詩人の血

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

糜爛の腐体2

2006-09-15 08:58:46 | Weblog

「国 敗れて山河あり 城 春にして草木深し」
この爛れきった欲望海で 浮遊する懺悔の言葉か

赤く腫上がり溶け始めた太陽が発する腐臭の光
光よ 光よ
我が身の因果で送り込まれた この暗い海に
恐怖の波頭はうねり翻弄され凶暴な口開け我を襲う
暗く凍える欲望海 押し殺す雲は低く垂れ込める
体は腫上がり水で膨れるブヨブヨの体らしきもの

凍りつく拷問のうねり
「ああ 光よ射せ せめて 体を温めよ」

暗紅の空は笑い始め やがて雲が裂け
一条のか黒き光 糜爛の腐体を白く浮かび上がらす
おお これは神の奇蹟か我が体が宙に浮き
えも言われぬエクスタスの境地へ体ごと上がった

白く淡い波動のなか
ああ これは神の慈悲の光
我 見たり うつつ世で為したこと為さぬこと・・・
そして 裁きの場へと導かれろ 嘘汚れた魂よ
魂の計量をなすトートー神様の前で跪け
貴様の心の重荷よ そして
天秤棒に天使の羽が乗せられる
ゆれるゆれる天秤は 重い貴様の魂で
撓って今にも折れそうだ
こんなに重い魂を 悪に染まった魂を
神々いまだ見聞きも知らず
驚きと恐怖の声でどよめいた

まどろみに近い瞑想で贖罪の涙が頬伝い
花が一輪咲いたとて
地獄の鬼にむしり取られ足蹴にされる

因果の法理は厳然とまるでうしおの満ちるごとく執行された

ゲドウ サイモン キチガイ ジゴク
サテモ ジゴクヲ ドコゾトトエバ 
シャバトイウノガ ココイラアタリジャ

ココイラアタリジャ・・・

はっと いつもここだ じっとりの寝汗をかいて目覚めるのは
何も変わっていない 時計は午前三時を指している
あさがきたらいつものように灰色の日常が続くだろう
しかし毎夜毎夜 この夢を見る

何といって変わったことがあったわけではない
最近 書架に聖書がやってきたこと
ぱらぱらと拾い読みした以外は
コメント
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