棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

54-珍訳源氏-龍王のおつげ

2009-08-09 08:04:27 | 物語・絵本・童話
源氏殿は三月の始めの巳の日に、中国伝来の陰陽になる水辺のお払いのため、波間に立つと、にわかに黒くもが沸き立ち、雨風雷鳴稲光の天辺地変。大急ぎで帰宅。
仮屋の一部は吹き壊されるなか、一心にお経をあげていた。ようやく静まってきた明け方、光源氏は奇妙な夢を見た。
「帝が貴方をお迎えしているのに、どうして帰らないのですか」と、海のそこから不思議な声が呼びかけてきたのです。もしや海の底に住む龍王ではなかろうか。とすれば、こんな地にいると、取りつかれてしまうと恐れをなした源氏殿でした。
その後嵐は続き、仮屋は風か吹き込み、雨漏りがしだす始末。
 京の都でも嵐はすざましく、人々は恐れおののき密かに祟りだといいだした。日に日に被害が増し、宮中でも厄除けの加持祈祷がおこなわれ、政治も止まってしまった。
話はとんでもなく変わりますが、私の住む極楽浄土世界から、あなた方の娑婆への「語り部」として選んだ者の最大の理由がこの「龍王」からでした。 後はお察しのとおりです。


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