頼まれごとや約束を、忘れずに必ず実行することなど最も有力な手だ。私はこのために手帳を用意して、一々克明にメモをとっておいたのだが、頼んでいた方で忘れているような些細なことでも、このメモのおかげでこちらは忘れずに必ず実現したので、「うちのオヤジはこんなことまで覚えていてくれるのか」と馬鹿に評判をよくしたものである。

・賞賛は春の雨のごとく、叱責は秋の霜の如しである。褒めることは人を生き返らせ、伸び伸びとさせるが、小言はどうも人を傷つけ、萎縮させることが多い。だから小言を人に言う場合も、称揚することを8分、注意することを2分、といった程度に心を用いるとかえって効果があるようである。子どものしつけ方についても、「3つ褒めて1つ叱れ」といった言葉もある。

・人生計画は、向上心の充足、つまりは努力の予定表なのである。計画生活を完全に予定し、かつそれを実行しえた時、果たしていかなる効果、実益をもたらすものであろうか。
(1)仕事の順序を誤らず、各々の仕事の段階を秩序整然たらしめること
(2)ムダがなく、無理がなく、仕事の出来高が増え、質も良くなること
(3)仕事の結果があらかじめ推測できるので、仕事の進行を思うままに制御でき、時間と労力が著しく節約されること
(4)常に前途に希望を持ち、かつ現在に安堵しえて、よく焦慮と苦悩と疲労から免れられ、余裕ある生活を送り得ること
(5)可及的速やかに成功し、健康長寿、福徳円満に一生を過ごし得られること

・25歳の時に人生計画としての計画要綱をご披露に及ぶと大体次の通りである。
第一 満40歳までの15年間は、馬鹿と笑われようが、ケチと罵られようが、一途に奮闘努力、勤勉貯蓄、もって一身一家の独立安定の基礎を築くこと
第二 満40歳より満60歳までの20年間は、専門(大学教授)の職務を通じてもっぱら学問のため、国家社会のために働き抜くこと
第三 満60歳以上の10年間は、国恩、世恩に報いるため、一切の名刹を超越し、勤行布施のお礼奉公に努めること
第四 幸い70歳以上に生き延びることができたら、居を山紫水明の温泉郷に卜し、晴耕雨読の晩年を楽しむこと
第五 広く万巻の書を読み、遠く万里の道を往くこと

・新人生計画は以下の通り
(1)教練期(6歳~20歳)人間らしく働くための準備で勉学、錬成の徹底化、克乏生活の訓練(従順・学習。錬成)
(2)勤労期(21歳~65歳)身のため国のために働き名利を蓄積するため勤倹貯蓄、職業の道楽化、成功(3)奉仕期(66歳~85歳)名利に超越して世のため人のため働くため名誉職、世話役、官公吏、人生指導など
(4)楽老期(86歳~120歳)働学併進、努力道楽の晩年を楽しむため晴耕雨読、顧問相談役、身上相談、遊覧指導旅行など

・いかに有為有能な人材でも、一つの仕事に打ち込んで、それを大成せぬ間に、他の仕事に目を移したり、中途で放り出したまま、他へ転ずるというようなことでは、精力の分散となって、自然、ムダも多く、ついにその初めの一事をだに、成功し難いことになるのである。これに反して、いかに微力不才と思う人であっても、その全力を一つの目的に集中すれば、必ずある程度の成果が勝ち得られる。したがって、何人も一点に集中、一事に沈潜し、専心その業を励むにおいては成功疑いない。

・それがたとえ好意の忠告や指摘であっても、忠告を受けた人の気持ちはよくない。自分の欠点、短所に気づくと、誰しも一時は感謝の言葉でこれに応えるけれども、一度自分の欠点を見抜かれたという引け目を感ずると、いつかはその人をけむたく思い出し、ついには友人としての交わりを断つに至るものである。したがって、これを避けるためには、相手の悪い点に気づいても知らぬ顔で見過ごし、ただその人の良い方面だけを称揚するようにする。そうすれば、自然と自らの欠点にも気付き、人知れずそれを改めることにも努めるし、またどんな敵意を抱く人でも、自分の長所を褒められて悪い気持ちのするはずもないから、いつしかその敵意も失せ、自らも大いに反省して本当の友人ともなれるのである。

・専門以外、本業以外のことについて知る適当な機会があったら、この場合、好機を逸せず、できるだけ見聞し、調査し、その要点をしっかり把握しておくのがよろしい。

・私の専門は山林であったが、かつて内務省の煙害調査委員となってセメント工場に赴いた際、私にとっては無関係と思われたセメントを一応研究しておいたところ、あとになって全国山林を視察して歩くうち、その原料土質の豊富と工場立地に適した地域を発見して、ここにセメント工場を建設すれば有望だと、自信を持って実業家に勧めえたことがある。しかも、それが立派に成功したのだった。

・また私は旅行するときにはいつも、尺度の目盛りをつけたバンドを締め、同じく目盛りのついたステッキを携えることにした。そうして、行く先々で、交通機関や公園設備やその他の都市計画などを見て、これは新しい、これは珍しいと感じたことは、何にでも立ち入って調査を進め、バンドやステッキで寸法までとって丹念に記録しておく。これが後年、私の風景地問題や、公園、鉄道、ホテル、温泉、その他の観光事業に関係せしめるもととなり、また東京市の関東大震災復興に際して後藤新平氏を助けえる絶好資料ともなったのである。

・一度世話を受け、恩になった人には、その後の中間報告を怠らず、心配の上にも心配をかけぬ程度に、自分の現状を細かに知らせるのがよろしい。音信不通の上、突如として驚かせに出るよりは、どれだけその方が謝恩になるかしれはしない。

・いかなる不運、不幸も、不景気も、けっしてそれが永久的に続くものではない。時計の振り子のごとく、また波の起伏のごとく、やがては元に戻るものである。時が来れば必ず元へ盛り返すものである。したがって、我々順調の時、好都合の時、得意の時には、一刻の猶予をおかず、大いに活動し、大いに伸びるべきである。その代わり、逆境の時、思うに任せぬ時、失意の時にはよく耐え、よく忍び、鳴りを静めて雌伏すべきである。また雌伏を幸い修養の工夫をし、知識を養い、英気を加えて、じっと自説の到来を待たなければならぬ。こういう態度でことに臨めば、順も可、逆もまた不可ならずで、どちらへ転んでも、実力の発揮と実力の貯蓄時代となる。実力さえ己にあるならば、風雲到来の暁は、いつでも、ただちに奮起勇進することができる。 

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ストレスゼロの生き方 心が軽くなる100の習慣(Testosterone(テストステロン))という本はとてもオススメ!

2022年02月02日 01時00分00秒 | 

 

 「ストレスゼロの生き方 心が軽くなる100の習慣」という本は以下の経歴を持つ著者がまったくストレスがないとのことで、その考え方を分かりやすく「やめる」「捨てる」「逃げる」「受け入れる」「貫く」「決める」「筋トレする」に分けて100にまとめたものとなります♪

 実は私もストレスを減らすためにこれまで色々と頑張ってきましたので、確かにどれも、そうだ!そうだ!と思えることばかりでしたね♪
 しかも100それぞれについて分かりやすく説明があるのは秀逸だと思います♪

 ぜひこれらは、より良い人生のために実践した方が良いと思えるので、以下紹介したいと思います♪

 改めて仏教関連の本で、世の中の不幸のほとんどは「執着」であり、その執着をなくすと幸せになれると読んだことがありますが、本書の内容もほとんどもそれに似ているなぁと思いましたね。

なお本書は2019年11月に発行されたものとなります。

<Testosteroneさんの経歴>
・1988年日本生まれ
・人生の大半を肥満児として過ごす(16歳で体重110kg)
・16歳で単身アメリカへ渡り筋トレに出会い、3年で40kg減量に成功し肥満体を脱出
・アメリカでは高校から大学を過ごし、その間は勉学に励むかたわら筋トレと総合格闘技に注ぐ
・日本に戻り、日本に筋トレが足りていないので筋トレの啓発活動
・中国語を短期で習得しアジアのとある大都市に移住して社長業
・社長の座を失い、社長に返り咲く
・筋トレに関する著書を十数冊執筆(累計50万部突破)
・筋トレツイッターのフォロワー数は86万人突破(2019年9月)
・淡い恋愛とモテた経験だけが欠落

<ストレスゼロの生き方 心が軽くなる100の習慣>
  1 社会の用意したモノサシを使うのをやめる
  2 「コントロールできないこと」で悩むのをやめる
  3 モチベーションを保とうとするのをやめる
  4 心配をやめる
  5 理不尽を受け入れるのをやめる
  6 夢を持つのをやめる
  7 悲観するのをやめる
  8 うまくいって当然と思うのをやめる
  9 すべての人とわかり合えると思うのをやめる
 10 嫌われたくないと思うのをやめる
 11 ウソをやめる
 12 全力投球をやめる
 13 自分と他人を比べるのをやめる
 14 許可を求めるのをやめる
 15 無駄な努力をやめる
 16 お人好しをやめる
 17 他人に期待するのをやめる
 18 深い人間関係を築くのをやめる
 19 見返りを求めるのをやめる
 20 相手の期待に応えるのをやめる
 21 過去の自分に縛られるのをやめる
 22 欲望を抑え込むのをやめる
 23 ないものねだりをやめる
 24 他人の評価を気にするのをやめる
☆25 苦しさが5割以上のことをやめる
 26 安いプライドを捨てる
 27 「でも」と「だって」を捨てる
 28 「私なんて・・・」を捨てる
 29 「時間がない」を捨てる
 30 悪い人間関係を捨てる
 31 偽りの自分を捨てる
 32 後悔を捨てる
 33 我慢を捨てる
 34 不幸を捨てる
 35 愚痴を捨てる
 36 他力本願を捨てる
 37 成功も失敗も3日で捨てる
☆38 自己犠牲の精神を捨てる
 39 怒りの感情を捨てる
☆40 「正しさ」を捨てる
 41 デカすぎる目標を捨てる
 42 恨みを捨てる
 43 ストレスの要員を捨てる
 44 本当に辛いときは逃げる
 45 余力があるうちに逃げる
 46 不機嫌な相手から逃げる
☆47 元気がないときはひとりの世界へ逃げる
 48 趣味の世界へ逃げる
 49 人格を否定してくる人間から逃げる
 50 うまくいかなかったら逃げる
☆51 全力を尽くした自分を受け入れる
 52 失敗を受け入れる
 53 矛盾を受け入れる
☆54 不安定を受け入れる
 55 困難を受け容れる
 56 絶不調を受け入れる
 57 過小評価を受け入れる
 58 自分の欠点を受け入れる
 59 嫉妬の感情を受け入れる
 60 裏切りを受け入れる
 61 友人を失うことを受け入れる
 62 孤独を受け入れる
 63 反対意見を受け入れる
 64 己の美学を貫く
 65 高い意識を貫く
 66 理想の自分像を貫く
☆67 人への親切を貫く
 68 不屈の精神を貫く
 69 好きなことのためにする苦労を貫く
 70 自分のルールを貫く
 71 努力を貫く
 72 成長を貫く
 73 攻めの姿勢を貫く
 74 感謝の姿勢を貫く
 75 ワクワクを貫く
 76 笑顔を貫く
☆77 学ぶ姿勢を貫く
 78 健康的な生活リズムを貫く
 79 当たり前を貫く
 80 我が道を貫く
 81 根拠のない自信を持つと決める
 82 才能をフル活用すると決める
 83 健康を守り抜くと決める
 84 目標達成のためにはなんでもやると決める
☆85 人を褒めまくると決める
☆86 他人はみな教師と決める
 87 気乗りしない誘いは断ると決める
 88 やりたいことはすぐにやると決める
 89 運は自力で引き寄せると決める
☆90 先に謝罪すると決める
 91 運命には従わないと決める
 92 自分の機嫌は自分で決める
 93 仏の顔は二度までと決める
 94 自分の可能性は自分で決める
 95 仕事は「好き」か「得意」かで選ぶと決める
 96 過去の自分と決別すると決める
 97 「なんとかする」と、決める
 98 悪口陰口嫌がらせは気にしないと決める
 99 自分の気持ちに素直になるときめる
100 筋トレする

 どれも重要ですが、私にとっては特に改めて上記で☆をつけた「25」「38」「40」「47」「51」「54」「67」「77」「85」「86」「90」は、理解や実践をしたいと思いましたね♪

以下それらポイントを少し紹介します♪

☆25 苦しさが5割以上のことをやめる
 継続は力なり。継続は大事だ。これは間違いない。が、じつはそれと同じくらい大事なのが「やめる力」だ。仕事をしていて感じる比率が「楽しさ:苦しさ=6:4」だったら、その仕事はやり続けた方がいい。でも、苦しさが5割以上なんだったら、その仕事をやめてみるのも1つの手だ。向いてないこと、苦しいことを手放さないと、向いてること、楽しいことをつかみ取るための手が空かない。

☆38 自己犠牲の精神を捨てる
 他者の幸せを願うのは素敵なことだが、そのせいで自分の幸せを犠牲にするのは絶対に間違っている。自分を犠牲にして相手のために何かしたらダメだ。自己犠牲の上に成り立つ幸せなんてこの世に存在しないと覚えておこう。あなたが他者の幸せばかり考えていたら、あなたの幸せはだれが考えてくれるんだい?だれも考えてはくれないよ。あなたの幸せを考えられるのはあなたしかいない。自分の幸せを第一優先に考えることを忘れないで欲しい。自己犠牲はダメ、絶対。

☆40 「正しさ」を捨てる
 覚えておいてほしいことがある。それは、この世には正解など存在しないという真理だ。立場が変われば正解なんて無限にある。そして、ものごとは白黒はっきりつけられるほど単純じゃない。議論するときは、
1 すべての意見には一理ある
2 絶対的に正しい意見などない
3 立場が違えば正解も変わる
これらを前提とした上で自分の主張をするとうまくいく。自分の意見を相手に押しつけず、相手の意見を聞く耳は常に持ちつつ、絶対的な正解ではなくお互いが満足できる妥協点を探していく。議論に限らず、二元論は捨てろ。

☆47 元気がないときはひとりの世界へ逃げる
 元気がないとき、不安なときは朝陽をたっぷり20分浴びて、好きな音楽でも聴きながら運動して、美味しいご飯食べて、映画観て泣いて、読書で知的好奇心満たして、いつも我慢しているケーキでも食べて、お笑い見て思いっきり笑って、目覚ましセットせずに寝ましょう。一気に回復するよ。こういうときは悩んだり考え込んだりしても逆効果。良質な睡眠、運動、食事を徹底して、好きなことやってストレス解消すれば、自律神経とホルモンバランスが整い気力が戻ってくる。ポイントが一つある。人と会わないことだ。

☆51 全力を尽くした自分を受け入れる
 自分の力をすべて出し切っても失敗するときは失敗する。そんなときは自分のことを責めるな。やれるだけのことをすべてやったのであればそれはもう仕方がない。あなたは何も悪くない。むしろ、全力を尽くしてやりきった自分を褒めて誇りに思ってやれ。全力で挑戦した経験は必ず今後の人生で生きてくるし、何事も本気でやればたとえ失敗したとしても大きな学びが得られるもんだ。

☆54 不安定を受け入れる
 とてつもないスピードでめまぐるしく変化する社会において、安定という概念は消え去ってしまったのだ。変化のスピードが速く安定しない現代社会において、安定する唯一の方法は不安定を受け入れることだ。安定するのはやめろ。不安定を受け入れろ。カオスを楽しむのだ。

☆67 人への親切を貫く
 親切は本当に素晴らしいしパワフルだ。あなたにとってほんの数分間でも受け取った人は親切を忘れないし、この先何度も思い出し心が温まる。他者に親切にしたあとは気分がいいのであなたの1日も素晴らしい1日になる。あと、親切は連鎖する。親切は無限に連鎖していくわけだ。人に親切にすれば自尊心も高まる。 

☆77 学ぶ姿勢を貫く
 学ぶ姿勢と好奇心を忘れない限り、人は何歳であろうと若くあり続ける。逆にいくら若かろうと学ぶ姿勢と好奇心を忘れてしまえば老いたも同然だ。肉体は衰えても、心は気持ちの持ちよう次第で永遠に若いままでいられるのだ。
 
☆85 人を褒めまくると決める
 人を褒めることにはメリットしかない。
1他人を褒めると、褒められた人はいい気分になる。いい気分になった人はあなたによくしてくれる
2褒められていい気分になった相手を見て、「自分はなんて素晴らしいことをしたんだろう」と自分も気分が良くなり自尊心も高まる
3人を褒めることを意識するようにすると、他人の悪いところよりもいいところを探すクセがつく。すると他人の悪い部分が気にならなくなる。
4他人のいいところが目に付くと、「自分はなんていい人たちに囲まれているんだろう」と幸せな気分になれるし、その人たちを大切にしようと思える。

☆86 他人はみな教師と決める
 どんな人にも「良い面」と「悪い面」がある。相手のある一面が尊敬できないからといって、簡単にその人との関係を断ってしまうのはとてももったいないことだ。それよりも、相手の尊敬できる面はそのまま素直に見習って、尊敬できないところは同じような過ちを犯さないように反面教師にしてしまえばいい。そうすれば、出会う人すべてを自分の教師にできる。「他人はみな教師」という姿勢で人と付き合うと超スピードで成長できるぞ。

☆90 先に謝罪すると決める
 謝るのが苦手な人は「謝罪=負け」だと認識している場合が多いが、そんなことはない。謝罪は相手の怒りを速やかに鎮めて問題を解決し、関係を良好に保つための手段の一つだと考えよう。誰かと揉めているとき、「どちらが悪いのか」を考えるのはナンセンスだ。あなたの目的が「相手と早急に仲直りすること」であるならば、どちらが悪いかなんてどうでもいい。大事なのは早急に話し合いのできる状態まで持っていくことだ。それには「早急な謝罪」がもっとも有効だ。そうとわかればさっさとあなたから謝罪をしてしまえばいい。自分が悪くない場合でも問題の責任が自分にあるとは認めずに謝る方法なんていくらでもある。問題の原因、追求はとりあえず横に置いておいて、「あなたを怒らせてしまってごめんね」「こんな気分にさせてしまってごめんね」と謝ればいいのだ。どっちが悪いとか関係なしに相手の気分を害したのは事実なんだからそこは素直に謝ったってなんの問題もない。

「ストレスゼロの生き方 心が軽くなる100の習慣」という本は、より良い人生のためのヒントとなりとてもオススメです!

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2021年7月~12月「本の紹介」まとめ

2021年12月31日 01時00分00秒 | 
 2021年7月~12月にこのブログで紹介した本で、特に良かったものを振り返ってみたいと思います。
 
 この半年は外出やグルメに注力したので、本を紹介したのは6冊だけでした。
 
 今回は以下の<人生向上><食関連>で分類してみました。

夫婦仲を良くするステップとしては以下等がありました♪

・女性が感情を重視し、男性は解決を重視すると理解
・食事や料理、買い物を夫婦で楽しむ
・夫婦での「ありがとう」や「ごめんなさい」を増やす
・夫は妻に共感する
・夫婦で例えば農園や菜園を楽しむ
・家事の分担・お金・夫婦げんかの原因を話し合う
・夫婦お互いの考えを取り入れる
・夫は改めて妻に関心を持ち、妻の話を覚えておく

★婚活中の方にオススメとしては、大人男子の「超」清潔感ハック(宮永えいと)が分かりやすくて良かったですね♪

 清潔感はモテるだけでなくビジネスにも良い作用とのことで、大人男子の注意すべき臭いや毛の処理、爪、足もと、肌だけでなく、具体的なスキンケアやメイク、ヘアスタイル、ファッションなど身だしなみのコツを分かりやすく説明されていましたね♪

「ピアノ習ってます」は武器になる(大内孝夫)も良かったですね♪

ピアノ演奏はIQだけでなく語学や理数系、読解力、情報処理能力、集中力、記憶力、非認知能力などを上げる等について分かりやすく書かれていて、進学校で有名な開成中学・高校ではクラス人数分の電子ピアノがあり、授業で全員ピアノを弾くとは知りませんでしたね♪

子育てのヒントになると思います♪

新時代の江戸前鮨がわかる本 訪れるべき本当の名店(早川光)はお陰様で美味しい江戸前鮨を堪能させて頂いております♪

主な内容は以下ですが、

・江戸前鮨がこの10年で変わった内容
・赤酢のシャリ
・最近の鮨だね
・新時代の鮨屋選び方法

 特におまかせ1万8千円以下の現代の10名店については、順次以下のリンクの通りこのブログでも紹介させて頂いております♪

2022年中にはこのすべてのお店を制覇したいですね♪
 1椎名町 松野寿し1回目 松野寿し2回目2022/1/16掲載予定
 2高円寺 鮨時成2022/3/15掲載予定
 3白銀高輪 鮨まつうら
 4神楽坂 鮓家一
 5千歳烏山 鮨いち伍
 6赤坂 すし晴
 7東銀座 鮨おちあい2022/1/27掲載予定
 8浅草 鮓かね庄
 9西麻布 西麻布鮨いち
10人形町 㐂寿司

 

 なお、それ以前に紹介して良かった本についてまとめたものは以下となります。

こちらもぜひご覧頂いて読んで頂き、より良い人生のヒントにしていただければと思います。

  2021年前半の「本の紹介」
  2020年後半の「本の紹介」
  2020年前半の「本の紹介」
  2019年後半の「本の紹介」
  2019年前半の「本の紹介」
  ・2018年後半の「本の紹介」
  ・2018年前半の「本の紹介」
  ・2017年後半の「本の紹介」
  ・2017年前半の「本の紹介」
  ・2016年後半の「本の紹介」
  ・2016年前半の「本の紹介」
  ・2015年後半の「本の紹介」
  ・2015年前半の「本の紹介」
  ・2014年後半の「本の紹介」
  ・2014年前半の「本の紹介」
  ・2013年後半の「本の紹介」
  ・2013年前半の「本の紹介」
  ・2012年後半の「本の紹介」
  ・2012年前半の「本の紹介」
  ・2011年後半の「本の紹介」
  ・2011年前半の「本の紹介」
  ・2010年後半の「本の紹介」
  ・2010年前半の「本の紹介」
  ・2009年後半の「本の紹介」
  ・2009年前半の「本の紹介」
  ・2008年の「本の紹介」
  ・2007年の「本の紹介」
  ・2006年の「本の紹介」
  ・2006年以前の「本の紹介」

<今日の独り言> 
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なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?(村山太一)という本はとてもオススメ!

2021年09月07日 01時00分00秒 | 

 

 「なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?」という本は、東京の目黒にあるミシュランで一つ星を9年連続で獲得している「レストラン ラッセ」のオーナーシェフである村山太一さんが著者で、このラッセでは生産性に課題があったことから、同じイタリアンで世界一のサイゼリヤでバイトし、そして見事人時生産性が約3.7倍となり、従業員数も9人から4人に減らすことができ、経常利益率は8%アップし、労働時間も約4割減らすことができ、スタッフ同士も仲良しになりどんどん幸せになったたことについて書かれています♪

 そして驚いたことに、新型コロナウイルスの影響で多くのレストランは大打撃を受けていますが、このラッセでは来店客は減っていますが、黒字を保つことができ、飲食業界の奇跡とも言われているようです。

 その奇跡を起こすには、いつも「より良い方向に変化し続ける」ことが原理原則で、そして「落とし穴に落ちない」「最短で成長する」がポイントのようです♪

具体的には以下の2つとのことです♪

(1)サバンナ思考:「危機感×気づき×即行動」のサイクルを高速で回す危機回避術

(2)マヨネーズ理論:一流や世界一のやり方をマネして丸パクリするショートカット術

これらの考え方は飲食業界だけでなく広く一般業界や人生でも活かせる内容かと思います。

 また、著者はサイゼリヤの会長や社長とも座談会をしていて、その内容が巻末に収録されているのも秀逸かと思います^_^)

 そして、著者は宇宙で、まずは火星の中継基地である月にレストランを作ることを目標にJAXAとも協力しているとは素晴らしいと思いましたね♪

 それから、この先でも紹介しますが著者のベスト本12冊も紹介されていて、このブログでも2冊は紹介していますが、その他の本はこれから読んでみたいと思います♪

「なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?」という本は、より良い人生のためのヒントとなりとてもオススメです!

以下は本書のポイント等です♪

・保育園の頃、僕は家で内職の手伝いをしていました。夕飯を食べた後に、家族4人で2時間くらい作業して稼げるのは、大体4千円から6千円くらい。一方で裕福な友だちもいて、当時珍しい3階建ての家に住み、ファミコンやプラモデルをたくさん買ってもらっているのを見ていつも羨ましく思っていました。生まれながらのお金持ちもいれば、貧乏人もいる。その頃から、世の中は平等でなく、強者と弱者がいるのだと、ぼんやりと分かっていたのかもしれません。僕は弱者で追いかけられるほうです。自分の腹が引き裂かれるかもしれない。逃げなければならない、生き残らねばならない。そう突きつけられたとき、僕は強烈な生命力がみなぎってくるのを感じていました。

・「サバンナ思考=危機感×気づき×即行動」という公式を高速で回転させていけば、どんな困難な時代でも生き残っていける。

・サバンナ思考の最大の敵は、ウェイト&ストップ思考と、固定観念。本当にそれで幸せになれるのか疑い続けよう。

・いつ雪崩が起こるかわからない雪山にいるかのように、危機感を持って周りを見渡し、一つでも多く気づけるように。

・空気は読まなくていいので、本当に大切なものを守ろう。

・一流になるなら、1から自分でやらずに、すでに一流になっている人に教わればいいです。この体験から僕が導き出したのは、
1 一流になりたいなら一流に学ばない限り、そのレベルには到達できない
2 一流に学んだ方が超速で成長できる
という2つの結論です。これは料理人に限らず、ビジネスの世界でも同じなんじゃないでしょうか。

・「3年勤め学ばんよりは3年師を選ぶべし」という中国のことわざがあります。3年独学で学ぶより、3年かけてでもベストな師匠を探して教わった方がいいという意味です。その通りで誰に教わるかは非常に大事です。師匠は一流でなければいけないし、トップでなければなりません。

・弟子入りを成功させる5つのステップ
1 目的・目標を考える
2 尊敬できる師匠を探す
3 師匠について徹底的に下調べする
4 師匠に勝る情熱でアタックする
5 徹底的に完全コピーする

・すごい人のやり方を丸パクリすれば、最速最短で成長できる。
「無」の状態になって、相手を信じて一体化し完コピする。
何年かけてでも「この人から教わりたい!」という師匠を探す。
師事したい人に「僕の情熱はあなたより上だ」と熱意を見せる。
丸パクリしたら四次元ポケットから取り出すように使いこなす。

・チェーンストアを指導した経営コンサルタントの渥美俊一先生は、店舗や事業がうまくいかないのは全て経営者の責任だと言っています。人が定着しない、殺伐とした生産性の低い構造をつくった僕が全部悪かったんです。

・サイゼリヤの基本理念は「人のため 正しく 仲良く」。僕はこの社是が大好きです。サイゼリヤも残業はありますが、必ず週に一回の休みはもらえるし、店長が威張り散らしてないからスタッフの仲はいいし、ホントに社是の通りです。それにスタッフの負担を減らすために、徹底的に仕組みを考えています。例えば、業務用の厨房では、グリストラップという油脂や残飯、野菜くずなどが下水に流れるのを防ぐ装置を設置しなくてはなりません。この装置の掃除は大変で、僕の店では週3回3時間かかっていました。ところがサイゼリヤや週1回、9分でできるような掃除の仕方をしています。それどころか、掃除をしなくていいグリストラップも開発してしまったのです。

・僕なら次のような条件で何のバイトをするかを決めます。
1 好きなこと・興味があることをする
2 「やりたいこと」の苦手分野にチャレンジする
3 上場企業の「勝ち残る仕組み」を学ぶ

・成長を約束する3つの鉄則
1 自分を消して歯車になれ
2 完全にマニュアルに従え
3 たくさん失敗しろ

・サイゼリヤのすごいところは、1皿あたり0.1円単位でコスト削減や品質改善の努力を怠らないところです。10秒かかっていた作業を1秒減らすために、細部にわたって合理的に最短で働ける設計が至るところでしてある。そしてそれが常にアップデートされている。例えば、レストランは通常キッチンは総店舗面積の3分の1がセオリーですが、サイゼリヤは5分の1です。それでも営業がちゃんとできるように、キッチンでの作業内容が設計されています。人の動線も、仕入れ業者が入る場所とスタッフが働く場所が完全に分かれていて、それぞれに最適に設計されています。

・成長できる人と、成長できない人の違いは何か。いろんな答えがあるでしょうが、ひと言でいうと「気づく力」があるかどうかだと僕は思います。気づく力は、サバンナ思考でもマヨネーズ理論でも最も重要です。危険を察知していち早く逃げるためにも、鈍感ではいけません。危険な状況じゃなくても、「これだと不便だな」「これだとお客さまは困るな」といち早く気づいて対応しないと、お店も会社も人も生き残っていけないんじゃないでしょうか。マヨネーズ理論で一流から学ぶ場合も、しっかり観察して気づかなければマネることもできません。

