ドトールコーヒー禁煙要望される
禁煙学会要望文より
更新日時:2018年4月24日
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ドトールコーヒー社長 星野正則様 2018年4月23日 一般社団法人 日本禁煙学会 理事長 作田 学 要望書 1. 分煙店をやめ、ただちに全席禁煙店にしてください。 2. 今後健康被害が出る恐れがあり、従業員の少なくとも三十年間にわたる健康診断を続けて ください。
御社の従業員から、このような訴えがなされました。
「こんばんは。私は分煙店舗でアルバイトをしているものです。
店はドトールコーヒーです。今日というよりも、以前から喫煙者のマナーが悪く
灰皿を禁煙エリアにある下げ台に持ってくるのに火をつけたまま、煙が出たままなど、完全に火 を消さずに持ってくるお客さんが多いのです。
喫煙エリアは禁煙エリアに比べてごみが散らかっているのも許せないことなのですが、灰皿の始 末が出来ていないことは禁煙エリアにいる人の迷惑になるので、火を消すよう私はお客さんに促し ていました。
ところが、その事に腹を立てたお客さんがいらしたらしく、忠告はクレームになりました。そし て、店長にあたる者は「灰皿の消し忘れがあれば、お客さんに忠告するのではなく、店員が消すよ うに」と言われました。理由は「サービスだから」の一点張りでした。
朝イチ(注:NHKの朝の番組)で見ましたが、受動喫煙の被害はマタニティーの方や禁煙者の ガンリスクが上がるだけではなく、アレルギーや喘息などにも影響があることを知りました。喘息 を持った店員もいます。
たばこの消し忘れで悪いのは喫煙者です。どうしても上の者の話が納得できず、今日もたばこの 消し忘れを忠告していました。すると、一回言っただけでは消しきれなかったお客さんがいました。 なので、もう一度ちゃんと消すよう促すと、上の者がやって来て「大丈夫ですよ、こちらで消しま すから」と言って、私には「これはサービスだから、ちゃんと消してあげて」と注意されました。
やっぱり、納得できません。たばこの消し忘れが不注意で故意ではないにしてもその過失がどれ 程の被害をもたらすものか。体の影響だけではなく、ゴミを灰皿に入れてあれば火事になってもお かしくない状態だと思います。
そのことは火を使う時点でわかっていなければならないことであり、そこを見逃したら大事にな ります。もしサービスをお客さんのためだと考えているのであれば大事になったとき、店の責任だ けではなくお客さんの責任も発生しかねないことを考えるべきはずです。
「サービス」の一点張りは、クレームを逃れるための一瞬の対処と言う逃げでしかない気がしま すし、分煙であるんだから禁煙のことも考えないで店を後にする喫煙者もどうかと思います。
このことをこちらのメールに送ったのは、どこに喫煙トラブルを言えばいいのか分からなかった からです。そして、このことに関してお返事もいりません。
お返事をいただくくらいなら、その時間などを利用してこのようなトラブルを解決するよう働き かけてください。よろしくお願いします。」
この訴えを拝見して私たちは、貴店でのこの対応に驚くと共に、問題の本質は受動喫煙が防止で きない不十分な喫煙対策であることでもあるため、さっそくドトールコーヒー店舗の調査に入りま した。
ドトールの19店を調査したところ、喫煙区画のPM2.5の測定では、多い順に494, 491, 464, 370, 291, 264, 247, 240, 194, 192, 180, 168, 158, 95, 86, 76, 55, 44, 40で、平均216 マイクログラム/m3でした。また、禁煙区画では、86, 29, 28, 26, 26, 26, 26, 25, 25, 25, 25, 25, 25, 25, 24, 24, 24, 24, 24で、平均28.5マイクログラム/m3で、これは周辺のスターバッ クス店よりも平均で5マイクログラム/m3高い値でした。
今回の私どもの調査から分かることは、 1. 喫煙区画ではアメリカ環境保護庁の分類でもっとも危険なHazardous(心臓や肺の悪い 人、お年寄り病状がいちじるしく重くなり、死亡率も著しく高まる。一般の人に重い呼吸 器症状が現れる恐れあり。) で、全死亡増加率=150%でした。 2. 禁煙区画でも近隣のスターバックス店に比較すると高く、従って禁煙区画にもタバコの煙 が漏れていると考えられます。
報道によりますと、御社は「喫茶業態では客のニーズもあり急に全面禁煙というわけにはいかな い」としています。(日経新聞4月21日朝刊)
これは、非常に多くの従業員の健康をまったく気にせず、その犠牲の上で儲けようとしているわ けで、たいへん問題であると考えます。
労働安全衛生法にしたがい雇用主には従業員が受動喫煙を浴びないようにする義務があります。 事業主は現状把握と分析を行わなければなりません。適切な措置を取らない場合、安全対策義務 違反による法的責任を負う可能性があります。
この事から、
1. 分煙店をやめ、ただちに全席禁煙店にしてください。
2. 今後健康被害が出る恐れがあり、従業員の少なくとも
三十年間にわたる健康診断を続けてく ださい。
の2点を要望します。