詩人の血

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

腺の悪魔

2006-09-14 22:55:53 | Weblog
にじみ出る体液分泌
透明の傷口は裂け
その欲望を滴らし
狂気の朝へと向かう

夜のうちに
聖なる夜のうちに

体内を巡り
朝目覚め
人を狂気へと押し流す
汚泥の腺の悪魔をその欲望の糜爛体を
重油の統率で焼き焦がし
腐れた脳髄をベーストの練り物に造形し
灰と為さなければ いやその灰さえ蒸発する
聖なる袋小路 核分裂の檻へ ぶち込まなければ
奈落の無限大の白光にその傷口を晒さなければ

煙る朝に
腺の悪魔は赤く変色を始めた
破水の傷口を舐め舐め産道となし
狂気と共に生まれてしまう

ウゥ・・・ウゥ・・・ア~・・アゥゥ・・・
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夜の陰画

2006-09-14 20:37:47 | Weblog
闇の透き通り始めた陰画は
宵宮の日の真夜中に
電信柱に貼り付けられた

霊視と解析の挙句の果て
夜は解体され統合され

果てしない陰画の夜は
たるんだ夜空に掲げられ
黒い光に たなびいた

夜の陰画が掲げられた
路地の掲示板に気配が漂う

野獣が鼻を利かせ にじり寄る
どす黒い欲望の有機体のゆがみ
そして獣のさがは分泌物に溺れる
酩酊のよどみに喘ぎつつ
陰画に邪視を乱射する
 
誰として 歓声を上げるでも無く
暗い路地の掲示板の前を通り過ぎる 

その冷たい足音 夜を目覚めさす
彼らの蹴る舗装道路の下から

白光の天使たち 生成し
夜の陰画を祝福する
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そぼ降る雨は

2006-09-14 09:51:27 | Weblog
そぼ降る 雨音を 聞き入る

部屋は 冷たく 整えられ
無音の場所に 冷蔵庫の静かな ざわめき

窓  心に入る

思い出のように 風景を切り取る
明らかな場所  窓
(景色をうたをうたっている)


雨が細く曲線を描くから
私の魂はそぼ降る雨音にしっとり染まる

遠い見たことも聞いたことも無いところへ憧れて
部屋を満たし始めた魂が
空へと溢れ出てゆく

白い靄がかかった散歩道に流ている
 
静まり返った 郷愁の雨音

そぼ降る 雨は
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