ゆったりと、流れのままに、拾いもしない、捨てもしない・・・。 おもむくままに・・・そして私がいる。
永遠の愛というものが
あると まだ
信じられた若い頃
永遠なんて 気の遠くなる
誓いは いらないと
思っていた
今 が大事だと
広言していた
今を どうするかが
大切と 思った
永遠の愛などは
絵空事 と
知ってしまった いま
いま 愛していると
言う前に
明日も 愛するか
その次の 日も
その又 次の日も
愛すると 言って欲しいと
心変わりは 誰にでもあるのに
それは よくわかっているのに
変わらないと
言葉にして
告げて欲しいと
変わっていくのは
私自身であることを
気づかぬ ふりで
求めてしまう
わがまま
意図しない方向へ
話が 進んだとき
戻す方法は ないですね
そこから 背中を見せて
ひき返す方法は ないですね
今のはうそうそと
子供のように 打ち消して
笑って逃げるのも
おかしいし
実はね と さらに深く
掘り下げるのも
策に溺れる 感じだし
自身のことを 語りすぎると
人前で 裸になるような
気恥ずかしさで
顔を上げられなくなる
ほんとに 元に戻す方法は
ないですよね
こんな時 人は
どうするのだろう
フロントガラスに
たたきつける
大粒の雨 と
それを斜めに吹き流す
強い風
厳しい 天候の中で
車を 走らせる時
雄雄しい 戦士のような
気持ちになります
何か 負けられないぞ
と 気持ちが はやり
目的地までを 乗り切ろうと
立ち向かっていく
それは 子供じみた
決意でした。
~~支配からの卒業~ と
尾崎豊が 唄い
大音量で 先へ進みます
雨雲が 去ると
勇敢な 殺気だった気持ちも
いつの間にか 過ぎ去り
おとなしく 梅雨空の
重苦しさだけを
受け入れて
今日が 終わります。
その先の 話をしましょう
あなたと 別れた後
素敵な 愛を 拾いました。
あなたが見せてくれなかった
居心地の良い 空気を 漂わせ
聞かせてくれなかった
慈しみの 言葉で
聴いたこともなかった メロディーに乗せて
私を すっぽりと 包んでくれる。
その先の話をしましょう
あなたと別れた私は
もう出会うこともないと
諦めかけた 愛を 見つけました。
私の長い物語を
あなたにするのは
最初で 最後
私は やっと その先へ
歩み始めたばかりです。
思いの中に 漂う
それは
心が病むこと
傷つきやすく
壊れやすい
ガラスの心を
持つわたしは
いつも 辿りつけない
思いの渕で
自分を 傷つけ
哀れみ
ある日 ある時
その思いから
突然に
解放されるのを待っている
心の詩に
癒されながら
まっすぐ 好きと
言える 時まで
気づくこと と
気づかずに 過ごすことの間で
曖昧な どうでもよいことが
いくつか あって
曖昧なことに 固執し始めると
苦しく なるのが
当然らしい。
ぼんやり 過ごすことが
平和だと したら
曖昧に やり過ごすのが
難しい 気質を持つと
非平和 と 不幸を
拾うことになる
穏やかな 暮らしを
希求するとき
曖昧を 明らかにして
いわば 白黒つけて
前に 進むか
目をそらしたままで
逃げ腰で
何事にも無関心なまま
生きていくか
その人生の 終わりの日に
笑顔で 別れを言えるか
選択肢を 迫られる場面が
いつもの暮らしの中に
背中合わせに 存在する。
失敗を したくない私は
そのことを
認めて 毎日を過去へ
送り出す。
潔さを 全うしたい。
時が過ぎて
思い返すと
何かが はじめの思いとは
違っていることに
気づくことが おおい。
薔薇を買うつもりで
花屋を 訪れたのに
店を出るとき この手には
ガーベラと かすみ草が
詩集を買うつもりで
本屋を訪れたのに
帰りには 旅行の小冊子
赤いブラウスが欲しくて
ブティックへ 行ったはずが
黒のシフォンの それが
私の手に
決して 移り気な人ではないのに
どこかで
気持ちを 翻す 力が働き
初めの思いとは
違う結果が残る
結果を 後悔することはないが
ふとした時に
そのことを 思い出して
気持ちの中に
ある 躊躇が 目覚める
人の気持ちが
