私は幽霊とか、そういう手のコワイ目には遭ったことがないのですが
ぞわっとするようなことが過去にありました。
今回は、そのお話。
学生時代に、たまに授業が一緒になる女の子(仮にAさんとします)。いつも彼女は私の持ち物とか洋服とかをイイねと誉めてくれてました。
「どこで買ったの?」と聞かれることもあって教えたりしていたら・・・
ある日、他の教室から友達が慌ててやってきて「Aさん、頭おかしい」と言う。
こっそりその教室に行き、見てみたらビックリ。
Aさんは、私の持ち物や洋服をそっくり真似していたのだ。
その日は、違う格好をしていたから、あぁ良かったと思ったものの・・・
イヤ、良くない。
Aさんは私に気がついて寄って来て「真似しちゃった」と嬉しそうに言う。
私の友達が「そっくりだね。そこまでそっくりだと気持ち悪いよ」とイヤミを言ったけど聞いてない。
私の服をフワっとさわって「今日のもいいね。どこで買ったの?」と言う。
ぞわわわわ~~~。
それから、彼女は文房具や服、バックまで他にも私と同じ物をじゃんじゃん買った。髪型も私に似たのに変えた。授業も私のとっている授業にわざわざ変更してきたりして。なぜだかは怖くて聞けなかった。
いや、いいと思ってくれているのは嬉しかった。最初だけ。
でも徹底的に真似されると・・・
ホラーです、ホラー。
クラスでは「偽物が今日もいたよ」と言われる始末。
私の友達が何度かAさんに忠告をしたが「自由でしょ」と言ったそうだ。
仕方がないので、呼び出して2人で話すことに。
丁重に全部真似されるのはイヤなのだと話したら、突然うわっと泣き、
「だって生き甲斐なの。大好きなの」と叫んだ。
・・・ホラーです。ホラー。
カフェでそんなこと叫ばれ、私はうっすらコワくなり
「じゃ、お好きに」と言い捨てて店を出た。
結局、1ケ月ほど真似っ子姫(そう呼んでいた)のマネマネ生活は続いた。
その間、私はもう売ってないであろう古い服を出して工夫して着てみたり、
友達が服を交換してくれたりして過ごした。
真似っ子姫は、私の一件の後に違う人何人かのコピーをして
周りからすっかりドン引かれてしまった。だから真似をやめた後、見ると彼女はポツンとひとりだった。
ぽつりと「ちょっと可哀想かも」と言ったら
「アンタのそのお人好しが不幸を招くんだ
」と友達に叱られた。
「絶対に声をかけるなよ
」と。
あの時は本当にクラスメートの優しさと厳しさに助けられた。
卒業近くなって彼女から手紙がきた。
意味不明な文章で内容が全くわからなかったけど、
最後に「大キライです」と書いてあった。
アハハ。なんだそりゃ。
あれはなんだったんだろう・・・。
私にも悪いところがあったかなと思い起こすんだけど
ウーンあまり思い当たらない。
そして、今でも思い出すとゾゾっとするのです。
まー猛暑ですから、ゾゾっで納涼ということで。