(2013/アルフォンソ・キュアロン監督・製作・脚本/サンドラ・ブロック=ライアン・ストーン、ジョージ・クルーニー=マット・コワルスキー、声のみ:エド・ハリス/91分)
「このミッションはイヤな予感がする」 ~ マット・コワルスキー
「宇 宙 な ん か 大 嫌 い」 ~ ライアン・ストーン
2013年の諸々の賞レースで有力候補として騒がれたSFサスペンスですね。宇宙が舞台なのでSFには違いないけれど、ドラマの内容は遭難サバイバル。だから僕は観ながら海洋遭難アドベンチャーの傑作「ポセイドン・アドベンチャー (1972)」を思い出していました。宇宙の遭難ものといえば「アポロ13 (1995)」を思い浮かべそうなのに、「アポロ」は実話を元にしているし、アドベンチャーらしさはそんなには無かった気がしてるのでね。
そういえば、ジーン・ハックマンとジョージ・クルーニーの役どころにも共通点があったなぁ。
<地上600kmの上空で地球を周回しているスペースシャトル。今回が初めてのミッションとなる女性エンジニアのストーン博士は、ベテラン宇宙飛行士コワルスキーのサポートを受けながら船外での修理作業に当たっていた。その時、ロシアが自国の衛星を爆破したことが原因で大量の破片が軌道上に散乱し、猛烈なスピードでスペースシャトルを襲う。衝撃で漆黒の宇宙へと放り出された2人は互いを繋ぐ1本のロープを頼りに、絶望的な状況の中、奇跡の帰還を信じて決死のサバイバルを繰り広げるが…。>(allcinemaより)
出演者は実質二人だけ。
マット・コワルスキー役のジョージ・クルーニーと、ライアン・ストーン博士に扮したサンドラ・ブロックだけだったんですよね。
冒頭のシーンに船外作業をするもう一人の男性クルーがいたり、船内にいるクルーの声も聞こえてきますが、事故の衝撃で悲惨な結果となりすぐに退場となりました。
そして声だけ出演するヒューストンの管制官は「アポロ13」でも感動的な管制官を演じたエド・ハリスだったそうです。ウ~ん、なんという鉄壁のチョイス。
冒頭、スクリーンの大部分に地表から600キロ上空の宇宙から眺めた地球を写しながら、右の方には漆黒の闇がぽっかりと口を開けている。スクリーンからは船外作業をしているストーンやコワルスキー、ヒューストンの管制官の声が聞こえてくるが彼らの姿は見えない。すると、黒い空間の中にポツンと光っていた点がだんだんと大きくなり、スペースシャトル“エクスプローラー”の姿、その周りを椅子型のメリーゴーランドに乗って呑気に眺めているかのようなコワルスキーの姿が大きく見えてくる。
「アラビアのロレンス」で砂漠の遥か向こうからラクダに乗ってオマー・シャリフがやって来た時のようなゾクゾクするシーンでしたねぇ。
それにしても驚くのはあの無重力状態の描写をどうして実現できたんだろうということ。
小さい頃に見たスペースものは、宇宙船の中では人間は普通に直立歩行しているし、手に持っていたものも普通に落ちるし、投げてよこすしみたいな地球の延長だったんですけど、この映画はずべて無重力としてリアルに描き切っている。そこに驚きます。
youtubeにメイキング映像があって、どうやら人間はピアノ線で吊っていたようです。インナー姿のサンドラ・ブロックもインナーからピアノ線が出てました。体をホールドしてた物は見えませんでしたけど、多分薄くて丈夫なタイツのようなものを履いていたんでしょう。映画の技術の進歩って凄いわ。
一難去ってまた一難のドラマはエンドクレジットを除いてほぼ80分間緊張しっぱなし。
監督曰く「映画が描いた逆境は我々人間の日常の暗喩」だそう。人生はままならない。そんな中でストーン博士は最終的に生きることを選択したということだ。
開幕直後の事故で亡くなったクルーの描写は、「ジョーズ」でサメにやられた漁師などを思い出すようなドキリとさせるショック・ショット。
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」も「トゥモロー・ワールド」も見てないけど、アルフォンソ・キュアロンの名前は覚えておこうと思います。
