先にお話したように、玉かずらには縁談の山。玉かずらは様々なわずらわしさから、いっそうのこと宮中に上がってしまい、全てのしがらみから逃れようと考えたようです。
養父の源氏殿はよからぬ虫が起きだして、心穏やかでなく、かといっ私に相談も出来ない。16歳の姫の苦しみはいかばかりであったろう。
求婚者のなかに、ふうたいは貴族とも思えない、モジャモジャな黒ひげの大男・右大将がいました。姫は、見かけは怖いそのおとこの誠実さと心の広さを見抜き、平凡だが慎ましやかな生活を選んだのです。
それを知った全ての者が、およそ考えられなかった結婚だけにビックリ。
秋には、それは元気な男の子を出産いたしました。
私は複雑でした。数奇な運命に報いてやるためには、華やかな貴族社会で人生をおうかしてほしいと願っていただけに・・・。
いやいや・・。苦労をしてきただけに、貴族社会の駆け引きの愚かさを感じたのでしょう。正直、上流貴族社会に育った私が、姫の選択の正しさがわかったのは、ずっとあとのことです。
養父の源氏殿はよからぬ虫が起きだして、心穏やかでなく、かといっ私に相談も出来ない。16歳の姫の苦しみはいかばかりであったろう。
求婚者のなかに、ふうたいは貴族とも思えない、モジャモジャな黒ひげの大男・右大将がいました。姫は、見かけは怖いそのおとこの誠実さと心の広さを見抜き、平凡だが慎ましやかな生活を選んだのです。
それを知った全ての者が、およそ考えられなかった結婚だけにビックリ。
秋には、それは元気な男の子を出産いたしました。
私は複雑でした。数奇な運命に報いてやるためには、華やかな貴族社会で人生をおうかしてほしいと願っていただけに・・・。
いやいや・・。苦労をしてきただけに、貴族社会の駆け引きの愚かさを感じたのでしょう。正直、上流貴族社会に育った私が、姫の選択の正しさがわかったのは、ずっとあとのことです。