・幸せなら気分良く全体最適を図りながら働けて生産性が上がり、生産性が上がればゆとりができてより幸せになる。この好循環を実現させているのがサイゼリヤ。

・バイトは今の仕事に即したすぐ役立つ知識や経験が得られる。あえて下っ端を経験することでリーダーとしても成長できる。

・優れた仕組みを持つ企業でバイトすれば、本業の改善ポイントがどんどん浮かんでくる。

・バイトするときは、自分を消して歯車に徹する。経験や実績を脇に置き、素直に教えを受ける心を持つ。

・かつてのラッセは僕が王様でしたが、今は真逆でフラットな組織体制にしています。僕がオーナーシェフで経営者ではあるのですが、気持ちとしては皿洗いです。王様をやめたら人時生産性が約3.7倍になったんです。僕がたどり着いたのは次のようなチームでした。
1 上下関係がない
2 セクション間の垣根がない
3 常に全体最適
4 手取り足取り教える

・読書の基本は次の2点です
1 いろんな分野の本を読む-広げる読書
2 トップの人の本を読む-深める読書

・生き残るための読書5ステップ
1 ネットサーフィンで気になるテーマを探す(儲かりそうな情報、危機につながりそうな情報)
2 必ず書店で手にとって見る
3 著者の気持ちになりきって読む
4 W杯決勝戦の集中力で読む
5 読んだら即行動

・村山太一のベスト本リスト
 1 俺の考え(本田宗一郎)
 2 天馬の歌 松下幸之助(神坂次郎)
 3 イーロン・マスク 未来を創る男(アシュリー・バンス)
 4 スティーブ・ジョブズⅠ・Ⅱ(ウォルター・アイザックソン)
 5 バフェット・バイブル 本物だけを見抜き富を築く最強投資家の言葉(ロバート・L・ブロック)
 6 マンガーの投資術 バークシャー・ハザウェイ副会長チャーリー・マンガーの珠玉の言葉 富の追求、ビジネス、処世について(デビッド・クラーク)
 7 サイゼリヤ革命 世界中どこにもない”本物”のレストランチェーン誕生秘話(山口芳生)
 8 サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているからおいしい料理だ(正田泰彦)
 9 祇園の教訓-昇る人、昇りきらずに終わる人(岩崎峰子)
10 だからこそ、自分にフェアでなければならない。プロ登山家・竹内洋岳のルール(小林紀晴)
11 1分間ジェフ・ベゾス Amazon.comを創った男の77の原則(西村克己)
12 成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝 世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者(レイ・クロック、ロバート・アンダーソン)

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夫のLINEはなぜ不愉快なのか(山脇由貴子)という本はとてもオススメ!

2021年07月28日 01時00分00秒 | 

 

 「夫のLINEはなぜ不愉快なのか」という本は、児童相談所19年勤務や家族問題カウンセラーとして活躍の著者がその経験から、なぜ夫婦仲は悪くなってしまうのか、男女のコミュニケーションの取り方や物事のとらえ方、育てられ方の違いなどで分かりやすく説明したものとなります♪

また、夫婦仲の子どもへの影響や、夫婦仲を改善するステップなどについても分かりやすく説明してあります♪

 妻が怒ってばかりの夫や、夫婦仲を良くしたいご夫婦、もちろん婚活中の方にもとてもオススメな内容となっております。

それから夫婦仲を良くするステップとしては以下などの説明がありました♪

・女性が感情を重視し、男性は解決を重視すると理解
・食事や料理、買い物を夫婦で楽しむ
・夫婦での「ありがとう」や「ごめんなさい」を増やす
・夫は妻に共感する
・夫婦で例えば農園や菜園を楽しむ
・家事の分担・お金・夫婦げんかの原因を話し合う
・夫婦お互いの考えを取り入れる
・夫は改めて妻に関心を持ち、妻の話を覚えておく

「夫のLINEはなぜ不愉快なのか」という本は、より良い夫婦生活のためのヒントが盛りだくさんでとてもオススメです!

以下は本書のポイント等です♪

・女性は、結婚前に「幸せな家庭」をそれぞれ思い描いているわけです。自分が思い描いている家庭像と結婚する前の現在の自分の生活を比べてみて、「私の思い描くような夫婦、家庭になれば、負担が増えても、犠牲を払っても、今より幸せな人生になる」そう思ったとき、結婚へ踏み出すわけです。だから女性は、「結婚前は実家住まいで、掃除も、洗濯も、料理も母親に任せっきり、じつは家事が苦手だった」という場合でも、理想の家庭像を実現するために努力します。好きな人のための努力なら、ちょっと大変でも幸せに感じられるはず。そう女性は考えるのです。そして、自分が幸せになるだけではなく、夫にも今まで以上に満ち足りた日々を送らせてあげたいと思うので、「家はいつもきれいにしていよう」「美味しい料理を作ってあげよう」と夫を喜ばせるために家事に取り組みます。喜んでいる夫の姿を想像するから、女性は頑張れるのです。そして女性は、自分が努力するのですから、夫にも理想の家庭像を築くために協力してほしい、努力してほしいと思っています。その努力の中には、独身時代の気ままな生活を改めることも含まれています。これまでの生活を改めて、妻の理想とする夫婦像・家庭像を実現できるよう努力して欲しいと思っており、それが夫は「結婚すれば変わるだろう」という期待です。こうした「妻のため」という夫の努力を感じられるとき、女性は「満ち足りている」と感じるものです。妻は日々の生活の中で、そうした満足感を抱いていたいと思っています。ですから、夫が生活をまったく改めないと、私のために努力していないと妻は感じて不満を抱くわけです。

・夫は女性のように自分なりの家庭像を思い描いているわけではなく、非常に漠然としているのです。結婚を決めた理由を尋ねても、「妻は明るい性格なので、一緒に暮らすと楽しいだろうなと思って」と妻の長所をあげる男性もなかにはいますが、多くは「付き合いも長くなっていたし、年齢的にもそろそろかなと思って」「彼女が結婚を望んでいるのが分かっていたので」といった答えが返ってきます。もちろん相手のことが好きだからこそ結婚するわけですが、男性の場合は、いってみれば「流れ」で決めることが多いと言えます。また結婚を決めるにあたって多くの夫が「一緒にやっていけるかは考えました」と言います。ここで興味深いのは「一緒にやっていけるか」の判断基準です。1人暮らしが特に長かった男性はこう言いました。「自分の生活を邪魔されないかは考えました。一人暮らしはそれなりに快適だったので」この言葉が示すように、男性は、女性とは違い、結婚によって自分のライフスタイルを大きく変えることを望まないのです。この傾向は、仕事が忙しい男性や、仕事に没頭したいと考えている男性、そして趣味を持っていたり、外出を好んだりするアクティブな男性ではより強くなります。これが男性と女性の結婚に求めるものの違いと言っていいでしょう。

・「精神的な支え」に関する違いも、夫婦のすれ違いにつながります。妻にとっては、精神的に支えてもらうために夫とのコミュニケーションが欠かせません。ところが夫にとっては必ずしもそうではないのです。そもそも他人へ悩みを話す男性は女性よりも少ないのです。男性はコミュニケーションを図るよりも、むしろ放っておいてもらうのを好む傾向があります。だからこんな勘違いもよくあります。妻に言われてカウンセリングに来たある夫はこう言いました。「妻も好き勝手やっていると思っていたので、不満があるとは思っていませんでした」男性は、自分が放っておかれるのを比較的好むので、妻を放って置くことに違和感や罪悪感を抱かないのです。しかし「放っておかれる」つまり「コミュニケーションが少ない」ということが、妻にとっては大変な苦痛で、そのために「こんな結婚生活になるはずじゃなかった」という不満が蓄積していきます。

・「子どもができれば、夫も父親としての責任感がでてきて、早く家に帰ってくるようになると思うのです」「家を建てれば夫はきっと変わってくれると思います」子どもの誕生や家の購入といった人生の大イベントを経験すれば、夫の考えも、そして日頃の態度、行動も変わるだろうと期待するのです。しかし夫たちの多くは「家がほしい」「子どもが欲しい」という妻の言葉の裏に隠された本当の気持ちに気づいていません。そして「妻が望む通りにすれば満足するだろう」と考えてしまいます。それどころか、「子どもや家を欲しがるのは、夫婦関係に問題がないからだ」と、まったく逆にとらえてしまう夫も少なくないのです。女性は幸せになるために、自分が置かれた状況を大きく変えることを望んでいるのです。だから子どもができようが、家を買おうが、妻の求めるような夫にならなければ、「望み通りなのだから満足だろう」という夫も思いとは裏腹に、妻の不満はどんどん大きくなっていきます。実際、カウンセリングに来る妻が「子どもができたのに、夫が変わらない」と不満を訴えるケースは少なくありません。

・夫とのコミュニケーションがないということは、妻にとって大変な苦痛であり、それが大きな不満につながります。ですから、なぜ妻にとっては苦痛なのか、不満に思うのかを理解できれば、結婚生活の中で妻が求めていることがおのずと分かってきます。ではその心理を理解するため、妻の声にもう少し耳を傾けてみましょう。「私が何か言っても、テレビを観ていたり、スマホをいじったりして、全然聞いていません。「ちゃんと聞いて!」と言うと、「聞いてるよ」とは答えますけど「じゃあ、いま私、なんて言った?」と聞くと、絶対に答えられないんですよ」夫を連れて私のところへカウンセリングに来た妻は、不満をおさえきれません。この夫は「ちゃんと話は聞いていますよ」と言いますが、妻にはそう感じられないのです。「テレビやスマホを見ていないときでも、「ああ」とか「うん」としか言わないし、聞いているフリをしているだけ。だから後で聞いても、私が話した内容を覚えていないし」それに対する夫の言い分はこうです。「別に大した話じゃないから忘れちゃうのです」別の妻はこんな不満をもらしました。「私が話し始めると。「で、その話のオチはどこなの?」と言うのです。「だから何が言いたいの?」と言われたこともあります。ひどいですよね。別に何か結論みたいなものを言いたいのではなくて、私は話を聞いて欲しいのです」その夫はこう思っていました。「大体、妻の話はどうでもいいことが多いのです。今日はスーパーを3軒まわったとか、キャベツが安く買えたとか。そんなこと、どうでもいいじゃないですか。好きな店に行けばいいわけだし。あるときは「女友達からヒドいこと言われた」と言うので、「だったら、もう会わなきゃいいだろう」と言ったら「そういう問題じゃない!」と怒られました。結局、何を言いたいのか分からないし、私が何か言っても怒るので、もう聞き流していますね」こうした夫婦のやり取りはカウンセリングの場で何度も耳にします。

