2021年7月1日(木)ユングスタディのご案内
ユング『分析心理学セミナー』を読む(第14回)最終回
< zoom配信 >
前回6月3日のスタディでは、テキスト第16回の中盤部分を取り上げました。
ユングはここで、図を用いて、個人のパーソナリティの構造についての説明を行っています。最終的に影と自我が結合し、個人が二つの世界の媒介となれば、生は途方もなく豊かになる、とユングは言います。
またユングは続く補論において、主客の関係を捉える自身の立場として「魂の中の存在 esse in anima」が挙げられます。私たちにとってのイメージは、単なる主観でも客観でもなく、主体と客体との間の相互作用として立ち現れてくる何ものかなのです。
※ 前回までの内容のより詳しいダイジェストは、こちらに掲載されています。
https://jung2012.jimdofree.com/スタディ/2020年-通期-ユング分析心理学セミナー-を読む/
今回のスタディでは、テキストの第16回の残り部分を取り上げます。
ここでは三つの小説作品の分析が行われます。取り上げられている作品は、ハガード「あのひと」、ブノア「アトランティード」、ヘイ「悪のぶどう園」です。参加者たちが分科会形式で内容の解釈を行い、それをセミナー内で発表して、参加者が議論しつつユングが評するというものです。
「あのひと」と「アトランティード」では、男性のアニマが主要なテーマとなります。両作品におけるアニマ像の描写の比較は、アングロ・サクソン系とラテン系における男性心理の違いを示すとユングは指摘しています。一方で「悪のぶどう園」では、女性のアニムスの問題が主に論じられますが、同時に、不幸な結婚生活における夫婦の心理を読み解くような内容でもあります。
この小説作品の分析をもって、この『分析心理学セミナー』は終わり、今期のユングスタディ企画も最終回となります。
今回も新型コロナウイルス感染症の流行状況を鑑みて、会場開催は行わず、zoomオンラインのみでの開催となります。開始時間は、会場開催の場合よりも一時間遅い20時からとなりますので、ご注意ください。
案内役:白田信重、岩田明子(ユング心理学研究会)
司会進行:海野裕美子(同) 資料協力:山口正男
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第14回:7月1日(木)20:00 〜 22:00 (開場19:45)
■ テキスト: C.G.ユング『分析心理学セミナー』
横山博監訳、みすず書房、2019.10
・ 適宜、英語原文、創元社版邦訳も参照します。
・ テキストを読んでいない方でも、資料を見ながらの進行なので参加可能です。
・ シリーズ途中からでの参加でも全く問題ありません。お気軽にご参加ください。
■ 会場:オンライン開催(zoomミーティングルーム形式)
■ 会費:1,000円
■ 参加申し込みページ https://jungstudy20210701.peatix.com
■ 主催:ユング心理学研究会 http://jung2012.jimdo.com/
■ 問い合わせ:研究会事務局 jungtokyo_info@yahoo.co.jp
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