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名古屋・ノリタケの森 ~優雅な一日を過ごせる都心のオアシス

2018年08月10日 | 観光スポット

高級陶磁器のブランドとして知られているノリタケは、名古屋が発祥の地です。前回ご紹介したトヨタグループの創業地であるトヨタ産業技術記念館から歩いて10分ほどのところにあります。ノリタケの森は、発祥の地にのこされた赤レンガの建物と公園を散策しながら陶磁器の魅力を体験できる企業ミュージアムです。

明治から戦前にかけて欧米で絶大な人気を博した「オールドノリタケ」の展示は特に注目です。神業のような繊細な絵付けは、ニッポン文化の魅力を世界中に伝えた立役者です。



企業ミュージアムと言えば、建物の中だけを見学するイメージがありますが、ここは屋外の散策やショッピングも楽しめる複合施設になっていることが特徴です。

広大な工場跡地の公園にはいたるところにベンチが置かれています。公園には無料で入ることができ、屋外であれば持込弁当の飲食もOKです。気軽な都心のピクニック気分で訪れることができることも、ここでしか味わえない魅力の一つです。


ウェルカム・センター

ウェルカム・センターをまず訪れましょう。ノリタケの森をビデオ映像で紹介しています。絶大なブランド力を誇るノリタケの歴史を、パネルやミニチュア展示で学ぶことができます。

創業者の森村市左衛門(もりむらいちざえもん)は、1904(明治37)年に現在の(株)ノリタケカンパニーリミテド(当時は日本陶器)をたちあげました。弟の森村豊(とよ)が経営するニューヨークの店で、人気を博していた日本の陶磁器を大量に生産するためです。明治・大正のニッポン文化が世界を驚かせた様子を理解できる必見の施設です。入館無料です。



次はクラフトセンター・ノリタケミュージアムです。この施設だけは入館料が必要です。

1-2Fが、乳白色が美しい磁器・ボーンチャイナの製造工程を見学できるクラフトセンターです。生地の製造から成型、焼き、絵付けといった一連の工程ごとに、実際の職人が作業している様子からは、作業そのものが流れるように美しいと感じられます。有料で絵付け体験できるコーナーもあります。絵付けしたカップや皿は、後日焼きあげて送ってもらえます。

【公式サイトの画像】 クラフトセンター・ノリタケミュージアムの館内の様子

3-4Fは、ノリタケミュージアムです。3Fでは、大正から平成に至るデザインの変遷を壁一面に張られたディナー皿から追うことができます。歴史上の出来事もあわせて解説されているため、その時代の世相を理解しやすくなっています。デザインの印象と世相を重ね合わせてイメージしていると、時間が経つのを忘れそうになります。

4Fでは「オールドノリタケ」をたっぷりと楽しめます。大型の花瓶や壺など、主に鑑賞や贈答に使われた最高級品です。数多くの欧米の邸宅や高級店を飾り、メイド・イン・ジャパンを代表する美術品でもありました。

19世紀末のジャポニズムやアール・ヌーボーを意識したデザインでは、盛上げ(もりあげ)と呼ばれる表面を立体的に表現する技法が注目されます。油絵のように表面の凹凸でより深い印象を与え、光の当たり方によって表情を変える技法は見事です。



館内のレストランやカフェでは、ノリタケの高級食器を使った料理や飲み物も楽しめます。ノリタケ製品の巨大なショップは、特別な贈り物や自分へのご褒美を探すときには特におすすめです。公園の散策と共に優雅な一日をすごせる施設です。

日本一のものづくり集積地である中京圏には、企業ミュージアムがたくさんあります。産業観光として積極的にPRしています。いわば社会科見学スポットにとても恵まれたエリアです。ほとんどは大人だけでも十分に楽しめます。せひ名古屋方面にお出かけください。

【公式サイト】 愛知産業観光ナビ

こんなところがあります。
ここにしかない「美」があります。



オールドノリタケ・コレクターのバイブル


ノリタケの森
【公式サイト】https://www.noritake.co.jp/mori/

原則休館日:月曜日、年末年始
入館(拝観)受付時間:10:00~17:00頃(施設によって異なります)

※施設のエリアに気象警報が発令された場合、臨時休館になる場合があります。



おすすめ交通機関:
地下鉄・東山線「亀島」駅下車2番出口から徒歩5分、JR名古屋駅から徒歩15分
JR名古屋駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:10分
名古屋駅→地下鉄・東山線→亀島駅

【公式サイト】 アクセス案内

※この施設には有料の駐車場があります。


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