・女性が結婚後に求めているのは、経済的な安定や、毎日、穏やかに暮らせることだけではなく、大事なのは夫が自分に関心を向け続けているということです。「私の話を聞いてくれない」ことは、「夫が自分に関心を向けていない」ということだと妻は感じるので「私は満ち足りていない」と結婚生活に不満を覚えるのです。

・怒りや悲しみといったマイナス感情を消化できず、それが心に溜まり続けると、いつかは限界に達します。すると、それまで貯め込んでいたマイナス感情が、一気に表に出てしまいます。耐えられなくなった心が、無意識のうちにマイナス感情を発散させてしまうのです。「なぜ過去のことを何度も持ち出して怒るのだろう」「なんで、こんな小さなことに、そこまで怒るのだろう」妻に対して、こう思ったことのある夫は少なくないでしょう。これは夫が妻の日々のグチに共感してこなかったために、妻のマイナス感情が蓄積され、それがある日、突然、爆発するからなのです。理不尽にも思える妻の怒りの背景には、夫が日々、共感するという作業を怠っていたという事情があることを夫も覚えておくべきでしょう。

・自分の方が家事の負担は多くなるという点は女性も分かっています。その覚悟をした上で結婚しているのですから。それでも不満を抱くのは、多くの女性が言うように「家政婦じゃないんだから、やってもらうのが当たり前だと思わないで欲しい」ということです。この言葉に含まれているのは、「もっと私をいたわって!私に感謝して!」という思いです。つまり、「私が仕事や家事で大変なことをもっと分かって」というのが妻の本音です。「いつも大変だね」「ありがとう」と言ってほしい。私を大切にしてほしい。そうした私の気持ちを察してほしい。・・・ということなのです。自分の気持ちを察してもらえるということは、「私のことを見てくれている。関心を向けてくれている」ということであり、自分に関心を向けてもらえるということは、「私は大事にされている」という思いにつながるわけです。妻は料理、掃除、洗濯などの家事や、育児がとても大変なものであることに気がついてほしいと夫に対して思っています。それだけではなく、見えない家事といわれる細かなことにも、時間とエネルギーをとられていることも理解してほしいのです。

・ところが、男性は女性と比べると細かいところに目がいきません。カウンセリングの中で私が「奥さんは家事と育児をすごく大変だと思っていますよ」と夫へ伝えると、「あ、そんなに大変なんだ。気づかなかった。言ってくれれば手伝うのに」と素直に口にする夫は少なくありません。逆に言えば、言われないと分からないのです。そのうえ家事のように、自分の母親が日常的にしてくれたことについて、お礼を言うことなど思いつきません。だから「私に関心を向けて、ちゃんと見てくれれば大変なのは分かるはず。そんなこと、わざわざ言わなくても察して欲しい。そして、いたわりの言葉をかけてほしい」という妻の気持ちとすれ違いが起きてしまうのです。自分が大変であることに気づいてもらえないので、「夫は私のことなんて、どうでもいいんだ」と妻は思ってしまうのです。

・「言ってもすぐにやてくれない」という不満も、やはり「夫は私のことなんてどうでもいいと思っているんだ」という妻の思いにつながります。夫のほうは、少し後でやればいいと思っているだけなのですが、妻にしてみれば、「夫は自分のやりたいことを優先していて、私がやっている家事を軽く見ている。結局は自分のことをどうでもいいと思っている」と感じてしまうのです。妻はここでも「私の気持ちを察してほしい」と感じています。どうして「今」お願いしているのか、その意味に気づいてほしいのです。「いま私はキッチンを片づけている。早く終わりにしたいから、今すぐゴミを捨ててきてほしい。そうでないとキッチンの片づけが終わらないのに、どうしてそのことに気づいてくれないの?私の気持ちを考えてくれないの?私に関心がないの?」という思いにつながるのです。

・女性は自分へ関心を向けてもらえることがモチベーションになります。関心を向けてもらえているということは、自分の努力に気づいているということです。一生懸命に作った料理を「美味しい」と言ってもらえれば「次もがんばろう。もっと、頑張ろう」と女性は思うもの。「きれいだね」と誉められると女性がきれいになるのは、「自分の努力が報われた。認めてもらえた」ということが喜びにつながるからであり、きれいでいようという努力を続けるからです。

・「妻から送られてくるLINEは特に返事する必要がないものばかりです。こっちも仕事中なので、別に返信はしません。だって「今日の夕飯、ハンバーグね」というメッセージを送られても、返事する必要はないでしょう」「「これから友達に会ってくるね。帰りは遅くならないから」というメッセージが送られてきますけど、遅くならないのなら、別に連絡しなくていいのにと思いますよ」「今日は帰れないとか、帰りが予定よりすごく遅くなるという時とか、必要な場合は連絡を入れるようにしています。急な接待で夕飯がいらない、とかも」「ああ、俺と同じ。普通そうだよね」と思った男性も少なくないでしょう。カウンセリングの場で夫とこんな話になったのは、「夫にメールを送っても、全然、返事をくれない」「夫からのLINEを読むと、イラッとする」という不満をもらす妻が非常に多いからです。この本のタイトルのように、夫のLINEが妻を不愉快にさせてしまうのは、コミュニケーションに関する基本的なスタンスが男性と女性では大きく異なるからです。その違いをはっきり示しているのが、夫の次の言葉です。「必要な場合は連絡を入れるようにしています」これには多くの男性が同意することでしょう。つまり基本的に男性は、なにか伝える必要が生じた時にだけコミュニケーションをとるのです。いってみれば「要件のみ」「業務連絡のみ」これが男性のコミュニケーションの基本形です。だから男性同士で用もないのにメールを送ったり、話しかけたりすることは、ほとんどありません。職場の同僚や上司、取引先に対しては密なコミュニケーションを求められることもあるでしょうが、それは仕事という大事な要件があるからこそです。意識が「要件のみ」ですから、特に要件のないメールが妻から来ると、「大した話ではない」と思ってしまうし、返信しようとは思いません。

・息子の方も、年齢が上がっていくと、「母親は自分の気持ちを理解してくれない」ことを少しずつ学ぶようになります。「友だちとケンカした」と言っても「ケンカしちゃダメでしょ」と叱られたり、「謝ればいいんじゃない?」と当たり前のことを言われたりするだけ。「友だちよりサッカーが上手くできなくて悔しい」という気持ちを話しても、まったく分かってもらえずに「練習するしかないでしょ」とこれまた当たり前のことを言われるだけ。母親にしてみれば、男同士のケンカの理由も、サッカーが上手くできない悔しさも理解できません。男同士の仲直りの方法も、サッカーの練習方法も分からないので、前向きなアドバイスなどできないのです。すると息子は、「どうせ僕の気持ちなんて分かってもらえない。叱られるくらいなら、もう話さないようにしよう」と思うようになるのです。

・多くの男性は似たような経験をしています。これは母を嫌いになるということではありません。「母親への期待を減らしてゆく」ということです。別の言い方をすれば、母親に出来ないこと、つまり「母親は自分の気持ちを理解して、アドバイスすることはできないのだ」ということを受け入れるわけです。「母親には分かってもらえない」ということを受け入れた結果、思春期以降の男の子が母親に求めるのは、生活環境を整えてもらうことだけになります。食事やお弁当を作ってくれる。必要なものがあれば買ってくれる。洗濯をしてくれるなど、自分が支障なく快適に生活を送るのに必要なことだけを求め、それで十分だと考えるようになるのです。

・妻に家事を期待する男性は減ってはきています。しかし、妻が夫へ母親役を求めるのと同様に、夫も妻に対して、母親のように生活環境を整える役割を求めるのです。そして「生活環境を整えてくれれば十分で、あとは放っておいて欲しい」という思春期以降に男性が母親へ求めるものが、自分の結婚においても妻に望むものとなっているのです。とはいえ男性も女性と交際しているときは「相手の好意を得る」という目的・要件がありますから、積極的にコミュニケーションをとろうと心掛けます。ところが結婚すると、そうした意識は次第に薄れて、コミュニケーション音スタイルは母親と息子間の「要件のみ」型に戻っていきます。これは「恋愛は特別、結婚は日常生活」だからです。

・とはいえ結婚してからも相手の好意をつなぎとめる必要性は男性も分かっていますので、自分の母親に対してよりはコミュニケーションを多くしようと心掛けてはいます。しかし、ここで家庭内のコミュニケーション量の基準となるのが、ここまで説明してきた母親との会話の量で、息子と娘では全然違います。だから夫が「妻とはわりと会話している」と思っていても、妻にしてみれば「夫は全然、話してくれない」と感じることになるのです。男性も女性も、結婚生活の中で、自分の母親との関係を再現しようとしている面があります。妻は母親との間のような濃厚なコミュニケーションを夫に求め、夫は妻に自分の生活を快適にする役割を求めているというわけです。

・妻がママ友や職場での人間関係で悩むように、夫も日々、職場での人間関係や、仕事上での悩みを抱えています。しかし、この夫のように「人前で弱音をはくな。悩みを口にするのは弱い男だ」という育てられ方をされてきた男性は多いはず。だから妻に対しても、自分の内面を明かそうとはしないのです。不安、悩みと言ったマイナス感情を他人に聞いてもらい、共感してもらうことで処理するというプロセスを選ばないのであれば、黙って自分の腹におさめるか、ひとりで発散する等して処理することになります。そして次は同じ思いをしないように、同じ失敗を繰り返さないように、対処法や解決方法をひとりで考える。つまり、解決策を模索する過程で自分のマイナス感情を処理するというトレーニングを男性は小さな頃から積んでいるのです。

