





月が地球に最接近し、満月が重なって大きく明るいスーパームーンの夜は、十和田湖畔のホテルだった。夕食後、綺麗に輝いた月が楽しめるといわれる芝生広場に出ると、素晴らしいお月さまが水面を照らしていた。
旅行から帰り、久しぶりにお茶のお稽古にでかけたら、お茶室に「掬水月在手」の掛け軸がかかっていた。そう今月この夜は、お月さまに思いを寄せる季節だった。
この句は唐の詩人干良史(うりょうし)作の『春山夜月』の詩より『虚堂録』に引かれているもので、本来は春の夜の優雅さを詠じた句とか。ふと水鉢の水を両手で掬うと、両手の掌の中に鮮やかに月が映っているという、スケールが小さいようで大きな解釈にいつも感動してきた。
月は日本人の繊細な心にぴったりの風情をかもし出す。十和田のスーパームーンは大きな仙人が、両手で湖の水をすくっておられたと、感じ取りながら、遅ればせながらお月見団子を二人いただいた。 (^。^)y-.○