アカデミー賞では、作品賞以下10部門でノミネート、監督賞、撮影賞(エマニュエル・ルベツキ)、作曲賞(スティーヴン・プライス)視覚効果賞、音響賞(編集)、音響賞(調整)、編集賞(マーク・サンガー、アルフォンソ・キュアロン)を受賞。
アルフォンソ・キュアロンはLA批評家協会賞、ゴールデン・グローブ賞でも監督賞を獲った模様です。
71年のSFを観たので、久しぶりに新しいSFをレンタルした。「ゼロ・グラビティ」。原題はただの「重力」。地球に戻ってきた時に重力を感じるヒロインの表情がイイ。余計なサイドストーリーなど作らずに、パニックを軸にして描ききったのがいいね。お薦め度は★五つの満点。
[10月20日 以下同じ(Twitter on 十瑠 から)]
1回目の鑑賞では会話が煩すぎる感じがあったが、2回目ではそんなでもなかった。そんなの有り?という設定があるだろうとは思うが、詳しくないので僕がツッコミ所と思ってる部分も実際にはどうだか分からない。でもSFだもの、そんな事は抜きにして楽しみましょう。間違いなく面白い映画だった。
ソフトバンクは阪神に敗れたらしい。明日「ゼロ・グラビティ」を返さなきゃいけないので3度目を見てた。やっぱり面白い。これが面白くないって人がいたら「それは残念ですな」としか言いようがない。サンドラ・ブロック、名演だったのにブランシェットに持ってかれちゃったのね。本当に残念ですな。
[10月25日 以下同じ]
サンドラ・ブロックのオスカー受賞作品「しあわせの隠れ場所」って、タイトルがダサくて観るきなかったけど、今回で予定リストにIN。「潮風とベーコンサンド・・・」、「ものすごくうるさくて・・・」、サンドラさんいつの間にかご贔屓女優さんになってたみたい。
「このミッションはイヤな予感がする」 ~ マット・コワルスキー
「宇 宙 な ん か 大 嫌 い」 ~ ライアン・ストーン
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そういえば、ジーン・ハックマンとジョージ・クルーニーの役どころにも共通点があったなぁ。
<地上600kmの上空で地球を周回しているスペースシャトル。今回が初めてのミッションとなる女性エンジニアのストーン博士は、ベテラン宇宙飛行士コワルスキーのサポートを受けながら船外での修理作業に当たっていた。その時、ロシアが自国の衛星を爆破したことが原因で大量の破片が軌道上に散乱し、猛烈なスピードでスペースシャトルを襲う。衝撃で漆黒の宇宙へと放り出された2人は互いを繋ぐ1本のロープを頼りに、絶望的な状況の中、奇跡の帰還を信じて決死のサバイバルを繰り広げるが…。>(allcinemaより)
出演者は実質二人だけ。
マット・コワルスキー役のジョージ・クルーニーと、ライアン・ストーン博士に扮したサンドラ・ブロックだけだったんですよね。
冒頭のシーンに船外作業をするもう一人の男性クルーがいたり、船内にいるクルーの声も聞こえてきますが、事故の衝撃で悲惨な結果となりすぐに退場となりました。
そして声だけ出演するヒューストンの管制官は「アポロ13」でも感動的な管制官を演じたエド・ハリスだったそうです。ウ~ん、なんという鉄壁のチョイス。
冒頭、スクリーンの大部分に地表から600キロ上空の宇宙から眺めた地球を写しながら、右の方には漆黒の闇がぽっかりと口を開けている。スクリーンからは船外作業をしているストーンやコワルスキー、ヒューストンの管制官の声が聞こえてくるが彼らの姿は見えない。すると、黒い空間の中にポツンと光っていた点がだんだんと大きくなり、スペースシャトル“エクスプローラー”の姿、その周りを椅子型のメリーゴーランドに乗って呑気に眺めているかのようなコワルスキーの姿が大きく見えてくる。
「アラビアのロレンス」で砂漠の遥か向こうからラクダに乗ってオマー・シャリフがやって来た時のようなゾクゾクするシーンでしたねぇ。
それにしても驚くのはあの無重力状態の描写をどうして実現できたんだろうということ。
