耳袋秘帖 新宿魔族殺人事件
平成23年10月28日~31日
著者 風野真知雄
大和書房
【内容】内藤新宿でやくざが次々に殺害された。探索の過程で浮かび上がってきた「ふまのもの」とは、いったい何者なのか。一方、随筆集『甲子夜話』で知られる松浦静山が、南町奉行根岸肥前守鎮衛に怪異の謎解きを迫る。奇談集『耳袋』を書き記した赤鬼奉行根岸肥前が、江戸に起きる怪事件の謎を次々解き明かす痛快お裁き帖。シリーズ第七弾。
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「ふまのもの」⇒「風魔の者」。結構、初めのあたりで目撃されてはいたが、なかなかその正体が見えてこない。山奥で暮らしていた「風魔の者」たち。ある日突然、やくざ者に殺されてしまう。そこらへんは、ご都合主義的ではある。だって、風魔の末裔で忍者でしょ?それが、下っ端やくざに殺されてしまうとは。それも4人に。「佐渡の穴」は、どこかの詐欺事件みたい。TVでも「詐欺もの」がありますが、そのお江戸版というところでしょうか。表題の「新宿魔族」とは、現代の日本人に当てはまるような気がしますね。たぶん作者もそのあたりを意識しているんでしょう。