・妻に連れられて、夫婦カウンセリングに来た夫はこう言いました。「私は妻の好きにやらせています。それなのに、どうして不満を言われるのか分かりません。」思い当たる男性も少なくないのではないでしょうか。では妻の言い分を聞いてみましょう。「夫は私のやりたいことに付き合ってくれません。私が言い出すことは全部、面倒だと思っているから、夫婦で一緒に出来ることが何もないのです。一緒に出かけてもつまらないですし」妻はこう続けました。「この間の週末、「洋服を買いに行きたいから、新しく出来た大型ショッピングモールに行きたい」と夫に言ったら、とりあえず車で連れていってくれました。でもモールに着いたら「俺、車で待っているから」と言うのです。「なんで?」と聞いたら「別に俺が行く必要ないよね。自分で好きな服買えば?」って。私は一緒に選んで欲しいから、一緒に行きたいって言ったのに」夫の言い分はこうです。「以前、妻の洋服選びに付き合ったとき、「青と赤、どっちがいい?」と聞かれたのですが、正直、似たようなものだったので、「どっちでもいいんじゃない?」と言ったら「適当に答えないで!」と怒られました。しょうがないから「青の方がいいんじゃない?」と言ったら「でもやっぱり、赤の方がかわいいよね」って、結局は妻が自分で決めるのです。だから一緒に行く必要はないと思いますね」このとき夫は決して面倒くさがっている訳ではなく、本当に「妻の好きにすればいい」と思っているのです。「女性の服なんてよくわからないし、自分のセンスにも自信ないし・・・」と男性たちは口を揃えます。それにこれまでの経験から、何を言っても妻が自分で決めることも分かっているので、あえて口出ししないようにしているだけ。そうすれば怒られることもありません。これが妻とのショッピングにおけるベスト・ソリューション(最適な解決策)なのです。ところが妻にしてみるとこうなります。「もっと真剣に考えて欲しいのに、いつも返事が適当なんです」決して適当なつもりはないのですが、夫の気持ちはうまく妻に伝わっていません。

・男性と女性では感情の消化のプロセスが違うため、情報収集のやり方にも違いがあります。何の映画を観るか、どのレストランへ食事に行くか、どこへ旅行に行くか・・・。こんなとき女性は決めるまでのプロセスを楽しもうとします。ネットで口コミを見ながら、一緒に行く友だちと「これ面白そう!」「ここ美味しそう!」「この露天風呂、気持ちよさそう!」などとコミュニケーションしながら決めます。決めるまでのプロセスで、お互いに共感しあい、実際に行ったときのことを想像して楽しむのです。一方、男性は効率よく情報を収集しようと考えます。ネットで評判をチェックして、さらに詳しい人から情報を集めようとします。決定プロセスに時間をかけようとは思いません。大事なのは最短距離で「正解」「問題解決」にたどりつくことです。だから「夫婦で旅行をしよう」となったとき、夫は、妻と一緒にパンフレットを見ながら、どこへ行くか、何を擦るかを決めるプロセスを楽しむことができません。そんなこと考えもしない、と言うのが正確かもしれません。そのため、妻が「旅行したい」と言い出したら、「じゃあ、君の好きにしていいよ」と夫は口にしがちです。ところがその「好きにすればいい」というひと言が、妻の不満の原因となり「そういうことじゃないの!」と怒られてしまうことがあります。夫にしてみれば、「あなたの希望を最優先していいですよ」と言っているのに、なんで怒られるのだろう?と疑問を抱くことになります。決めるまでのプロセスを楽しみたい女性は、夫にも一緒に考えて欲しいのです。

・こうした食い違いが如実に出るのが結婚式です。女性にとっては人生の晴れ舞台ですから楽しみで仕方がありません。一方、男性は「花嫁が主役」だと思っているので、つい、「全部、決めていいよ」と口走って、花嫁に怒られる羽目になります。こんな思い出を持つ夫婦は実際、とても多いようです。女性は全てを一緒に考えて、一緒に決めたいのです。会場も、ドレスも、引き出物も一緒に考え、2人で「楽しみだね」というやり取りをしたいのです。「好きにしていいよ」という新郎の言葉は、決して面倒だと思っているわけではなく、「君の気持ちを尊重するよ」というメッセージなのですが、その気持ちは相手に伝わりません。「面倒だと思っている」「どうでもいいんだ」と新婦に受け止められてしまい、夫婦になる前からケンカになってしまうのです。

・夫も「私のことを大切にして欲しい」という妻の気持ちを「無理だ」「わがままだ」などと思わず、かわいいところだと思ってあげて下さい。妻の「私を大事にして欲しい」という気持ちが、夫婦関係を支えているのですから。

・女性が「好きにしていい」「なんでもいい」と言われるのを嫌がるのは、「決めるまでのプロセスを楽しみたいから」という思いもあります。しかし日々の夕飯などについては、プロセスを必要としている訳ではありません。それでも「なんでもいい」と言われるのを嫌がるのは「なんでもいい」が「どうでもいい」と聞こえるからです。「雑に扱われている」「質問を無視された」妻はそう感じます。「どうでもいい存在」のように扱われる感じが妻は嫌なのです。夫婦で一緒に食事を楽しみたいと思っているのに、それを「なんでもいい」と言われると、夫婦の時間を「どうでもいい」と夫が思っている-妻はそんな気がしています。だから結果的には妻がメニューを決めることになったとしても、夫は希望を伝えた方がいいのです。その希望は「どうでもいいなんて思っていませんよ」「大事に思っていますよ」というメッセージに変身して妻に届きますから。

・夫は妻のママ友とのケンカについて正直にこう言ったそうです。「それは、お前の言い方も悪かったんじゃないの?」すると妻は怒ってしまい、「もういい。二度とあなたには話さない」と言い放ち、実際に2,3日、口をきいてくれなかったし、食事も作ってくれなかったそうです。「せっかくアドバイスしたのに、なんで怒るんでしょうね?」と夫は首をかしげますが、一方で妻は激怒しています。「そんなこと、言ってほしかった訳じゃないんです。それくらい、分かりますよね?」ここまでお読みになった男性であれば、この妻が怒った理由はお分かりでしょう。夫に言ってほしかったのは「それはひどいな」「それは腹が立つよな」という共感を示すひと言です。夫が共感してくれれば、妻は不快な気持ちを処理できるし、夫が自分を大切にしていることが実感できて満足したでしょう。ところが、この夫は妻に同じ失敗をしてほしくないという思いから、良かれと思ってアドバイスを言ったため、妻の逆鱗に触れてしまったのです。夫がこのような対応をしてしまうのは、男性はなにか問題が生じたときなんらかの解答や結論を出そうとするからです。

・妻は夫に、説教がましくて、口うるさい母親のような役割を求めているわけではありません。母親よりももっと優しくて、自分を大事にしてくれる人を求めて結婚するのです。だから女性は、夫に説教がましいことや、アドバイスめいたことを言われると、子どものとき、なぐさめてほしかったのに母親からお説教された感覚を思い出して、悲しくなるし、必要以上に腹をたてるのです。求めているのはあくまで共感で、「夫は、誰よりも私の味方になってくれる」という感覚を妻は求めているのです。

・夫も妻には、母親のように自分の生活を快適に整えてくれることを期待しますが、やはり口うるさく言われるのは不快です。ですから夫婦仲が悪くなるきっかけの一つは、相手に母親のうとましかった面を見るときだといえます。男性は、母親に対して「うるさいな」と思ったとき、何を言われても聞き流すようになります。男性は思春期を過ぎると「どうせ母親は自分のことを分かってくれない」ということを学ぶので、文句を言われても上手に聞き流せるのです。だから夫は「妻がうるさいな」と思えば、やはり聞き流すようになります。男性にとっては聞き流す事がケンカにならないための解決方法なのですが、女性にとっては聞き流されるのは不満です。このように男性、女性が、それぞれ子どものころから体得してきた母親とのコミュニケーションは、結婚してからも夫婦関係に大きな影響を与えています。

・週末は家族で過ごすという家庭で育った男性は、自然と自分も週末には家族で過ごそうと思います。でも父親が仕事やコルフや趣味で週末も家にいなかったという家庭で育った男性は、結婚後、週末に家にいようとは思いません。そんな「父親像」を見ていないからです。また両親の仕事など、さまざまな事情で、子どものとき週末は一人、家で過ごしていたという夫は、「週末、家族でどこかに出かけよう」と妻に言われても、行き先を思いつきません。そんな経験が乏しいので、週末、どこへ行けばいいのか分からないのです。家庭の事情はそれぞれですので、何が良いとか、悪いなどと簡単に言うことはできまえん。ただ、繰り返しになりますが、多くは自分の育ってきた家庭がモデルとなるので、その違いがお互いの不満につながることもあるのです。

・今の時代、子どもの前で夫婦げんかをすることは児童虐待にあたります。心理的虐待とみなされるのです。「たかが夫婦ゲンカじゃないか。どこの家でもあること」「たまにガス抜きしないと、かえって関係が悪くなる」そう思っている方もいるかもしれません。なぜ虐待になるのか理解できない方もいるでしょう。私は児童相談所に勤務していたとき、親から虐待を受けた子どもをたくさん見てきました。心理テストを受けてもらうことで、そうした子どもたちの深層心理を知ることに努めてきましたが、その経験を踏まえていえば、親のケンカを目の当たりにすると、子どもの心にダメージが残ってしまうことは確かです。では両親のケンカを見た子どもは何を感じ、何を考えるのでしょうか。まず挙げられるのが恐怖心です。子どもはお父さん、お母さんが怒鳴り合っているのを見ると、自分も同じように攻撃されるのではないかと怖くなります。

・父親から母親への暴力を目撃して育った男女に共通して言えるのは、就職した後も家を出られないということです。母が父に何をされるか、心配で仕方がないからです。

・「子どものために離婚しない」というのは、本当に子どもにとって良いことでしょうか。私は子どもの前でケンカを繰り返したり、互いの悪口を言い合ったり、家庭内別居のような険悪な関係になのであれば離婚を考えることも必要だと思っています。夫婦仲が険悪だと、子どもの心を傷つけますし、子どもの将来にも影響を及ぼしてしまうからです。子どもにとって家は安心できる場所でなくてはなりません。

