そのとき
足元の 石ころを 蹴っていた
言葉が つまって
もどかしく
解けた靴紐を なおすこともなく
ただ 足元の石ころを蹴っていた
そのとき
空を見上げて 雲の動きに夢中になった
胸の中から 空気が抜けていく音がした
どこからか
誰かが呼ぶ声が 三度響いた
そのとき
涙が こぼれるのを見た
涙に 月がうつっていた
何も見なかったかのように
大きな声で 歌を歌った
大人になるための関所を
いくつもいくつも 通り過ぎて
やっと たどり着いたこの世界
同じことが 時々
デジャブのように 襲ってくる
生きているということの証なのか
シーマニア
花言葉 繁栄