こも替えは午後2時半頃に無事に終えました。全員が目隠しし、芝の葉っぱを口にくわえて厳かにとり行われました。通常のニュースならこうですが実際は現場では方言丸出しで「ああせろこうせろ(ああしろ、こうしろ)」「そこばきびらんば(そこをくくらないといけない)」などとの声が行き交います。今のわたしには一人一人の顔や性格がわかるのでその会話の面白さが伝わってきます。
全然関係性が無かった2年前ならこういう会話もきっと「厳かに」聞こえていたことでしょう。知り合いがやっている光景と全く見ず知らずの方々の神事では見る側の受け方が全く変わってきます。こうやって日常から関係性があって取材すると一人一人の動きも自然と撮影されていきます。かくして厳粛なこも替え神事は親しみやすくユーモラスな伝統行事として記録され、村民にこれまでとは全く違ったニュースを届けることになっていきます。