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ユング「心理学と宗教」を読む(第5回)
< zoom配信 >
「ユング『心理学と宗教』を読む」シリーズの第5回、本年初回となります。
「心理学と宗教」は、ユングが1937年にアメリカ・イェール大学での「テリー講義」として行なった全3回の英語講演の記録です。ユングの宗教観が伺えるだけでなく、ユングの後期研究についての概観としても読むことができるテキストです。
昨年12月のスタディでは、全集パラグラフ41-55(邦訳書p.31-37)を読み進めました。ここでユングは、現代人の無意識に存在する宗教的傾向を伺うため、自身の患者であった男性知識人(ノーベル賞物理学者パウリ)が見た夢を取り上げていきます。その夢とは、教会の中で厳粛な宗教行事が執り行われた後、その同じ場所で、参加者たちの要望に応えて陽気で享楽的な第二部の集まりが始まるというものでした。
ユングはこの夢を、重要な意味を帯びた二つの夢の間に挟まれて、そこに現れた課題から逃げ出したいという試みであると理解しています。この夢は、道徳的葛藤の苦痛と悲嘆を忘却しようとするものであって、夢の中に現れている女性(アニマ像)はこの態度に対して抗議しているとされます。
また、ユングによればこの夢に現れているのは、当時における宗教の状況そのものです。夢に現れている大衆の重視と、異教的理想(ディオニュソス=ヴォータン的祝祭)の浸透は、ヨーロッパで今日実際に起こっているとユングは言います。世俗性と群衆本能によって変質していることは、生き生きとした神秘を喪失してしまった宗教のよく知られた特徴だ、との指摘もされています。
※ 前回までのこのシリーズの内容については、こちらで報告をしています。
https://jung2012.jimdofree.com/スタディ/2021-2022年-通期-ユング-心理学と宗教-を読む/
次回2月3日のスタディでは、全集パラグラフ56-68(邦訳書p.37-44)を読み進めます。ユングの全3回の英語講演のうち、前回で第1回を全て読み終え、今回からは第2回に入ることになります。
ここからはいよいよ、ユング後期ではおなじみのシンボリズムの話題に入っていきます。まず出てくるのは死と再生、四元性、そして全体性のテーマです。私ならざる「わたし」からやってくる「夢の声」についての、ユングの考察が展開されます。
今回も引き続き会場開催は行わず、zoomオンラインのみでの開催となります。開始時間は、会場開催の場合よりも一時間遅い20時からとなりますので、ご注意ください。
案内役:白田信重、岩田明子(ユング心理学研究会)
司会進行:海野裕美子(同) 資料協力:山口正男(同)
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第5回:2月3日(木)20:00 〜 22:00 (開場19:45)
■ テキスト: C.G.ユング「心理学と宗教」
村本詔司訳『心理学と宗教』人文書院、1989.4 所収
・ 適宜、英語原文、ドイツ語訳文も参照します。
・ テキストを読んでいない方でも、資料を見ながらの進行なので参加可能です。
・ シリーズ途中からでの参加でも全く問題ありません。お気軽にご参加ください。
■ 会場:オンライン開催(zoomミーティングルーム形式)
■ 会費:1,000円
■ 参加申し込みページ https://jungstudy20220203.peatix.com
■ 主催:ユング心理学研究会 http://jung2012.jimdo.com/
■ 問い合わせ:研究会事務局 jungtokyo_info@yahoo.co.jp