・離婚理由についても、子どもに対しては「その方が穏やかに生活できるから」など、きちんと説明しましょう。相手の悪口は絶対に言ってはいけません。その上で、「お父さんはいなくなったわけじゃないから」「お母さんが、あなたのお母さんなのは変わりないから」と伝えてあげましょう。特に避けるべきなのは、別れた相手と子どもが交流する日に、しぶしぶ子どもを送り出したり、子どもを迎えに来た相手に「できるだけ早く帰してね!」などきつい口調で言ったりすることです。別れたからこそ、仲良くしている両親の姿を子どもへ見せることが重要です。

・私は離婚を否定はしませんけれど、「夫婦仲が悪くてケンカばかりだから離婚しよう」と早々に決断することはやめてください。離婚しても立派に子育てしている親は少なくないですし、子どもがスクスクと成長しているケースはあります。子どもの健全な成長のためには、離婚した方がいいこともあるのです。とはいえ、私の児童相談の経験からいえば、やはり両親が揃っているほうが、子どもにとっては良いと思います。いつも仲が良くて、楽しそうで幸せそうな両親の姿を見せることこそ、子どもの心には大切なのです。

・妻が夫に怒るのは「構って欲しい」というサインであり、まだ夫へ期待しているということです。「もっと私を見て欲しい」「私の気持ちを分かって欲しい」「私を大事にして欲しい」妻たちは、結婚から何年経とうが、こうした気持ちを抱いています。それが満たされないとき、妻は夫に対して怒るのです。そして妻が怒るのは、「夫が自分の気持ちを満たしてくれるかも」という期待をまだ抱いているからです。つまり妻の怒りは夫へのメッセージなのです。関係が決定的に悪化した夫婦の間には、もはやメッセージはおろか、コミュニケーションなどは存在しません。「妻は怒ってばかり。文句ばかり」だから「私は妻に嫌われている」などと思わないでください。怒られたときこそ、関係修復のチャンスなのです。

・大事なのは夫婦で同じものを食べるということ。人間の体には「特殊飢餓」というメカニズムがあります。これは自分の体に不足している栄養素を自然に欲するという基本的な欲求です。夫婦で同じものを食べていると、不足しがちな栄養素も同じですから、おのずと食べたいものが一致してくるということです。それに同じものをたべれば「これ、おいしいね」と相手に共感しやすくなります。

・男性におすすめしているのは、妻へランチの写真を送ることです。連絡手段はLINEでもメールでも何でもいいのです。これが夫婦仲の改善に大きな効果があるのです。夫婦仲を改善するための第一歩は夫婦間のコミュニケーションを増やすこと。そのために写真を送るのです。夫が昼に何を食べたのかがわかれば、夫婦のいさかいのタネがひとつなくなります。というのも、妻の不満で多いのがこれだからです。「夕食にカレーを出したら「昼もカレーだったんだよな」と文句を言われます。せっかく作ったのに」

・夕食を一緒にとる回数が増えてきたら、次は一緒に料理をつくることをおすすめします。毎日とは申しません。週に1回、いえ月に1~2回でもいいのです。これも関係改善には大きな効果があります。夫も料理をしてみれば、食事を作るのにかかる時間や手間が分かるようになるので、自然と妻へ感謝するようになります。

・食事を作るため夫婦で一緒に食材を買いにいくのも効果的です。何を作るか、相談しながら買い物をすれば、一緒に過ごす時間も、会話も増えます。

・私がカウンセリングで口を酸っぱくして言っているのは「家でのゲーム、スマホは最低限に」というこtです。妻と一緒にいるのにゲームをしていたら「妻に関心がない」という無言のメッセージになります。

・関係がうまく行っている夫婦には「ありがとう」と「ごめんなさい」が多いのは共通しています。

・女性は自分の感情を消化するために、他の人が共感してくれることを必要とします。ですから女性の話を訊くことに慣れていない男性も、妻のグチには付き合ってあげて、最後に「それは大変だったね」「嫌な思いをしたね」と共感してあげるようにしましょう。妻はそのひと言ですっきりし、機嫌もよくなるはず。ここで大切なのは、いきなりアドバイスしないということです。妻は解決方法を求めているわけではありません。心のモヤモヤについて共感してほしいのに、いきなりアドバイスめいたことを言われると、お説教にしか聞こえません。妻が意見を求めてきたときだけ伝えればいいでしょう。

・買い物を通じて話題を増やすことを提案しましたが、さらに先に進み、お互いに興味のあることを夫婦で一緒にやってみることをオススメします。

・夫婦に限らず、良い関係というのは、多くの形容詞を共有できている関係のことではないでしょうか。子どもと親の関係でいえば「楽しいね」「うれしいね」「悲しいね」といった子どもの感情に親が寄り添ってあげることで、愛着関係が強まります。そうした関係を親と育んだ子どもは、感情が豊かな人間に成長していきます。夫婦で一緒の趣味を持てれば「楽しかったね」と言い合えることになります。夫婦でも形容詞の共有が増えれば、愛着関係も強くなりますし、形容詞を共有するということは、お互いの気持ちに共感するということでもあるのです。

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新時代の江戸前鮨がわかる本 訪れるべき本当の名店(早川光)という本はとてもオススメ!

2021年07月24日 01時00分00秒 | 

 

 「新時代の江戸前鮨がわかる本 訪れるべき本当の名店」という本は、2021年4月発行で、著者はBS放送「早川光の最高に旨い寿司」のナビゲーターを務め、江戸前寿司に関する著書が多い早川光さんで、以下について書かれています♪

・江戸前鮨がこの10年で変わった内容
・赤酢のシャリ
・最近の鮨だね
・新時代の鮨屋選び方法
・おまかせ1万8千円以下の現代の名店
 1椎名町 松野寿し
 2高円寺 鮨時成
 3白銀高輪 鮨まつうら
 4神楽坂 鮓家一
 5千歳烏山 鮨いち伍
 6赤坂 すし晴
 7東銀座 鮨おちあい
 8浅草 鮓かね庄
 9西麻布 西麻布鮨いち
10人形町 㐂寿司

 特にこの10年で江戸前鮨が変わった内容は興味深く、ポイントは以下とのことで、その理由も分かりやすく説明がありましたね♪
・おまかせの注文が当たり前になった
・おつまみの比重が大きくなった
・お好みで注文できる店が減った
・ランチ、昼営業をする店が減った
・魚の値段が高騰し値上げする店が増えた
・鮨バブルが起きた
・赤酢のシャリが普通になった

また最近の鮨だねも興味深く、そして本書で紹介されているおまかせ1万8千円以下の現代の名店は、どれもまだ行ったことがないし、写真で紹介されている鮨がどれも光り輝いていて美味しそうなため、ぜひ今後行ってみたいと思いましたね♪

「新時代の江戸前鮨がわかる本 訪れるべき本当の名店」という本は、最近の江戸前鮨のことがよく分かり、そしてコスパ良い名店の紹介もありとてもオススメです!

以下は本書のポイント等です♪

・ウニもまたここ10年の間にすごく変わった鮨だねの一つです。10年前に全国のウニの中でナンバーワンの評価を受けていたのは北海道の利尻島、礼文島で獲れるキタムラサキウニ、エゾバフンウニでした。どちらも夏に漁期を迎えるウニなので、ウニの旬は夏というイメージが浸透していました。ところが今は利尻島といった特定の産地ではなく、技術が高い加工業者が手掛けた箱ウニが人気です。こうした加工業者は北海道のさまざまな地域から上質なウニを取り寄せ、それをさらに選別して極上のウニを集めた箱ウニを作ります。言うなれば、北海道ウニのオールスター選別という感じです。

・その中で特に人気を集めているのが、北海道江差町の羽立水産、知内町の東沢水産、そして函館市の橘水産という3つの加工業者。誰が名付けたのか知りませんが、ウニの3大ブランドと呼ばれています。この3つの会社に共通しているのがミョウバンの使い方の巧さ。ウニの味に影響を与えない程度のミョウバンで、型崩れしない箱ウニを作ります。もともと房が大きく粒がしっかりしたウニを選抜しているので、箱に均一に揃えて盛りつけるとすごく迫力がある。それが「インスタ映え」すると話題になりました。

・3大ブランドのウニは見栄えがいいだけではなく、味も抜群に旨い。ミョウバンの渋みを感じることはないし、クリーミーな味わいと甘みを存分に味わえます。しかも房がしっかりしてるから従来の軍艦巻きではなく、そのまま握ることもできる。本当に素晴らしいんだけど値段も高い。とりわけ「金ラベル」と呼ばれる豊洲市場で最初に競りにかけられるトップクラスのウニは、ひと箱10万円なんて値段がつくこともあります。

・僕が注目しているのが、青森県風間浦村のダイセン駒嶺水産という加工業者です。ここは北海道ではなく青森で獲れるウニを加工してるんですけど、その中に通称「ねずみ」と呼ばれる色が少しくすんだキタムラサキウニがあるんです。これ、見た目はよくないんだけど、味はめちゃめちゃ旨くて、3大ブランドと比べてもまったく遜色ありません。それなのに値段はそこまで高くない。

