棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

66-珍訳源氏-光源氏の目論見

2009-09-28 08:08:19 | 物語・絵本・童話
光源氏の目論見-蛍の宵
光源氏36歳の絶頂期の話を先日しました。
源氏殿は正妻-紫の上-の協力を得て、九州から上京してきた夕顔の子供(私の隠し子)を六条のハーレムに引き取った。そして、玉かずらと愛称したのです。

手習いなどをしている姫に手をとって教えます。
源氏殿はとうとうこらえきれなくなり「あなたは、私が心から愛した貴方の母親の夕顔の君にそっくりです。
「私はあの狂おしい愛がほしい・・。あなたを誰にもやるきはない」
養父からの思いかけない打ち明けに、身の置き所がなくなり、気が沈んでしまったのです。
ヤバイ!!!とんでもなくヤバイ!!!
世の中にはこのような愛欲、しかも一方的に在るのです。正に人間の愛欲の不順さ、情欲の無節操さがあるのです。と憤ってみても、私自身この子(玉かずら)の母とは不順な愛だったのですから・・。
それにしても純愛ってなんなのでしょう。それがあるべき理想の生き方とも思えません。と、マーー面倒な領域に入ってしまいましたが、この源氏物語は、人間の愛のあり方を問おうている物語ともいえます。

95-珍訳源氏--ハーレムの様子

2009-09-25 09:17:14 | 物語・絵本・童話
源氏物語の作者・紫式部どのは、初音の巻から「行幸」の巻までの七巻を費やして、六条院における源氏の栄華をきわめた生活を、一年間の年中行事にからませながら、絵巻物のように描き出しています。
まさに絶頂期の光源氏36歳の一年間です。

* 「初音」・・・正月。六条院のはじめての正月を、女君たちと祝う。
* 「胡蝶」・・・三月、四月。春爛漫の六条院。源氏の玉鬘への恋慕。
* 「蛍」・・・五月。蛍火の薄明かりで玉鬘の美貌を際立たせるにくい演出。
* 「常夏」・・・六月。「近江の君」をからかう源氏と内大臣の意地のはりあい。
* 「篝火」・・・七月。篝火に託して訴える玉鬘への恋情。
* 「野分」・・・八月。夕霧のゆれる心。源氏の若い頃を思い出させる。
* 「行幸」・・・十二月。玉鬘の真相を知った内大臣の驚き。
まーはんぱじゃーないスケジュールです。
囲っている姫たち一人一人に大屋敷があり、当然世話をする者がいる。
2-300人、イヤそれ以上の使用人がいたことでしょう。

94-珍訳源氏-玉かずら

2009-09-24 07:14:14 | 物語・絵本・童話
源氏殿は正妻-紫の上-の協力を得て、九州から上京してきた夕顔の子供(私の隠し子)を六条のハーレムに引き取った。そして、玉かずらと愛称したのです。
新年の祝い事は宮中と引けをとらない盛況ぶり。
六条院の春の園遊は、この世の極楽とうわさをされたほどだった。
玉かずらの姫の評判は大変なもので、たくさんの求婚者がおしよせました。
源氏殿の腹違いの弟・兵部卿の宮さまは、3年前に奥方を亡くしており、求愛の一人でした。
なんと私の長男・柏木も一目ぼれ。実妹とも知らず、仲のよい源氏殿の息子・夕霧の若君に仲立ちをたのんでいたのでした。(私は玉かずらのことも知らなかった)
源氏殿は内心面白くはなく、姫に来る恋文にあれこれけちをつけ、婿殿を決めようとしなかったのです。

93-珍訳源氏-玉かずらの巻

2009-09-23 09:40:03 | 物語・絵本・童話
姫を初めてみた源氏殿はびっくりした。愛した夕顔の、いいがたい優しさと憂いとともに、どことなく毅然とした様子は、母親の夕顔以上だ。源氏殿の性癖虫がおきだしてしまった。
恋わたる身はそれなれど玉かずらいかなる筋を尋ね来つらむ  
とこの姫を玉かずらと称した。
源氏殿の実子夕霧の若君に、姉だと紹介してしまったのだ。これが後々に問題になってしまうのです。

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いやいやそんな生易しいものでなく「光源氏ハーレム六条殿堂屋敷」入りということでしょう。
さいさんお話をしたように、すべてのことを私が知ったのは、一年後の年末時でした。


