すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

れいわ新選組の今後の行く末は?

2020-08-04 20:56:56 | 政治経済
反緊縮路線を維持できるか?

 今回はちょっとローカルな話題なのだが、れいわ新選組の現状と今後について書こう。結党からのメンバーだった大西つねき氏が除籍にされ、すったもんだのれいわ話である。

 いったいなぜ除籍になったのか? 大西氏が自身のYouTubeチャンネルで、高齢化により日本の年齢別人口比が高齢者と若者とでかけ離れてきたことに触れた。社会の極端な高齢化だ。ならば今後、増える高齢者の介護を若者がやるにあたり、(1)若者の時間と労力が吸い取られる、(2)ゆえに生が不自由になった高齢者の「命の選別」を政治がやる必要がある、(3)順番でいえば、高齢者から先に逝ってもらうことになるーーと大西氏は発言した。

 わかりやすくひとことで言えば「命の選別」なのだが、これは非常に誤解される言葉だ。明らかに損である。客観的にいえば、大西氏が提起したのは老いからくる終末期医療の問題なのだが。例えば私はトリアージの問題と絡めて考えていたが、どうにでも取れる発言だけに情報の受け手の主観で処理されてしまう。

 案の定これに火がつき、ネットは大荒れ。山本太郎が都知事選に出馬したせいで宇都宮氏を推した共産党とれいわの共闘が崩れ、怒り心頭だった共産勢力までが乗り込んできて大騒ぎになった。

 大西氏は、老いからくる終末期医療問題に言及した。だが、これを障害者問題にまで拡大解釈され、山本太郎代表も境目がない問題だとして追及した。そこで事態の収拾案として山本代表が提案したのは、大西氏が当事者(障害者)から話を聞くことだった。同和問題とかで問題発言した人が「当事者の話を聞く」ってよくあるでしょ? あれですな。

 で、なぜか障害者の木村英子議員が当事者だってことになった。彼女は大西氏と話したが「大西氏は自分の正当性を主張するばかりで全く反省の色がなかった」(木村議員)てことで物別れ。結局、大西氏は辞表を提出しようとしたが受理されず、党を除籍になった。

れいわは「障害者の党」になる?

 大西氏の除籍が決まり最初の記者会見に出てきたのは山本太郎代表と舩後靖彦議員、木村英子議員だった。ここでトピックだが、実は舩後議員と木村議員は副代表になっていたらしい(そんなの誰も知らないって)。なんだか会見に出てくるなり「スリートップ感」が漂っていたが、そういうことだったのだ。

 さて、ここでにわかに持ち上がったのは、あれはクーデターだったんじゃないか? って説。つまり山本代表を取り込んだ木村議員が結党以来のメンバーである大西氏を追い出し、実権を握ってれいわを「障害者の党」化するんじゃないか? と。

 山本太郎は結党以来、「生きているだけで価値がある社会作り」を訴えてきた。だが大西氏は命の選別を政治がすると、党のベクトルとは真逆の話をした。実際、大西氏の話は、若者のために高齢者の命を摘んで行くという方向だった。障害があっても生きているだけでいい、というのとは真っ向から対立する。インタビューで山本代表は「価値観が共有できてなかった」と語った。

 さて、ここでれいわ新選組の今後の話だ。

 大西氏といえば、れいわにおいては金融経済の支柱だった。彼を失い、反緊縮の政党としてやって行けるのか?(半端にでも反緊縮の理論を語れるのは、もはや山本氏しかいない)

 で、騒動で大きくフィーチャーされた木村議員の話になる。貧困問題を続けて訴えてきたれいわ新選組は今後、さらに左派色を強めて障害者の人権を守る党として活動して行くのではないか? もし木村議員が裏で主導権を握っているなら、そうなってもおかしくないはずだ。

 反緊縮の党じゃなく、障害者の党になるなら、ごく普通だなぁ。個人的には興味ない。

 やれやれ。

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