・長い間、キタムラサキウニは北海道のものというイメージがありましたが、実は東北地方でもまったく負けないものが獲れます。先に挙げた青森のウニもそうですし、御岩手や宮城のウニもレベルが高い。その中で特に上質なキタムラサキウニを提供しているのが、岩手県の洋野町の「ウニ牧場」です。洋野町は外洋に面していて、浅瀬の部分に十数キロくらいの岩盤が広がっている。その岩盤を削って幅3メートルくらいの溝を無数に堀り、そこで天然の昆布を増殖させて、ウニの生息地を作った。これが「ウニ牧場」です。牧場というと養殖のイメージだと思いますが、実は相当な手間をかけている。まず別の場所で稚ウニを育成して、それからいったん海の沖の方に移し、天然の漁場で2年くらい育ててから牧場に放つんです。そこから昆布だけをエサにして出荷基準のサイズになるまで大きくする。だから合計4年半ぐらいかかるのだとか。ウニというおは雑食性で何を食べたかによって味が変わる。利尻島、日高、羅臼といった昆布の名産地のウニは、いい昆布を食べているから旨いわけです。そこに着目して天然の昆布だけを食べさせるというアイデアは凄い。それでも最初はやはり半信半疑でした。確かに手間と時間はかかっているけど、本当の天然物とは差があるんじゃないかと。ところがそうじゃなかった。昆布以外の餌を食べてないから、すごくピュアな味なんです。旨味の純度が高くて、まったく雑味を感じない。まさに澄み切った味です。僕がいいと思うのは漁期を限定していることです。5月から8月の3~4ヶ月しかウニを獲らないから、常に品質が安定している。そして何より北海道のブランドウニみたいに高くない。東京の鮨屋でも使うところがこれからどんどん増えるのではないでしょうか。

・赤ウニの産地としては九州が有名で、長崎県の平戸や壱岐、熊本県の天草、佐賀県の唐津、鹿児島の阿久根がよく知られていますが、僕がこれまで食べてきた中で旨いと思ったのは山口県の北浦と兵庫県淡路島の由良。とりわけ由良の赤ウニは絶品です。正直に言って、鮮度と状態のいいものなら味は北海道のブランドウニを超えます。ウニは食べる餌によって味が変わると書きましたが、由良のウニには他の産地とはまったく違う風味があります。上品な甘みがあり、食べた後も深い余韻が残ります。それはおそらくいろんな種類の海藻を食べているから。実はこの由良のあたりの海は海草類の多様性が高いことで知られていて、研究対象にもなっているようです。何度食べても不思議なのはライムのような柑橘類の香りがすることでこれは由良のウニだけの特徴です。漁期は7月中旬から9月下旬までの2ヶ月余りしかなく、もともと希少なウニなのでコンスタントには入ってきません。しかも品質が安定しているのは8月の間だけ。

・アワビについては産地や漁法の新しい情報はありません。でもここ数年すごく話題になっていることがあります。それはアワビの蒸し方です。これは石川県野々市にある「すし処めくみ」という鮨屋の親方、山口尚亨さんが考え出した方法。わかりやすく説明すると、アワビを蒸し器に入れ85度以下の温度をキープしながら約5時間半蒸し、火を止めゆっくり温度を下げながら1時間半蒸らします。時間の長さはアワビの大きさや状態によっても異なるのですが、一般的な蒸し時間は2~3時間くらいなので、これがいかに長いかがわかります。素人考えでは、アワビを7時間前後も蒸し器に入れていたら味が抜けてしまうんじゃないかと思うのですが、それはむしろ正反対。長時間かけて蒸すことでアワビに含まれるコラーゲンがグルタミン酸、グリシン、アスパラギン酸などの遊離アミノ酸、つまり旨味物質に変化するんです。7時間前後というのはその旨味物質の量がピークに達するタイミングなのだとか。山口さんは大学の研究論文などを参考に試行錯誤を重ねて、この調理法にたどり着いたと聞きました。僕が「すし処めくみ」でこのアワビを初めて食べたのは5年くらい前のこと。その時は本当にびっくりしました。まず香りが凄い。包丁を入れただけで芳しい香りが店中に広がるんです。そして味。これがまるで旨味の塊。アワビを数ミリの厚さに薄く切りつけ5枚くらい重ねて握るのですが、舌に触れる面積が大きいので、噛みしめるほどに旨味があふれ、波のように押し寄せてくる感じがしました。まさにこれまでの常識を打ち破る調理法なのですが、まねをしようとしてもなかなかできない。そもそも蒸し器にいれて「85℃の温度をキープする」っていうのが至難の業だと思います。だからいろんな人が試みてはいるけれど「すし処めくみ」の味に到達している店は今のところありません。「すし処めくみ」の山口さんは本当に面白い人で、他にも誰も思いつかないような画期的なことに挑戦しています。今僕が全国で一番注目している鮨職人です。

・ブリの中で最も評価が高いのは、厳冬期に日本海で獲れる寒ブリ。中でも富山県氷見の氷見ブリが有名です。冬に北陸を旅すると鮨屋で必ずといっていいほど出てくるのですが、やっぱり握りだとシャリが負けてしまう。刺身で食べたほうが旨いし、塩焼きやブリしゃぶにした方がもっと旨い。そんなわけで、ブリにはさほど関心を持たないまま過ごしてきたのですが、あるとき、握りに合うブリに出会いました。それが北海道余市の「天上ブリ」です。ブリは季節によって生息海域を変える回遊魚で、春から夏にかけて日本近海を北上し、秋口に北海道にやってきます。そしてこのうち余市沖の定置網で獲れたものを天上ぶりと読んでいます。北海道の北端近くまで到達したブリだから天上というわけです。天上ブリの良さは脂がのりすぎていないこと。南下して寒ブリになる前のブリなので、脂のバランスがちょうどいいんです。しかもその脂は重くない。甘く、口どけがよく、さらりとしてクセがありません。近い海域にいて同じような餌を食べているからか、津軽海峡のマグロの脂によく似ています。目を閉じて食べたら大間のマグロのトロと錯覚してしまうかもしれません。例年9月中旬くらいから市場に出回りますが、僕が旨いと思うのは10月。食べたらきっとそれまでのブリのイメージが変わると思います。

・穴子の味を意識しつつ1年間かけて食べ比べてみると、脂がのってくるのは夏場あたりから。そして秋口からゼラチン質が多くなってきます。江戸前鮨の場合、焼き穴子ではなく煮穴子にしますから、ゼラチン質が多い方がふっくらとした食感になります。そして味のピークを迎えるのは秋。10月から12月初旬まではずっと美味しい。この頃の対馬穴子は旨味も脂の甘みも強く、ふっくらとした食感に加えて身の処理が細かく舌に絡みつくような感じがします。思うに、穴子はマグロのような回遊魚とは違って、冬にたっぷり餌を食べて脂肪を貯めるのではなく、行動が活発になる夏から秋にかけて、たっぷり餌を食べる魚なのではないでしょうか。なので江戸前鮨における対馬穴子の旬は秋から晩秋。中でも10月がベスト。それが僕の結論です。

・極小サイズのシンコは10尾重ねた10枚漬けにしたりするわけですが、本当に食べて美味しいのは4枚漬けのサイズから。この大きさになるとシンコならではの食感の軽さに加え、コハダらしい旨味や脂の甘みも楽しめるからです。もっと言えば、一番旨いのは2枚漬け。これが本来の江戸前鮨のシンコです。4枚漬けサイズのシンコが出回るのは、例年7月中旬あたり。バカ高い初物に群がったりせず、夏まで待ってシンコを楽しむ。それが粋というものだと思います。

・はっきり書きますが、おまかせ3万円超の店なら常に最高クラスの魚ばかりが出てくるというのは思い込みです。もちろん中にはそういう店もありますが、僕の知る限り、それはほんの数軒だけです。鮨屋の経費は食材の仕入れだけではなく、店の家賃とスタッフの人件費も大きな割合を占めます。つまり家賃相場が高い場所に広い店を構え、サービスを充実させるためスタッフを多く雇っている店は、魚ばかりにお金をかけるというわけにはいきません。そしてここが大事なポイントですが、最高クラスの魚はお金さえ出せば買えるというものではありません。そもそも最高クラスの魚を扱う業者は限られていて、買うことができるのはその業者が認めた店だけです。特に不漁などの理由で高騰した場合、つまり市場に品物が少ない時は、買えるのは業者との信頼関係が厚い店に限定されます。単純に大金を積んだからといって買うことはできないのです。中には、マグロとウニだけ高価なものを仕入れて他を抑えるという所もあります。市場で高値をつけるのはマグロとウニだけではなく、シラカワ(シロアマダイ)やホシガレイ、そして水管の部分しか使わない本ミル貝(ミルクイ)なども、握り1貫あたりの値段に換算すればほとんど同じレベルです。その味を知る人には垂涎の高級食材ですが、一般的にはそこまで高価であるとは知られていない。そこでこうした魚をあえて使わない事で全体の値段を調整するというわけです。

・僕が初めての鮨屋に行った時、そこがどんな店かを知るために必ずすることがあります。それは店内の掃除をチェックすること。職人の包丁を見ること、そして働くスタッフの動きを観察することです。店内の掃除を見ればいろんなことがわかります。掃除が行き届いていない店は魚の仕込みも手を抜いていることが多い。魚の下ごしらえをする時には血が飛び散ったり床に落ちたりしますから、汚れが見えなくてもこまめに掃除を擦るのが常識。それなのに見て分かる汚れがあるということは、他の作業もきちんとしていない可能性が高いのです。包丁を見るのはそこに職人の性格や修業経験が表れるから。たとえば魚を切った後、すぐにきれいな布巾で包丁を拭うのを見たらちゃんと修業した人だとわかります。反対に使った包丁を放置したままにしていたら、この店はダメだと思います。そして一番注意深く見るのはスタッフの動きです。これは新時代の鮨屋を見極める上で最も大事なポイントかもしれません。具体的には、店に入ってまず人数を確認します。複数いる場合は役割分担を見ます。そしてその役割にふさわしい動きをしているか、目配りができているかを観察します。それはあくまで観察するだけで声をかけたりはしません。なぜこんなことをするのかと言うと、今の時代、たった1人でも優秀なスタッフがいる店はほぼ確実に美味しいからです。もう何年も前から、鮨屋は有名店も人気店も関係なく慢性的な人手不足に悩まされています。つまり鮨職人を目指す人は自分から店を選べる状況にあります。そんな中、優秀な人材が修業先として選んだ店は間違いなく魅力のある店と言えるのです。掃除や包丁を見るのは慣れない人には難しいと思いますが、スタッフの動きなら誰でもわかるはず。優秀な人材の中には、数年後には店を出す人もいるわけですから、チェックしておいて損はありません。今まで親方の顔しか見ていなかったという人は、次からはスタッフの動きにも注目してみてほしいと思います。

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