92-珍訳源氏-夕顔

2009-09-22 08:06:09 | 物語・絵本・童話
先日もお話をしましたが、当時はそれらのことを、私にはナゼカ秘密にしていた源氏殿だった。
あとからわかったことですが、あまりにも美しい姫(私の娘なのですが)に、源氏殿はまたまた虫がおきだしていたのです。
源氏殿は妻の紫の上さまに「夕顔」とのことを始めて告白したのです。そのうえ、姫を六条院に迎え入れる説得をしたのです。
当然、紫の上さまは面白くはアリマセンが、おつきの女房たちを手配し、万端整えた後の10月にむかえいれたのです。

いやーーなんとも、お心の大きい大したお方でございます。プライドと自信がなせることなのでしょうか。

91-珍訳源氏-玉かずらの巻

2009-09-21 08:48:18 | 物語・絵本・童話
九州から逃れてきた一行は頼れる人もおらず、神仏におすがりするしかないと、八幡宮から大和の長谷寺の観音様まで、血豆をつぶしながらも一心に歩いたのです。
たまたま宿した相部屋で、行き会ったのが、昔おなじ姫(夕顔)にお使えしていた右近殿でした。彼女はそのとき源氏殿の屋敷にいたのです。
右近殿はさっそく主人である源氏殿に報告したが、話は急転直下とはならなかった。

源氏殿は右近から報告を受けましたが、いつものようにすぐに行動をしなかった。
というのは、聞くと観るとの大違いの失敗をした末摘花(若かりし頃、ウワサに興味を持って忍んでみれば、赤鼻のブスであった--末摘花の巻)の失敗をしたくなかったからだ。密かに調べ上げ、まんざらでもないとわかると、姫君にふさわしい衣装や身の回りのものをとどけたのです。

90-珍訳源氏-隠し子のこと

2009-09-19 08:36:21 | 物語・絵本・童話
20歳になった姫の美しさはまばゆいばかりで、肥後の国(熊本県)で権勢のある武士が、猛烈ニアタックしてきた。
「田舎武士だとてバカにされるな。后様にも負けないくらいの暮らしをお約束します」と、いかにも田舎大臣が言いそうなことではないでしょうか。
断るに断りきれぬ際まで追い詰められ、乳母とその娘・兵部の君は、姫と共に家族を棄て、4月に早船で一気に淀川まで逃げてきたのだった。

乳母殿は、京にきても頼れる方もおらず、かといって私(光源氏の義兄--この珍訳源氏の主人公です)のところに出向いても簡単には信用しまいと思った
姫君一人のために家族を棄ててまで、尽くす必要があったのか不安にかられたのです。
真にもっともなことで、これらの事々は後から知ったことなのです。
話は余談ですが、平安時代は瀬戸内海の海洋交通がかなり発達をしていましたが、海賊も多かった。一時はその勢力が朝廷を脅かすほどにまでなったのです。

89-珍訳源氏

2009-09-18 10:07:01 | 物語・絵本・童話
私の愛した姫君(夕顔)の乳母は、仕えた姫(夕顔のこと)が亡くなったのも知らずに主人の子(私の子供)を養育していた。
その地はなんと、乳母の夫が九州大宰府に赴任なるので、4歳になられた姫子をつれていったのだった。
私がいくら探してもわからなかったわけだ。
姫が10歳もなるとそれは美しい女になり、嫁にほしいという話は山ほどだったが乳母はことわりつづけたのだった。
なんともややっこしい説明になってしまいましたが、当人の私が知らなかったことです。
私の実子であるこの姫と光源氏殿とが関係してくるので、くどくお話を致しました。

88-珍訳源氏-消えた愛しき姫

2009-09-17 08:21:04 | 物語・絵本・童話
我が子と共に、忽然といなくなってしまった姫は、私の妻の呪いはきえておらず、私との間の姫子を残して別れてまもなく急逝していたのだった。
そんなことをまったく知らなかった私は、妻の嫉妬の目を逃れながら、密かに行方を探っていたが、わからないまま10数年たっていた。
ところが、我が姫子は母親以上の美しい姫君となられて、10数年後にあろうことか源氏殿の庇護を受けることになったのだった。このいきさつは・・・。

87-珍訳源氏-思い出すのは

2009-09-16 09:00:17 | 物語・絵本・童話
        

源氏殿は最高位の左大臣で、私も次の右大将の位。
源氏殿ほどではないが、それなりの栄華をむそぼっていたが、私も40歳ちかい。若い頃のように、あちこちの姫と渡りをつけるようなことはなくなった。
多くの姫と親しくなってきたが、私たち二人が偶然にもフット思い出すのは、雨降る夜勤のときにお話をした、夕顔のひめのことだった。
といっても、その姫のことに触れることはまったくなかったのだが・・・。
我妻の嫉妬にあい、こつぜんと私の子とともに身をかくして、行方知らずだった。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本