先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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1925年の女性労働者の状態と闘い(読書メモ)

2023年01月04日 08時00分00秒 | 1925年の労働運動

写真・大阪第7回(1926年)メーデーの女性部隊

1925年の女性労働者の状態と闘い(読書メモ)
参照 日本労働年鑑第7集/1926年版 大原社研編

1、この頃の女性労働者の状態
(1)女性労働者数と男女全数内の割合とその中の染物・織物工場女性労働者数
1919年 870,797名(男女全数の54.01%) 、うち染・織工場の女性労働者数685,504名
1920年 824,308名(53.01%)、うち染・織女工667,201名
1921年 878,466名(53.70%)、うち染・織女工793,389名
1922年 856,705名(50.66%)、うち染・織女工689,195名
1923年 926,936名(52.51%)、うち染・織女工761,794名

1925年 1,456,302名(32.05%)、うち8割は染織工場で働いています。

(染物・織物工場における女性労働者)
日本全体の労働者数のうち女性が半数以上を占めています。とりわけ染物・織物工場における女性労働者の割合は、8割から9割に及んでいます。日本社会を支えていたのは女性労働者でした。

(女性炭鉱労働者)
女性炭鉱労働者は1923年83,521人、1924年75,170人で、炭鉱の全労働者中の3割を超えています。中には14歳未満、15才未満もいて、20歳未満は23年で1万7千人、24年で1万5千人います。

(2)児童労働
14歳以下の労働者総数数 1,150,000名(+家事使用人658,000名)
また、16歳以下の場合、女性が男性と比べ圧倒的に多くなっています。とりわけ、紡績工場では16歳未満労働者数は2割を超え、次いで製本印刷業でも2割近くいます。

(3)労働時間・公休日
労働時間は、10時間が全体の半数を占め、12時間労働も2割近くにのぼっています。公休日は月に2日間しかない工場が7割以上あります。

(4)前借金
茨城県の最高480円の例があるように、8割の女性労働者が前借金で縛られ辞めたくても辞められず苦しめられました。しかも、その金のほとんどは家族が受け取っています。

2、女性労働者の労働争議
1925年に起きた女性労働者を中心とする争議は34件(前年42件)です。闘いの方法は、ストライキが27件、その他サボタージュなど。争議の結果は妥協(一部改善)が12件で一番多く、次いで事業者・会社に有利な解決となり、結果不明は10件近くあります。

(女性労働者が中心となった主要争議)
1月
郡是製糸工場100名(杤木)
武州織物会社500名(埼玉)
内外紡績名古屋工場(愛知)

2月
時田製糸工場(山梨)

3月
宇都宮病院看護婦40名(栃木)
東京貯金局事務員(東京)

4月
熊取織物・王子工場170名(大阪)
八千代生命女性外交員30名(大阪)
平野村病院看護婦9名(長野)

5月
大正綿布工場50名(愛媛)
愛知医大病院看護婦12名(愛知)

6月
服部商店熱田工場140名(愛知)

7月
島田硝子工場200名(大阪)
大阪紡績会社1100名(大阪)
だるま料理店仲居(東京)

8月
志田製紙工場25名(高知)
丸共製糸工場350名(宮崎)
後屋敷製糸工場200名(山梨)

10月
天満織物・城北工場400名(大阪)
隠岐製糸工場60名(島根)

11月
大分病院看護婦40名(大分)

3、その他女性労働者の運動
1月、「娼妓」の待遇改善要求(兵庫県飾磨町「丸八楼」)
1月、女給共励会創立披露会150名(東京小石川)
5月、全国小学校女性教員大会(367名)の開催。富山、大阪、福岡、但馬に女性教員団体創立。

4、普選運動
1924年12月13日、80人の女性が出席した「婦人参政権獲得期成同盟会」が設立され、1925年1月17日「第一回普選獲得演説会」を開催しました。婦人参政権獲得期成同盟会は、女性の選挙権、被選挙権と治安警察法第5条から「五、女子」の削除を要求する運動を開始、「3月10日」を婦人デーと称し、4月19日、「普選獲得同盟」と改名し、12月14日には、創立一周年記念会と演説会を開催しました。

5、日本政府の婦人及児童の売買禁止国際条約批准
12月21日、日本政府は婦人及児童の売買禁止国際条約を批准しました。しかし、朝鮮台湾や租借地を除外するという欺瞞的なものでした。しかも実際には女性労働者の圧倒的多数の「前借金」そのものが事実上の人身売買のうえ、朝鮮台湾や租借地を除外するというあきれる日本政府の姿勢でした。
以上



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