詩人の血

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

いかがお過ごしですか?

2006-09-21 08:23:51 | Weblog
爽やかに 今日も
秋の光が 降った 
この窓辺 この街に

しめやかに 時をこじ開け 降り注ぐ
透明で 暖かく 気持ちの良い
『愛』のようなもの

だれかれ 区別なく 
無償の行為さ 太陽の光

降り注ぐ 彼から 上昇への招き
耳あるものは聞くが良い
眼あるものは見るが良い

今日 またしても 秋の光が
この街に 降った

爽やかな 時
君はいかがお過ごしですか
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樹海

2006-09-19 11:07:55 | Weblog
ここ 幾年
人界より 隔離した樹海

寒い日に うらぶれた靄など立つ
軟体のじめじめとした
腐れ木の影に
毒キノコなどはえ
羊歯の樹液など滴り
ときどき 思い出したように 
だるい 陽射しさす

昼なお暗き 樹海に
獣の気配し 湿ってい
やせ細った 惨めな毛並みの
野犬の群 

樹海にさ迷う 自殺者の腐乱肉など食らい

うっそうとした 地獄に生息する 『野獣』なるもの
白い骨 飛ぶ ここ 
腐乱の吊るされた 死体などを 飾りとして
確かに 息づく 糞尿の蛆虫の王国
腐乱の恐怖にまざまざと 包まれつくす ここ

観世懲悪 ああ 地獄は確かにある
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夜と夜の

2006-09-17 23:46:54 | Weblog
夜と夜の狭間に
夜の谷に
崩れ去らないように
細い糸を張るから

神聖な夜が 今日も深まるように
眠らずに天候を読みながら
この夜のように優しく 
世界を包む

静かに細かい雨がそぼ降り
細い寝息がこの闇に溶けてゆく
そんな深い夜の谷間に

雨音が夢を濡らし
谷間の白百合が咲き誇ったら
夜は夢を運ぶだろう
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青銅の蛇

2006-09-16 01:31:59 | Weblog
青く煙る 夕暮れ
窓から 黄昏の気息 忍び寄り
一人 聖書よむ 我
ロザリオ握り締め ラテンの呪文など唱え
夕焼けの紅 粗末な卓にかかり 青く遠く 紅 近く
偉大な日没を見入る もう夕べの祈りの時間
闇が音もなく滑るようにやってきて
このあたりもどっぷり闇につかる
燭台に焔ともし 十字架の前に跪き

夕べの祈り始めり 祈り始めり

すると 疾風 読み止しの本のページをめくり
雷鳴とどろき 黒雲あらわれ 驟雨 木々を濡らす
さらにさらに雷鳴近づき 
空気を震わし 風 逆巻き落雷する

ひるまず祈り続ける 我
続けざまに落雷する 雨脚ますます強く
窓際の床が濡れ始める
祈りの背後から気配がしている
その場の空間が気で歪み始めている
不協和音の連続のような感覚
異空間を通過しているような
切迫感をともなった 荘厳な重々しさがやって来た
 
祈りを中断 背後の窓を閉めようと振り向くと
窓から 立ち木伝いに 
青銅の色した身の丈ほどの蛇
激しく雨に打たれ 
そのなめし皮の鈍い光の肌 ますます光り
体半分 部屋に入っている
稲光がその体の影を大きく映し出す
ゆっくりゆっくり空間を歪め
まるで王のような優雅な面持ちで
体はもう部屋に入りきった
ドサッ 
窓枠から彼が床に落ちた音がする

青く鈍く稲光を照り返す 青銅の蛇
思惑ありげに その赤き舌 伸ばし
何かの 間合いを 計るごとく
音もなく ゆっくり ゆっくり 
その体よじらせ蛇行しながら 前へ進む
規則正しい宇宙のリズムをその身に宿す
その知恵で星と星の出会いの手助けし
ヘルメスの杖に巻きつく二匹の蛇は二重螺旋
明と暗 昼と夜とを統合する象徴の図柄で表され
自らの尾を噛むウロボスは永劫回帰表している
第三の眼に関わるクンダリニーは尾てい骨にとぐろを巻く