かくも 不確かで あることを
かなしむ。
消えぬ間に
三度繰りかえし
願い事をすると
きっと思いがかなうという
流れ星よ
星も 月も 雲に遮られ
姿を見せない時は
運命が 私の思いを
拒否するということですか
流れ星よ 答えて
暗い夜は 嫌です
遠い記憶の
アルバムを
めくるページに
涙が ぽとり
ぽとりと落ちた涙を
あわてて ぬぐって
そ知らぬふり
指先が その湿りを
覚えて
先のページがめくれない
あの時 覚えた
幸せの 定義は
いま どこへいったのか
年月を経たいま
あの時とは 違う
幸せを 模索している
それにしても
人それぞれの 幸せに
定義など
あるはずがない
と
今は そう思える
たとえば
路傍の石に
思いを 刻んで
持ち帰り
秘密の庭に 埋めます
たとえば
愛する人の名を詠んで
宝の壺に 封印し
秘密の庭に 埋めます
あなたの指の絡まりの
その感触を 知りたくて
あなたの息の温もりを
うなじに感じる幸せを
たとえば 昔の恋歌を
たとえば 哀しい喪失を
すべての 思いを
庭に 埋め
あなたを 迎えに
旅立ちます
夕暮れは 夏も 冬も
寂しい時間ですね
いつも
夕暮れが 訪れる時
何か 聞こえませんか
誰かが すすり泣くような
何かを 探しているような
それは
わたしの 声です
わたしの 心の声です
車の きしむ音かもしれない
電話の 鳴る音かもしれない
それとも
誰かが わたしを よんでいますか
誰かが わたしを 探していますか
日中の暑さに比べて
朝は すがすがしく
陽射しが さわやかに
迎えてくれる
今日の始まりを
たたえるようだ
午後には 無残にも
態度を変えて
照りつけるのに
太陽の移り気から
守るように
庭の 草木に
たっぷりの 水を与え
夕暮れの 星空が
見えるまで
さりげなく 太陽を
受け止めるように
うながす
そうして 日常の
わたしの暮らしも
いつもどおりに
はじまった。
夕暮れが 体を
少し 冷やし始めるまで
このままで
いつもどおりに
病院の待合室で
古くから顔見知りの人と
出会い
最近の 体調を確かめ合い
姿を見ない 人のことを
訊ねられた
うらやましいほど
仲良かったでしょう・・と
わたしにとって その人は
長い通院期間の間に
唯一 心許しあった人
その人の名前を 口にするだけで
涙が こぼれる
彼女とは もう会えない
共通の 持病がありながら
その人は 腎臓摘出後
さらに 大腸癌に
愛犬 ラブを残して
若くして 逝ってしまった
5年有余 過ぎたのに
普段は 口にしない
その人の名は
わたしには 禁句であった
さっぱりとした 気性で
女性特有の
粘着のある付き合いではない
とても 男性的で
たじろぎがなく
大腸癌の手術を しても
何も 変わらなかった
かえって
わたしを いたわってくれた
その人に 思いを馳せて
5年の月日を
タイムスリップ してしまった。
あのときの 哀しみが
胸の中に 充満して
逢いたいと 切に 思う
今の わたしに
彼女は 如何 語りかけてくれるだろうか
涙を 一杯流して
首をかしげる 紫陽花の花よ
あなたは 雨のしずくで
涙を ごまかしているのでは
ありませんか
あなたはうれしくても
そんなに 泣くのですね
あなたが 本心を隠そうとしても
あなたのことは 良くわかってしまうのです
あなたは いつの間にか
私になって
庭の片隅に ひっそりと佇み
晴れようと 暗い雨が降ろうと
首をかしげて
そこにいる
涙を 一杯流して
雨の中で 泣くのは
もしか 誰よりも
幸せを 感じているからではないですか
それは うれしい涙なのですね
自分だけ 苦しんでいると
思うと
それは むなしさにつながる
思いの向こうに
あなたの顔が あると
苦しみは 半分になり
明日のための
辛抱と 感じられて
嗚咽は
飲み込むことが出来る
互いの思いの
つながりを 信じる時
それが 妄想であろうと
苦しさは
期待へと 変化出来る
少なくとも
変化の 兆しを
読み取ることが出来る
誰かを 思うことが出来る
幸せを
人知れず 抱きしめる
変化できる
新しい明日を 信じる。