おもむくままに・・・!

ゆったりと、流れのままに、拾いもしない、捨てもしない・・・。 おもむくままに・・・そして私がいる。

ひそかな相棒

2017-06-07 18:51:42 | Weblog
低い重いそらから
たえまなく 雨がふりそそぎ
あたり 一面が 
水滴に まみれて

取り返しの付かない
一点を 思いださせる



あのとき 

この雨の 降り方のように
底知れない 哀しみを
涙で 表現していたら

だれかが 苦しみを
取り除けただろうか


泣きたい気持ちの時は
思いっきり 泣くがよい


その涙に 辟易して
誰かが どこかで
笑い出したら

涙の雨は 
いずれ 乾くことを
哀しみは 
いずれ 薄れることを

だれかが 笑いとばして
教えてくれたら



あのとき 泣くことをこらえて
胸の奥深く
とじこめた 哀しみが

時折 顔をだして
人生の あちこちで
むねを しめつけることが
なかっただろうに


哀しみが 
ひそかな相棒になるのは
望んではいなかった
















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あなたの物語

2017-06-07 14:34:26 | Weblog
遠い道のりを
徒歩で 辿り着いた

山道で 転んだ

野の花に 心うばわれ
道を間違え
沢に降りてしまい
清流で 顔をあらった

そして
我にかえり
元の道を たどった

雨が降ったら
大木の根本で
背中を丸めて やりすごした


あなたの 長い話は続く


わたしの元まで 辿りつくのに
どれだけ 大変だったかを
話し続ける

日付がかわっても
あなたは 眠ることを知らない

話が つづく



そんな 大変な思いをしなくても
わたしは 昔から ここにいた。
山の向こうに 
かくれたり しなかった。

山すそを 回って
たどりつく道も あったはず。


白馬に乗った 王子さまを
待っていた わけではないが

なにか 違うよ。

あなたの過去は あなたのもの

大変だったね と
大手を広げて 迎える若さは
もう無くなっている


それに

わたしにも 語りつくせない
ものがたりが ある。





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重荷

2017-06-07 00:21:12 | Weblog
固く握った手を 振りほどくのは
容易くない

強さから 思いが力になっているのが
伝わるから


手を握って 離さないでほしいと
願うとき
いい加減で 離してほしいと
望む時が来るとは
考えもしない

力加減で 思いの強さを
計って
喜びにかえていた ことなど
忘れて


その思いが 重荷になるとき
別れの 兆しが
すでに 始まっている

認めようと
否定しようと


同じ思いで 手を握り合う時間は
そんなに 長くはないのだと
悟るのは 全てをなくした後のこと


目覚めた朝 何かが足りないと
感じる瞬間が
誰にでも 訪れる


あなたの 心の庭で
私が 伸びをするのは
いつのことだろう








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