あらゆる良き知らせ青銅の蛇は
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糜爛の腐体2

2006-09-15 08:58:46 | Weblog

「国 敗れて山河あり 城 春にして草木深し」
この爛れきった欲望海で 浮遊する懺悔の言葉か

赤く腫上がり溶け始めた太陽が発する腐臭の光
光よ 光よ
我が身の因果で送り込まれた この暗い海に
恐怖の波頭はうねり翻弄され凶暴な口開け我を襲う
暗く凍える欲望海 押し殺す雲は低く垂れ込める
体は腫上がり水で膨れるブヨブヨの体らしきもの

凍りつく拷問のうねり
「ああ 光よ射せ せめて 体を温めよ」

暗紅の空は笑い始め やがて雲が裂け
一条のか黒き光 糜爛の腐体を白く浮かび上がらす
おお これは神の奇蹟か我が体が宙に浮き
えも言われぬエクスタスの境地へ体ごと上がった

白く淡い波動のなか
ああ これは神の慈悲の光
我 見たり うつつ世で為したこと為さぬこと・・・
そして 裁きの場へと導かれろ 嘘汚れた魂よ
魂の計量をなすトートー神様の前で跪け
貴様の心の重荷よ そして
天秤棒に天使の羽が乗せられる
ゆれるゆれる天秤は 重い貴様の魂で
撓って今にも折れそうだ
こんなに重い魂を 悪に染まった魂を
神々いまだ見聞きも知らず
驚きと恐怖の声でどよめいた

まどろみに近い瞑想で贖罪の涙が頬伝い
花が一輪咲いたとて
地獄の鬼にむしり取られ足蹴にされる

因果の法理は厳然とまるでうしおの満ちるごとく執行された

ゲドウ サイモン キチガイ ジゴク
サテモ ジゴクヲ ドコゾトトエバ 
シャバトイウノガ ココイラアタリジャ

ココイラアタリジャ・・・

はっと いつもここだ じっとりの寝汗をかいて目覚めるのは
何も変わっていない 時計は午前三時を指している
あさがきたらいつものように灰色の日常が続くだろう
しかし毎夜毎夜 この夢を見る

何といって変わったことがあったわけではない
最近 書架に聖書がやってきたこと
ぱらぱらと拾い読みした以外は
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腺の悪魔

2006-09-14 22:55:53 | Weblog
にじみ出る体液分泌
透明の傷口は裂け
その欲望を滴らし
狂気の朝へと向かう

夜のうちに
聖なる夜のうちに

体内を巡り
朝目覚め
人を狂気へと押し流す
汚泥の腺の悪魔をその欲望の糜爛体を
重油の統率で焼き焦がし
腐れた脳髄をベーストの練り物に造形し
灰と為さなければ いやその灰さえ蒸発する
聖なる袋小路 核分裂の檻へ ぶち込まなければ
奈落の無限大の白光にその傷口を晒さなければ

煙る朝に
腺の悪魔は赤く変色を始めた
破水の傷口を舐め舐め産道となし
狂気と共に生まれてしまう

ウゥ・・・ウゥ・・・ア~・・アゥゥ・・・
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夜の陰画

2006-09-14 20:37:47 | Weblog
闇の透き通り始めた陰画は
宵宮の日の真夜中に
電信柱に貼り付けられた

霊視と解析の挙句の果て
夜は解体され統合され

果てしない陰画の夜は
たるんだ夜空に掲げられ
黒い光に たなびいた

夜の陰画が掲げられた
路地の掲示板に気配が漂う

野獣が鼻を利かせ にじり寄る
どす黒い欲望の有機体のゆがみ
そして獣のさがは分泌物に溺れる
酩酊のよどみに喘ぎつつ
陰画に邪視を乱射する
 
誰として 歓声を上げるでも無く
暗い路地の掲示板の前を通り過ぎる 

その冷たい足音 夜を目覚めさす
彼らの蹴る舗装道路の下から

白光の天使たち 生成し
夜の陰画を祝福する
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そぼ降る雨は

2006-09-14 09:51:27 | Weblog
そぼ降る 雨音を 聞き入る

部屋は 冷たく 整えられ
無音の場所に 冷蔵庫の静かな ざわめき

窓  心に入る

思い出のように 風景を切り取る
明らかな場所  窓
(景色をうたをうたっている)


雨が細く曲線を描くから
私の魂はそぼ降る雨音にしっとり染まる

遠い見たことも聞いたことも無いところへ憧れて
部屋を満たし始めた魂が
空へと溢れ出てゆく

白い靄がかかった散歩道に流ている
 
静まり返った 郷愁の雨音

そぼ降る 雨は
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焔(ほむら)

