クロの里山生活

愛犬クロの目を通して描く千葉の里山暮らしの日々

耕一物語ー処女航海

2014-08-20 18:07:44 | 日記

風呂場へ案内する明子が、耕一の目の前を歩いている。

薄暗い廊下を歩く明子の身体から、若い女の匂いがした。

耕一は、明子を後ろから抱きしめたい衝動に駆られた。

抱きついて、むしゃぶりつきたい衝動に駆られた。

その時、

「耕一さん、こちらですよ」

と、明子が振り向いた。

ハッと我に返った耕一は、下を向いたまま脱衣所に入り、黙って着ているものを脱ぎ始めた。

明子が浴室で、風呂の湯加減をみている。

《明子になんと声をかけたらいいんだろう・・・・》

《いや、声などかけたらいけないのだろうか・・・・》

《俺はどうしたらいいんだ・・・・・・》

耕一は狂おしい思いで、自問自答しながら裸になってしまった。

「ちょうど良い湯加減ですよ。タオルはこちらにーーー」

と言いかけた明子の目の前に、全裸になった耕一は立っていた。

まさに、まさしく立ってしまっていたのだ。

耕一はどうしていいか分からない。

明子も目のやり場に困って動揺したようであったが、そんな時、女は度胸が座るものらしい。

「背中を流しますから湯船につかってください・・・・」

下を向いたまま静かにそう言うと、明子も着ているものをそっと脱ぎ始めた。

 

 

耕一は、もうどうして良いか分からない。

湯船に頭からもぐり込んだ。

その湯船に、熱くほてった若い女の身体が入ってきた。 

それからは、耕一は明子のなすがままとなった。

明子は23歳。耕一より7歳年上だった。

弟のような耕一の若い身体を、明子は大事な宝物を扱うように丁寧に洗った。

耕一の処女航海は、めくるめく官能の悦びの航海となった。

 

 

気仙沼の章はこれで終わりです。

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする