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岸本晃の住民プロデューサーNEWS

「黄色い涙」の舞台で迎年会、主役を張っていた昔(東京・杉並区)

  今年の出来事では想定外のことが昨夜あった。東京・杉並区で新しい年を迎えるための「迎年会」があったのだ。杉並住民ディレクターの皆さんとご一緒させていただいた。いつもなら高橋明子さんが声かけされるのだが、今回は宇治川さん、山田さんのお二人が主催してくださった。当初は夜なべ談義をしたいとのことだったが、今年は楽しく飲もう!ということで昨夜になった。驚いたことに各自が一品を持ち寄ってとのことだったが、女性の手作り料理をはじめ、著名な餃子屋さんの餃子やエビのてんぷら、焼き鳥など山江村の飲み会のように品が揃った。ちなみに私は辛子蓮根を買っていった。久しぶりに食べたが、まさに辛かった。

 料理だけでなく酒も多彩だった。新潟の寒中梅、鹿児島の芋焼酎、明治に浅草のバーで生まれた「電気ブラン」という独特のリキュール、そして市販のビールだが何にやら、「いわく付き」のビール等々。全部美味しかった。場所も東京らしくマンションの一室だったが、この部屋は杉並区の職員がこういう集まりに活用してもらいたいと所有しているものらしい。山江村で言うと農家の松本さんがもっているケニアハウスのようなものか?あちらは元小学校だが提供されている使い方は同じ志のものだ。杉並のメンバーが10数名集まり、住民ディレクター活動を核に日ごろ考えていることや、私への疑問、質問などを大いに語り合おうという趣旨の集まりだった。美味しい酒と肴に舌鼓を打ちながら和やかに場は盛り上がっていた。

 途中、「黄色い涙」という映画をDVDで少し見たがこの映画は永島慎二という漫画家の原作で昔は「若者たち」といった。当時はNHKのドラマにもなったりしたのだが、永島慎二は中高年世代では「柔道一直線」というスポコンもので記憶のあられる方が多いだろう。しかし、永島さんは「柔道一直線」自体は好きではなかったらしく生活のため、特に弟子たちを育てるために描いていたらしい。一方で「若者たたち」は描くべくして描いた作品で、名作「フーテン」などと時期が近く、永島慎二をカリスマにしていった作品だ。本来は児童絵本、漫画を描きたかった人で早くして亡くなった。手塚治虫さんの「宝島」を読んで漫画家を目指した一人だった。著名な漫画家たちの若き日の下宿で有名な「トキワ荘」の住人、石の森章太郎、つのだじろう、藤子不二雄、寺田ヒロオなどよりは少し年代が下だが、実際にフーテン的な生活をしていた団塊の世代にはカリスマだった。

 私は当時日本で一番田舎!?の山口大学でフーテンや若者たちを読んでいた。そして東京の人たちに話すとびっくりされるだろうが、この「若者たち」=今の「黄色い涙」(嵐の青年たちが主役だ)を原作に脚本を描いたものだった。何の脚本?実は詩吟劇だった。当時日本一の田舎で「下駄を鳴らしてやつが来るゥー」とたくろうさんが唄ったような格好でど田舎を闊歩していた頃だ。詩吟部の部長をやっていたので勤皇の志士たちが唸っていたような「男児志を立ててェー 郷関を出づー 学ゥーもしなるなくんばあー 死すとも帰らずゥー」などの威勢のいい詩吟も好きだったが、詩吟を使った劇、(当時は構成吟といわれていたが)を脚本化し、主演、演出と勝手なことをやっていた。「黄色い涙」では嵐の二宮和也君が主役を張った売れない漫画家「村岡」役をやっていた。

 昨夜はこの話にいかなかったと思うが、(何しろ酒が美味しくて結構酔いが回っていたので忘れた)日本一の田舎大学で詩吟部の部長をして脚本を書いて、主役、演出をやっている、しかも東京のど真ん中で流行していた漫画の脚本だ。おまけにこの頃は東京が嫌いで中学の修学旅行で行ったきり一度も行かなかった。きっとテレビ局に入って日本テレビに行かざるを得なくなってやっと通い始めた。それは30歳手前のことだ。というわけで昨夜は自分の中では不思議な感じがしていた。あんなに嫌だった東京のど真ん中でしかも師走の年末にあったかいマンションの一室で飲んでいるというのが学生時代を考えるとまったく想定外だった。しかも映画が好きな山田さんはきっとその同じ頃東京でその漫画の光景の中で生きておられたのだ。阿佐ヶ谷、高円寺、池袋などがほのぼのタッチで描かれていた。
 
 さて、寄り道が過ぎた。山江村の次は六本木の村おこしだ、と話していたのが3年ほど前。実際、東京は六本木から始まったがいつのまにか杉並区に来た。ご縁だとは思うが、やはり人間、ひとの力、人と人のつながり、コミュニティ、がこの集まりの真ん中だ。昨日は寒い夜だったがゆったりと人肌の温もりがマンションの部屋に漂っていた。東京にも山江村はある。山江村に東京はあるのだろうか?

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