2006-09-13 22:29:49 | Weblog
理性の時
創造の野

脳髄の遊撃は
この地に印を刻みつけ
この空に線を強く引く

理性の爆発
論理の爆風

そして この地は空は
霊的な焔に包まれてゆく

上げ潮のごとく 
あるいは
夢見る引き潮のごとく
どんよりと訪れ始める 時

東雲の朝焼けの色
この焔は
大地を空を灰に焼き尽くすまで終わらない
霊の焔は
この地球が愛の灰で包まれつくすまで消えない

浄化の焔
理性の焔は
この大地が乾ききるまで

愛の炎で焼き尽くす
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今は遠い君が

2006-09-13 19:00:47 | Weblog
そう それは いつ

今は 遠い 君が
純粋アルコールと酩酊の肉欲に
魂を売ったのは

こともあろうに・・・

君の魂の最も高貴で輝かしい『良心』を
冷笑の地下室で真夜中に
狂気の磔刑にかけた日は
今日のように肌寒かったか?


すでに 牢獄に閉ざされた
凍てつく 氷のように 冷たい
どす黒い鉄格子が『良心』に影を落としていた


それは 『良心』が君を『狂気』から救う手立て

『良心』は 悪の体臭で蒸れつく場所に
君を 救うため自らを罰する 牢獄を作る


君は君の『良心』を磔刑にした日から
無期懲役を
勤める

囚人だ
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冷たい雨の

2006-09-13 09:26:29 | Weblog
そぼ降る 意味の雨に
木々は その 枝を撓らせて

雨は 伸びた か細い腕に 雫を結ぶ
雨が 枝にとどまって 世界を乱反射して

また 帰ってゆく 大地

私は私で
電柱にちゅうずりの
工事会社の社員のように

細かな仕事に集中している

木々の枝を ナイロン糸で 繋いでいる
木々を 『意味』と『連関』で満たそうと
枝と枝を感覚器になそうと
反射器を作ろうとしている

そぼ降る 冷たい雨は
手を凍えさせ 額を伝う液体が 目に沁みる
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雲の海に

2006-09-12 08:32:13 | Weblog
秋口の静かな 空

この 曇り空 から
太陽の残滓 漏れ伸び

郷愁の北東風 吹く

灰の空に 伸ばされた
鬱々とした腕
それはきっと 空を切り取り
熟練のワザは鋭いエッジをたたき出す

曇り空に透明の釣り糸を垂れて
白い魚を釣っている 一日

そして 太陽は昇り 沈む
星々は 上昇のスピンを続けた

雲の海に釣り糸を垂れる
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天空の都

2006-09-11 21:47:02 | Weblog
やわらかな 風
そよぐ

おだやかに 光
ふりそそぐ

この青空の豊かな胸

雲の架け橋 はるか しろく

この 風 そよぐ

天空の都
空の高き
尖塔の聳え立ち
雲の間に間に
金色の輝く橋かかり

都の民の白い翼
強い陽光に輝き
風とともに
雲居を渡る

しずけさの 風景
ふりそそぐ 陽光

たおやかな 時のみ過ぎて
永遠が 定着されていた
光 とどまる いたいほど

そんな 都
天空の時
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龍の道

2006-09-11 08:11:19 | Weblog
空にうねる・・・
龍の道が作られ
雲はわき出る

静かに!
曇天の空に
雲はわき出る

空をこのように見据え
木々のこずえに宿る
神々の息吹を感じ

我ら 今日を生きる
生ききる・・・

命を削るほど
思索しても
きっと明日は
また
再来する 日輪

夜と昼の
神秘のリズムのように
更新するように 今が 在る!

今日は曇天
龍の道

きっと 何かが 語られ・・・

今日と言う 一日に
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真夜中の太陽

2006-09-10 22:40:20 | Weblog
そんなに不可思議な夜は
心の中心
チャクラの宮に
一条の灯火をともす

真夜中の中心に
昼間の太陽を見る・・・
秘められていた事どもが
明るい太陽に照りかえる

そこはかとない感情の夜に
理性の光は
言葉としてその感性を
銀幕に定着さす

夜にあまりにも不可思議な夜に
我々はもっと もっと
理性の光を見るべきだ
真夜中の太陽を
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