美の五色 bino_gosiki ~ 美しい空間,モノ,コトをリスペクト

展覧会,美術,お寺,行事,遺産,観光スポット 美しい理由を背景,歴史,人間模様からブログします

飛騨高山 古い町並 ~町の美しさにお店も充実、わざわざ行く価値がある

2018年08月29日 | 城・屋敷・歴史遺産

飛騨高山は古い町並が残るいわゆる”小京都”としてよく知られています。飛行機も新幹線もないにもかかわらず、日本でもトップクラスの人気を集めており、近年は外国人の姿がとても目立っています。

そうした人気はの秘密は、日本の伝統文化や温泉、大自然を存分に体験できる観光コンテンツの多様性にあります。高山をご紹介していくにあたって、街の魅力の原点である古い町並の魅力から探ってみたいと思います。



飛騨国の中心都市として江戸時代になってから町の発展が始まった高山で、中心を流れる宮川(みやがわ)の東側に町人や商家が集まるようになりました。このエリアを高山では「古い町並」と呼んでおり、大部分が町並の重要文化財に相当する重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に指定されています。

重伝建指定地区は中心市街地を東西に走るメインストリートである安川通り(国道158号線)によって南北で二つの地区に分かれています。南側の三町地区は飲食や土産物店が多く、北側の下二之町大新町地区は吉島家住宅など高山の古い町並を代表する重要文化財のお屋敷が連なっているのがそれぞれ特徴です。

有名な朝市も南北それぞれで行われています。祇園祭のように豪華な屋台(曳山)で知られる高山祭は春と秋に行われますが、春は安川通り以南の日枝神社の氏子、秋は安川通り以北の櫻山八幡宮の氏子と担い手が異なります。様々なところで安川通りによって南北に分けられて共存しているのが高山という町の面白いところです。

三町は高山では「さんまち」とひらがなで表記されています。メイン観光スポットである高山陣屋と陣屋前朝市を巡った後、橋を渡るとすぐに始まるさんまちの昔の町並を散策するのが定番のコースです。



重伝建地区は電線の地中化が完成しており、空がとても綺麗に見えます。それぞれの家の軒下の水路沿いにはさまざまな植物が飾られており、ダークブラウンのシックな町並の景色の中にみずみずしさを演出しています。ごみ一つ落ちておらず、とても清掃が行き届いています。

高山では町並の保存運動が昭和40年代初めから始まっており、全国でも相当に早いと言えるでしょう。気持ちよく観光してもらおうと、住民たちの努力が脈々と続いていることがわかります。

高山に来て最初に驚いたのは外国人の多さです。アジア系よりも欧米人が特に目立ちます。飛騨牛の握り寿司など名物グルメも充実しており、造り酒屋や味噌屋など覗いてみたくなるようなお店が次から次へと登場します。人力車やレンタル着物といった古い町並を楽しむ体験コンテンツもばっちり揃っています。

ミシュランガイドで高山が三つ星に指定されていることが人気の要因と思われますが、日本人でもほとんどの人が古い町並に伝統と情緒を感じ、とても美しいと感じます。外国人にとっては日本人以上に異文化の斬新さを感じるでしょう。


5か国語表記の案内ボード

高山市では外国人観光客の誘致にとても力を入れているようです。街のいたるところにある観光スポットの案内ボードは日・英・韓・中(簡・繁体字)の5か国語表記です。観光案内の公式サイトはロシア語やタイ語まで含んだ11か国語で作成されています。

高山ラーメンや飛騨牛の店では外国人がとてもおいしそうに食べています。みなさん、箸の使い方にも違和感ありません。名古屋へ向かう際に乗車した特急「ワイドビューひだ」の乗客もおおむね半分が欧米人でした。


通りに多く設けられた屋台の収蔵庫

南側のさんまち地区を食べ歩きやお店巡りで楽しんだ後は、北側でじっくりと昔のニッポンの生活の面影を体験することができます。内部を見学できるお屋敷がありますのでこちらも必見です。次回はそのお屋敷の一つ、重要文化財・日下部民芸館(くさかべみんげいかん)をご紹介したいと思います。


2016年に完成した新しい高山駅はスタイリッシュ

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



全国の町並の重要文化財・重伝建を一挙紹介


飛騨高山 古い町並(重伝建 三町地区・下二之町大新町地区)
【高山市観光公式サイト】http://kankou.city.takayama.lg.jp/2000002/2000026/2000197.html
【飛騨高山の旅行ガイド】高山の古い町並みを散策しよう

※町並の見学に条件はありません。いつでも無料で見学できます。



おすすめ交通機関:
JR高山駅下車、東口(乗鞍口)から徒歩、三町地区まで10分、下二之町大新町地区まで15分
JR名古屋駅から在来線特急電車を利用した所要時間の目安:2時間20分

【高山市観光公式サイト】 高山市へのアクセス案内

※鉄道は本数が少ないため、事前にダイヤを確認の上、利用されることを強くおすすめします。


________________________________

→ 「美の五色」とは ~特徴と主催者について
→ 「美の五色」 サイトポリシー

→ 「美の五色」ジャンル別ページ 索引 Portal



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 恵文社 ~京都・一乗寺でカ... | トップ | 飛騨高山・日下部民藝館 ~... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

城・屋敷・歴史遺産」カテゴリの最新記事