
さて、東京ですが「東京生活」でいつもお世話になる商店街を通り過ぎようとしたら角にあった煎餅屋さんがなくなってすっかり更地になっていました。通るたびに気になっていた店でじいさんがテレビを見ながらひたすらお客さんを待っている様子が印象にあったのです。「ひたすら」というのは何かそんな気迫があったのです、そう!確かに気迫がぷんぷんしていました。煎餅がほしくなったらあそこで買ってみようなどと漠然と考えていましたが、そのぷんぷんする気迫に通るたびに反応しながらものれんをくぐるまでには至りませんでした。そうかあ、こういうことだったんだなあ、あの気迫は、と今日更地を目にした瞬間に気づきました。
あのじいさんは多分最期のご奉公で毎日一人でも多くのお客さんを迎えようとしていたのでしょう。何十年と続いた店をたたむ前に。それが気迫になっていたのでちょっと気軽に入れない感じも今振り返ればあったのです。田舎の店が知らず知らず無くなっていくのと何も変わらない状況が都会にも起こっています。うっかり見過ごしましたが恐らくお隣の駄菓子屋さんもなくなって広い更地になっていたとおもいます。ここにはもう何と言っていいか「3丁目の夕日」のあの時期にあったようなそのままのおもちゃ等が古いビニール袋に入ったままいつも店の前にあったのです。返品できないまま何十年と店の一角を飾ってきたのではないかと思うほど歴史を感じさせるおもちゃでした。ここはばあちゃんが一人のようでした。
福岡県と大分県の県境の東峰村に住みますが高齢者の厳しい現実の話はよく聞きます。この東京のど真中でも何も変わらない状況がじわじわと迫っていると感じるこのごろの東京生活です。と書いている間に参院選投票を呼びかける区の車が通っていきました。わたしは熊本で不在者投票(とはいわないかも?今は)を済ませてきましたが、1票の重みが伝わるような住民メディアと活用者の登場が早まるような時代になってきたとは感じます。
票は衆参合わせても何年かに一度しか行使できないのですが毎日行使できる住民メディアが日常を少しずつ変えていくという積み重ねが1票に大きく反映するような動きが必要と感じます。
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