ジェロニモス修道院の内部に入ってゆきます。
この中庭を臨む回廊が素晴らしいのです。美しいアーチには繊細な彫刻が施されており、大航海時代の栄華が刻まれているのです(^益^)b
大ピンチをむかえる ~マゼランと世界一周(6)
マゼランが率いる総勢265名を載せた5隻の船団は、人類未踏である世界一周の夢を胸に出帆した。何年にも及ぶ未知の世界への旅の準備を、想像を絶する忍耐力をもってやりとげたとはいえ、まだマゼランには大きな問題があった。もとよりポルトガル人のマゼランがスペイン人の船団を指揮するのである。当然部下たちは面白くないし、信用されているわけでもない。マゼランの乗る指揮艦の他4隻の船長たちは、それなりの地位と実績を持つ者たちであり、頭に立っているよそ者のマゼランに反感を持っている。さらにこんな危険な大冒険に参加してくる乗組員たちは、うさん臭いところからかき集められたくせ者ばかりである。
マゼランはこういった部下たちとのこぜりあいや反乱を乗り越えながら南米の沿岸を南下し、5ヵ月後の翌年1月、ついに巨大な湾に到着した。これこそ、彼が探し求めていた秘密の抜け道かもしれない!
しかしここは、ラ・プラタ河の河口であった。実はマゼランは、ここが西の海へとつながっている海峡であるという間違った情報を元にしていたのである。そこの上流を何日も探索しても無駄であった。さらに南下してこれぞと思う河口を探ってみても失敗であった。どこまで行っても行き止まりばかり。そのうち部下たちは不安にかられ出し、反感を持つものたちはマゼランを失脚させる機会を窺った。
この危機的状況を想像できますでしょうか。船の上でひとり自分の失敗をひた隠しに隠し、すべてを打ち明けて指揮権を放棄するか、このまま黙り通して行くところまで行くべきか。ここまで精神的に追い詰められた人がどれだけいることか。