小さい頃に見たスペースものは、宇宙船の中では人間は普通に直立歩行しているし、手に持っていたものも普通に落ちるし、投げてよこすしみたいな地球の延長だったんですけど、この映画はずべて無重力としてリアルに描き切っている。そこに驚きます。
youtubeにメイキング映像があって、どうやら人間はピアノ線で吊っていたようです。インナー姿のサンドラ・ブロックもインナーからピアノ線が出てました。体をホールドしてた物は見えませんでしたけど、多分薄くて丈夫なタイツのようなものを履いていたんでしょう。映画の技術の進歩って凄いわ。
一難去ってまた一難のドラマはエンドクレジットを除いてほぼ80分間緊張しっぱなし。
監督曰く「映画が描いた逆境は我々人間の日常の暗喩」だそう。人生はままならない。そんな中でストーン博士は最終的に生きることを選択したということだ。
開幕直後の事故で亡くなったクルーの描写は、「ジョーズ」でサメにやられた漁師などを思い出すようなドキリとさせるショック・ショット。
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」も「トゥモロー・ワールド」も見てないけど、アルフォンソ・キュアロンの名前は覚えておこうと思います。
アカデミー賞では、作品賞以下10部門でノミネート、監督賞、撮影賞(エマニュエル・ルベツキ)、作曲賞(スティーヴン・プライス)視覚効果賞、音響賞(編集)、音響賞(調整)、編集賞(マーク・サンガー、アルフォンソ・キュアロン)を受賞。
アルフォンソ・キュアロンはLA批評家協会賞、ゴールデン・グローブ賞でも監督賞を獲った模様です。
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[10月20日 以下同じ(Twitter on 十瑠 から)]
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[10月25日 以下同じ]
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・お薦め度【★★★★★=SFファンは、大いに見るべし!】 
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精神面も体調面もそれなりに復帰しつつありますが、なかなか映画に集中できない日々。誤魔化しながら書いております。
そんな背景があるにしても、本作については、長さはともかく、TBして戴くのが申し訳ないような手抜き記事でありました。愚痴はともかく、
>余計なサイドストーリーなど作らずに
これに尽きると言っても良いですね。
僕の言う「純度が高い」というやつです。
>「アラビアのロレンス」
むむっ、気付かなんだ^^;
ブルーレイに落としたから確認しておきましょう。
>「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」
メキシコ時代から注目していましたキュアロン氏ですが、この作品に関しては場面がいつの間にか変わっているような印象で、大衆向けの内容と監督の個性が全く合っていないと思った記憶があります。
楷書で書くべきところを、行書か草書で書いている感じと言いましょうか。
それはよろしいですな。
体調がそれなりに良くないと、受け取る映画の面白さも半減しますし。
特にこういった緊張を強いるものはネ。
>「アラビアのロレンス」
勝手に思い出しただけですが、もう一度記事を読むと「ポセイドン・アドベンチャー」にも言及してますね。
我ながら古い作品ばかりで
2人だけでも映画が成り立つのは、やはりストーリー自体が面白いからでしょうね。
ワイヤーで吊るというのは、「ミッション:インポッシブル」のトム・クルーズを思い出しますね~。
今回コメント頂いてトレーラーを見直してたら怖さを思い出しました。
遭難は怖い
>2人だけでも映画が成り立つのは、やはりストーリー自体が面白いからでしょうね。
舞台原案の映画には小人数の出演者って多いですよね。代表は「スルース(探偵)」かな。
あと「コレクター」とか「父と暮せば」とか。