今日・・・・手渡されていたチケットがついに破かれた。
彼等の“短かい夏”が終わった。


県大会初戦、5回戦の対戦相手は『春のNHK旗』で対戦し2-3で惜敗した『飯塚高校』さん。
しかし今日は正直勝てると思っていた。久商は前回の対戦時、背番号こそ二桁だがエース格の投手と4番打者が出ていない。
手の内を隠したのか故障してたのか調子を落としていたのかは分からないが、結果として飯塚高校はこのエースと4番を見ていない。
このエース、球速こそ125~128キロほどだが、春の九州大会で神村学園を7回まで零封。8回に逆転こそ許したが初速と終速の差が小さく、いわゆる「伸びがある球」で内野ゴロとポップフライの山を築く。
もし『飯塚打線』が「あっ、打ち頃の球だな!」そう思って振り回しにくれば彼の術中にはまり・・・と思っていたんだが、調子がよくなかった。球速こそMAX136キロを記録していたが、いつもの彼の直球ではなかった。
しかし、悪いなりに要所を締め失点を少なく抑えていたのは流石だったんだが・・・。
5回に1点先制され、6回に長短打で2点を追加され・・・「こりゃちょっとヤバイな」ベンチが沈みかけた7回、4番がやってくれた。
キレイな放物線を描いた打球が左中間スタンドに深々と突き刺さり、久商ベンチに「まだいけるぞ!まだまだやれるぞ!」そう息を吹き込むには充分な反撃の狼煙をあげる4番の一振りだった。
そして迎えた最終回、久商球児が見せてくれたのは「絶対に諦めない気持ち」だった。
ヒットや死球で1点返して2-3の1点差に迫り、なおも二死満塁と追い詰めていく。

ここで迎える打者は今大会ここまで5割、今日も好投手・古賀君から2安打を放ち、一番期待できる打者に回ってきた。
鋭く振り抜いた打球・・・・その打球がショート正面に転がり万事休す。

その瞬間、夏が終わった。
力投を続け、何度も訪れたピンチを凌いできた二人のエース。

この夏、彼等が失った点はわずか3点。無条件で拍手を送りたい熱闘だった。
試合後の3年生の涙で何かを感じ取ったであろう1・2年生。それは継承されていく伝統がまた一つ増えた瞬間でもあった。。。
ここまで応援して下さった久商ファンの皆さん、「ありがとうございました」

毎年の事だが、負けた瞬間の喪失感と虚脱感。ひとまず私の高校野球観戦は終わりです。
いかん。仕事が手招きしている。早く社会復帰しなければ・・・。