小腹がすいた と 食べ物を求めて
異邦人 に なるために
フードコート 的な 場所を見つけて
ごった返す 人の中に紛れ 食べ物を 物色する。
日本食を 心底愛してやまない私には
とても難しい 選択を迫られ やっと見つけた
吉野家の牛丼なるものを チョイス。
現地の人の隙間に 椅子を見つけて やっと 座れた。
肩が触れ合うばかりの 狭さに 辟易しながらも
日本にいては 絶対 えらばない 空間にいることで
エトランジェ を かろうじて 認識する。
隣のカップルが 席を立ち すこし 窮屈感から解放された
と思った矢先 そのむこうに向き合って座っていた 母娘が
手招きして 近くへ来いという。
逆らわずに 席を移動する。
こんな時に限って 人見知りのわたしは 姿を消し
最上のフレンドリーな 笑顔を見せて
店の人を呼んで テーブルを きれいにしてくれた母の女性に
サンキューを言う。
そこから 始まった会話は 昔の知人に遭遇した同士のように なめらかで
信じがたいものだった。
終わりに 甘いものは好きかと聞かれ 好きだと言うと
この近くに 美味しいタルトの店がある。
行こうと言う。
素直に 従うと 店まで案内してくれた。
ホテルへ戻って 部屋で お茶するのも いいなってことで
注文すると やおら お金を出して 母なる女性が 払おうとする。
すこしの押し問答があって 結局 又 サンキューってことになり
買ってもらった。
メールアドレスを交換したので 何らかの コンタクトは 後日・・・となる。
こんなことは 異邦人になりきった 結果だと思った。
人見知りで 引っ込み思案な わたしではない人が そこに存在した。